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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

三江線とお別れに行ったら凄まじかった。第二夜

2017年9月のお話です。

2018年3月31日の営業を以て廃止されるJR三江線に乗りに行くと、

朝の倒木の影響で折り返し乗車となる列車が2時間遅れとの情報。

三次駅に着いて1時間半ほど。

そろそろ来るかな~、とホームに行くとそこには…

 

 

18きっぱー、そして旅行者の列。先頭が見えません。

これは大混雑の予感。この人たちいつから並んでたんだろう…

単行で来たら乗れないぞ…

 

「3番乗り場、ご注意ください~ 遅れております石見川本行き到着です」

 

11時32分。折り返し三江線424D 石見川本行きが到着。 2時間11分遅れです。

2両編成でした。

 

列車からはぞろぞろ人が降りてきて、ぞろぞろと乗車。

着席は叶いませんでした。

 

 

11時40分、大量の乗客を乗せて三次駅を1時間38分遅れで出発しました。

中間の運転台横スペースを確保。景色はなんとか見られそう。

列車には車掌が乗務していたほか、乗降調査のためかJRの社員さんが複数乗車されていました。

 

石見川本の休憩もなさそう。

こうなりゃ、今回の記事は駅紹介といきましょう。

三江線には個性豊かな駅がいっぱいです。

 

三江線内2駅目の粟屋駅。すでにさよならモード。

中央には駅の花の世話をする住民の新聞記事が飾られていました。

もうほっこり。

 

これがこの路線とほとんど並行する江の川

この時点で結構な川幅です。どう姿を変えていくのか。

 

三江線内3駅目の長谷駅

この駅だけ通過列車の設定があり、乗車の424Dも通過。

朝の三次行きと午後の浜原・江津方面行きしか停車しません。

 

三江線内4駅目、駅舎がやたら遠いでお馴染みの船佐駅

ちなみに三江線、駅名板より大きい左のカラー看板が示すのは

三江線活性化協議会によって付けられた各駅の愛称。

石見神楽の演目に因んでおり、船佐駅は『悪狐伝』。

 

三江線内7駅目、式敷駅

三次から14.8kmを32分かけ、最初の列車交換対応駅。

1955年、三次側からの三江南線の終着駅だったことのある名残のようです。

息を整えることなく、列車は先へ進みます。

 

三江線内9駅目、作木口駅

作木の集落は川を渡って対岸にあります。

このように駅前に橋が架かっている駅も多くあります。

乗車人員は一桁台の駅ばかりです。

 

 

ここまで川沿いをスローペースに走ってきた三江線

写真は撮れませんでしたが

三次から28.4km、11駅目の口羽から先、様子が一変します。

 

三次~口羽は三江南線として1963年に開通したのに対し、

口羽から浜原まで29.6kmの区間三江線として最後に開通した区間

1975年に日本鉄道建設公団により工事開通しました。

日本鉄道建設公団という言葉から察せられる通り、

この区間は他の区間と比べて路線があからさまに高規格で、

高架線やトンネルを多用。江の川に忠実だった線形も、

鉄橋で川を超えたりトンネルで山越えして別の集落に寄るようになります。

JRの都合で徐行区間がないことはないものの、

運行速度はぐんと上がります。

(三次~口羽 28.4kmを11駅58分に対し、口羽~浜原29.6kmは7駅39分)

 

そんな区間で一際目立つのがこの駅。

 

三江線内13駅目、宇都井駅

 

 

ホームと反対側を見ると、この高さ。

地上20mの高さにある高架駅。

トンネルとトンネルの間の谷に駅を設けたためこうなったようです。

地上から日本一の高さにある駅でしたが、ホームに通じるのは116段の階段のみ。

まさに天空の駅でした。階段が塔のようになった見た目も特異で、

三江線の駅で一番の変わり者であり有名であった宇都井駅は観光客を呼び寄せ、

この列車も宇都井駅での乗降がありました。

車で訪れる人もいるのかホームにも人がたくさん居ました。

 

宇都井駅の隣、石見都賀駅

この駅も築堤上のやや高い位置にあります。

1面2線で口羽以来の交換可能駅。

 

三江線内16駅目、潮(うしお)駅。愛称は『潮払い』。

線路の横がすぐに江の川で、景色が良かったのを覚えています。

 

潮駅の隣は沢谷駅

江の川に設けられた浜原ダムを避けるために長大トンネルで山越えをした先にある駅で、三江線で突出して江の川から離れている駅です。

 

 

再びトンネルで山越えをしておよそ中間地点の浜原に到り、鉄建公団線区間終了。

浜原から先は1930~1937年に開業した三江北線区間で、南線区間より歴史があります。

 

 

浜原の隣は粕淵駅島根県邑智郡美郷町に位置し、美郷町のキャラクターみさ坊がお出迎え。

 

粕淵駅を出ると列車は江の川を渡って、川を右に見ながら進みます。

 

潮駅に続く漢字一文字駅名の竹駅。三江線23駅目。

 

 

そうして、三次から約2時間15分、

遅れをほぼ回復することなく列車は25駅目の石見川本駅に到着。

本来であれば1時間27分の長時間停車があるのですが、

対向列車も到着済、すでに所定の出発時刻を過ぎての到着でした。

列車番号が変わっただけで乗客の入れ替わりもほぼなく

13時56分頃、石見川本を出発したのでした。

あと1時間10分ほど乗車時間があります。

 

 

ここまで2時間立ちっぱなし。しんどい…

列車は必殺徐行により眠くなるようなスピードで江津を目指します。

いや、景色はずっと良いのよ。写真は田津駅

 

三江線30駅目、川戸駅

江津~川戸は1930年に三江線で最初に開業した区間

当時は船運に代わって鉄道が大活躍したでしょう。

終着駅だった時代があるので2面2線であった名残が確認できました。

現在は棒線駅で、江津~石見川本32.6kmに交換設備はありません。

 

江の川もだいぶ下流となり、川幅・水の量とも増しているのがわかります。

 

この橋が見えてくると終着の江津はもうすぐです。

 

15時01分、7分遅れで終着の江津に到着しました。

所要時間3時間21分。立ちっぱなしは鬼。

よく耐えた、自分。

 

西へ向かう旅人たちはすぐに到着した快速アクアライナーに吸い込まれていきました。

 

自分はこの日の内に兵庫へ帰らないといけないので

同じタイミングで来た普通列車で東へ向かいました。

 

【帰りのルート】

江津→(普通列車)→温泉津→(特急スーパーおき)→出雲市→(普通列車)→米子

→(快速とっとりライナー)→鳥取→(普通列車)→智頭→(智頭急行線 特急スーパーいなば)→上郡→(普通列車)→姫路→(新快速)→三ノ宮

 

夕方の宍道湖

 

ちょこちょこ特急課金しながら帰る道中に、とある決意をしました。

三江線、リベンジしよう。」

倒木による遅延は自然現象だから仕方なかったとして、

座ることが出来なかったぶん、景色は張り付いて見ることができましたが、

どんな路線か知ることができなかったな~と。

駅も数駅立ち寄ったりしながら、一日三江線を巡る旅を、

廃線までにもう一度しようと心に決めました。

 

次回、『三江線リベンジ』。お楽しみに。