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西果ての鉄路、松浦鉄道に乗って【西・南九州紀行⑤】

『旅名人の九州満喫きっぷ』を利用した九州旅行記

最終日3日目は長崎からスタートし、西九州の海沿いの鉄道、

JR大村線松浦鉄道線に乗車します。

 

 

2022年7月18日 (月)

 

長崎駅のホームに入ると、787系の特急『かもめ』が停まっていました。

長崎行きの特急『かもめ』は2011年3月改正以降、885系787系で運行されてきました。

 

朝8時でしたが、停まっていたのは博多からの1番列車でした。

 

長崎駅駅名標とともに。

1976年の長崎本線の電化より始まった博多~長崎を走る特急『かもめ』は

46年余りの歴史にいったん幕をおろします。

 

さて、乗車するのはこちらの列車。

 

長崎本線は喜々津と浦上の間、ルートが二手に分かれています。

このうち、長与を経由する旧来のルートは特急が通らない非電化のルート。

大村線に直通する普通列車早岐行きです。

 

ハイブリッド気動車のYC1系。

これまでのキハ66・67形等を置き換える目的で2020年に投入されました。

YCは、「やさしくて力持ち」から来ているそうです。

 

車内は基本的にロングシート。車端部にクロスシートがある場合があります。

ロングシート部分は同時期投入の819系や305系等に準拠しています。

 

トイレ付き車両は

バリアフリー対応の超巨大トイレが車内の四分の一ほどを占めています。

トイレ前は座席もない(ある車両もあり)ため、着席定員が少ないです。

 

長崎本線旧線は、新線と分離して長与付近までは住宅街を走り、

しばらくすると大村湾に沿って走る区間があります。

 

喜々津にて新線と合流。同じ長崎本線ですが普通列車でも長崎から

15分ほど所要時間に差があります。

この列車は新線経由であとから来た湯江行き普通電車と連絡し、先に通します。

817系電車もこの地から見納めとなりますね。

 

 

諫早から大村線に入ります。

 

 

大村駅大村市も西九州新幹線の恩恵を受けるところです。

新幹線の新大村駅が新駅で設置されます。

 

竹松駅。その奥に見えるのが西九州新幹線の新大村駅で、在来線にもホームが設置されます。

 

竹松駅を挟んでもう一つの新駅「大村車両基地駅」。

名前の通り新幹線の大村車両基地横に設置されます。

営業開始前なので列車は高速で通過します。

 

大村線はキハ66・67形最末期に乗りにきましたが、

大村湾沿いに走るとても景色の良い路線です。

写真は千綿駅付近。

(天気が微妙&YC1系の窓の紫外線避けフィルムの影響で黒く写ってますが)

 

小串郷駅駅名標も新幹線開業にあたってか刷新されています。YC1系がおる。

 

長崎有数のテーマパーク、ハウステンボス

ここにもいつか来たいですね。

早岐まであと一駅。特急『ハウステンボス』乗り入れのため、

この一区間電化されています。

 

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諫早から1時間で早岐に到着。

 

早岐からは特急『みどり』に乗車。

早岐佐世保は乗客数に対し普通列車の本数が少ないため、

乗車券のみで特急列車の自由席に乗車できる特例が設けられています。

 

11分の乗車はあっという間。佐世保に到着しました。

 

佐世保駅はJRの駅としては最西端。

ここから第三セクター松浦鉄道に入ります。

 

入口はJRと別に設けられています。(JRのホームからも入れます)

 

佐世保駅 松浦鉄道線のりば。

1番乗り場は切り欠きホーム。2番乗り場はJRとつながっていて、

かつては佐世保線大村線と直通運転も行われていました。

 

松浦鉄道MRー600形気動車の車内。

ロングシートボックスシート、一人がけ転換クロスシートの3種類の座席があります。

 

 

高架の佐世保駅を出発。

佐世保駅の隣が佐世保中央駅。そしてそのお隣は中佐世保駅

駅間はわずか0.2kmしか離れていないこの2駅を訪れました。

先行して公開したこちらの記事で紹介しています。

jetstream7006.hatenablog.com

 

 

松浦鉄道西九州線

松浦鉄道西九州線は1988年にJR松浦線を転換して開業。

佐世保からたびら平戸口、松浦、伊万里を経由して有田まで93.8kmの路線です。

第三セクターとして再出発した際、列車の大増発を行い

また、開業から11年間で25の駅を増設しました

伊万里で列車の系統が分断されていますが、乗り通すと3時間以上かかります。

円を描くような路線形状なので乗り通す人はいないでしょう。

現在でも佐世保側、佐々までは日中30分間隔で運行されています。

九州の一番西を走る鉄道です。

 

 

佐世保の市街地、住宅街を縫うように走ります。

 

駅名ぶっきらぼうシリーズ、大学駅

細かい駅の設置で乗客を拾っていきます。

 

佐世保から45分、佐々駅に到着。車両基地が併設されています。

佐々より先は日中1時間に1本となります。

 

佐々より先、沿線は一気に緑が深まります。

西の果ての鉄道ですが、海沿いを走る区間はほとんどありません。

 

江迎鹿町駅を過ぎて江迎川を渡ります。

この第一江迎川橋梁は渡った直後の地形との関係上

半径400mのカーブに加えて25パーミルの勾配をもつ全国に例の少ない橋梁。

このことは沿線の観光案内をする車内自動放送でも紹介されます。

 

たびら平戸口に到着。

 

ここ、たびら平戸口駅日本最西端の駅として知られています。

田平の集落と平戸島への最寄り駅です。

 

『日本最西端の駅』の案内。

沖縄モノレールに配慮してか普通鉄軌道方式でという但し書きがされています。

 

私の最果ての駅未踏破は残り、最北端の駅『稚内』を残すのみに。

 

たびら平戸口駅 改札口。

 

有人駅で、各種乗車券を取り扱う窓口があります。

窓口内は鉄道博物館と兼ねられており、様々な展示物を見ることができます。

 

駅舎はこんな感じ。線路が高台にあり集落から離れているため駅前は静かです。

 

1時間の待ち時間を利用して田平の港まで行きました。

徒歩で10分ほど。

 

次の伊万里行きで先を目指します。

先ほどの列車は乗り鉄っぽい人を含めある程度乗客がありましたが、

1時間後のこの列車は乗客がほとんどいませんでした。

 

港のお店で購入したあごのちくわをおやつに。

保存がきかないので車内で食べましたが、塩が効いてる感じがして

ごはんがほしかったです。

 

佐世保から2時間、松浦駅を出ました。

国鉄線っぽく拠点駅は2面3線で規模が大きいです。

かつては石炭輸送などで貨物も賑わったことでしょう。

 

前浜~今福間は数少ない海沿いを走る区間です。

 

伊万里に近づくにつれて列車は再び内陸へと戻っていきます。

 

伊万里に到着。2面3線の終端駅です。

有田へ向かう際はこの駅で必ず乗り換えとなります。

 

伊万里駅の駅名票。

おそらく転換前から使用されているものですが、

JR筑肥線の次駅、上伊万里駅も併記されています。

後述しますが、JR筑肥線は別のホームから発車します。

 

これまで通ってきた道と分かれて有田方面へ。

 

伊万里~有田はおおむね有田川に沿って路線が敷かれています。

伊万里と有田という二つの焼き物の名産地を結ぶ路線です。

まさに陶磁器の輸送のために建設されました。

 

26分で有田駅に到着。

 

有田駅は、JR佐世保線有田駅のホームから発着します。中間改札もありません。

松浦鉄道を乗り通すと佐世保~有田は約3時間。

対してJR佐世保線の特急『みどり』で佐世保~有田は約27分。

急ぐ人はJRを使いましょうw

地域密着鉄道、松浦鉄道でした。

 

 

JR筑肥線に乗るため伊万里に戻ります。

 

松浦鉄道とJRのホームは道路を挟んで別々に存在しています。

道路整備のため線路を分断したのだそうです。

 

こちらがJRホーム。1面1線の単純構造です。

列車はキハ125形の単行。

 

JR筑肥線は1983年に福岡市営地下鉄と直通運転を行うにあたって

大きく姿を変えた路線です。

福岡方面から唐津線との連絡地点を山本から唐津に変更する路線付け替えを行った経緯から、路線が伊万里~山本と唐津姪浜に分断されました。

路線の役目自体が【伊万里佐世保方面と博多を結ぶ幹線】から

唐津と博多を結ぶ通勤路線】に変わったのです。

結果、伊万里~山本は非電化のローカル線として取り残されています。

 

伊万里~山本~唐津間に2~3時間に1本程度、普通列車が運転されています。

山越えが多く、沿線に大きな町はありません。

伊万里から乗った乗客は皆、山本か唐津まで乗り通しが多かった印象です。

 

駅で見た唐津線との合流は山本駅となっていますが、

実際は本牟田部駅の手前から並走していて、本牟田部駅唐津線にのみホームがある造りとなっています。単線並列区間です。

 

 

伊万里から50分で唐津に到着。

筑肥線 筑前前原行きに乗り換えます。

乗り換えた電車は…

 

 

103系1500番台。

皆さん忘れてませんか?九州にも103系がいることを。

 

1983年、筑肥線電化・福岡市営地下鉄との直通運転開始時に投入された電車です。

305系の投入によって地下鉄直通運用を行う6両編成は置き換えられましたが、

筑前前原以西の3両編成の運用が残されています。

 

顔は地下鉄仕様で違えど車内・音は103系そのものです。

 

玄界灘沿いを爆音たててぶっ飛ばす103系

その姿は未だ健在です。

「九州の103系乗ってみな、飛ぶぞ(物理的に)」

 

当初から1歩遅れた技術で投入されたため地下鉄からは早めに追い出されましたが

1980年代の製造なので3連口の置き換えはもう少し先なのでは?

と、個人的には思います。

 

 

筑前前原から九州内最終ランナーは最新式305系。

これで博多へ。

 

 

関西へ帰るのは新幹線。

バリ得勢にはおなじみ『ひかり594号』。

知る人ぞ知る深夜の最速ひかり号です。

深夜、最終に近い時間帯に16両編成で運転してくれるのは嬉しいですよね。

連休最終日、指定席は満席ということでその威力を発揮していました。

 

 

 

これにて、3日間に渡った西・南九州旅行の行程は終わりました。

行程の都合で二日目に『旅名人の九州満喫きっぷ』を使用しなかったため、

近いうちにまた九州に来ることになりそうです。

 

 

西・南九州紀行【完】