Local bound for…

各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

JR只見線の旅。【新潟・福島・山形の旅2019②】

2019年夏の旅行記です。

 

前日は休日おでかけパスを使って東京周辺の乗り鉄を少々したあと、

新幹線で一気に新潟県は越後湯沢へ。

そして二日目、青春18きっぷを手に越後湯沢から出発し、

JR東日本随一の長大ローカル線、JR只見線に乗車します。

大雨災害により途中区間がまだ不通となっていた時代。

車両も少し懐かしいです。

 

 

2019年8月18日(日)

 

越後湯沢 7時13分 → 小出 7時54分 上越線 普通 長岡行き

 

雪に対する設備が随所に見られる越後湯沢駅から、上越線普通列車に乗って

只見線の始発駅、小出に向かいます。

 

休日朝の上越線はかなり空いていました。

 

新潟に来たらお米食べないと。

ということで朝ごはんのおにぎりです。

 

魚沼地方に入ると、そこは米作りの本場。

沿線には水田が広がります。

 

 

約40分で、小出に着きます。

 

 

只見線の旅。

 

小出 7時58分 → 只見 9時15分 只見線 普通 只見行き

 

いよいよ只見線普通列車に乗車します。

キハ40形の2両編成。

当時、豪雨災害の影響で一部区間が不通、代行バスによる運行となっていたため、

小出~只見間は新津の車両が担当していました。

 

この7時58分発の列車が本日の始発列車、かつ午前中唯一の列車ですが、

かなり空いており、誰も居ないボックス席もありました。

平日には学生の利用などがあるのでしょうか。

 

 

只見線 路線データ

JR只見線は、新潟県魚沼市小出駅から福島県会津若松市会津若松駅までの

135.2kmを結ぶ地方交通線

人口の少ないところを走るものの、沿線は豪雪地帯で、

新潟・福島県境の道路が冬期通行止めとなることから重要な交通機関とされています。

2011(平成23)年7月の新潟・福島豪雨によって被害を受け、

被害が比較的軽微であった区間は徐々に復旧をしたものの、橋梁流失等の甚大な被害を受けた只見~会津川口間(27.6km)については存廃について沿線とJR東日本の間で議論が交わされることとなりました。

結果、復旧費の負担割合や今後の運行方法に決着がつき、2018年6月より復旧工事に着手し、鉄路による復旧が決定。只見~会津川口間については復旧まで引き続き、代行バスによる運行となっています。

 

今回は、まだ運休区間が残るものの、全線復旧までに、それまで活躍していた

キハ40系列の置き換えが予想されたことから、キハ40系列での運行をしているうちに

訪問、乗車をすることにしました。

 

 

列車は小出駅を出るとすぐに右に大きくカーブをし、魚沼の市街地を抜けます。

市街地はすぐ途切れ、田園地帯が続きます。

 

キハ40の窓枠とこの風景がマッチし過ぎてますね~。

 

平野部が終わり、徐々に山が迫ってきます。

 

上条駅付近。

沿線に人が全くいないわけではなく、入広瀬駅付近まで稲作地帯で家も点々とあり、

各駅前には集落があります。

 

家々や田畑が途切れました。

破間川に沿って走り、新潟県内最後の駅、大白川を目指します。

 

 

小出から約45分で大白川に到着。

2019年当時のダイヤで小出~大白川間の列車は1日に4往復。

うち1往復が大白川で折り返し、只見へは3往復となっていました。

 

これより先、六十里越と呼ばれる峠に挑み、

新潟・福島の県境を越えます。

 

大白川~只見間の駅間距離は20.8km。

キハ40系性能で引かれたダイヤで30分かかります。

只見線と並行する国道252号線の六十里越区間は冬期に閉鎖されるため、

新潟県魚沼地方から只見へは只見線が唯一の交通手段となります。

この一駅間は1971年に只見線で最後に開通した区間でもあります。

 

只見線は険しい山々を二つの長大トンネルで突っ切ります。

 

最初の長いトンネル(六十里越トンネル:6359m)を抜け、田子倉湖沿いに

一瞬地上に出たところのスノーシェッド内に田子倉駅がありました。

2001年12月ダイヤ改正より、冬期に休止する臨時駅となり、

2011年7月の豪雨災害被災前が実質的な最終営業として2013年に廃駅となっています。

 

9時15分、只見駅に定刻通り到着。

 

列車はいったんここまで。

これより先は復旧工事が行われている区間

10分ほどで代行バスに乗り換えです。

 

キハ40の行き先サボがいいですね。

 

只見駅、旅客施設は狭い島式ホームの一面二線構造。

構内は広く、保線等の基地になっていそうです。

 

天気が良くて。

手作りのかかしや花畑が見えます。

 

只見 9時25分 → 会津川口 10時15分 只見線(代行バス) 会津川口行き

 

駅前から発着する代行バスは、マイクロバス一台。

利用実態の少なさが見えてしまいます。

このバスの座席が6割程度埋まる形で只見駅を出発しました。

(代行バスは列車より多めの1日6往復が確保されていました。)

 

 

福島県に入り、分水嶺を超えて、只見線は只見川に沿って走ります。

この地方は平地が少なく、川岸の平地がある方へ線路は何度か只見川を渡ります。

只見~会津川口間に3つある只見川を渡る橋梁が全て流失し、

復旧まで長引く原因となっています。

 

沿線の建物にあった表示。

鉄橋が落ちるくらいなので、洪水もひどかったのでしょう。

 

代行バスを運転しているのが地元のバス会社の運転手さんであったようで、

少ないながらも自分含めて旅行者の風貌のある乗客が複数いるのを

察してくださったのか、運転席に近い乗客と当時の状況について話したり、

景色のいいところでほんの少しスピードを落としてくれたりしていました。

 

 

第八只見川橋梁。川を横切らない、いわゆる渡らずの鉄橋であるため、

この区間の只見川橋梁で唯一流失を免れた鉄橋です。

水色のトラス橋が目印。

 

バスは国道252号線を快走し、只見線の各駅に立ち寄ります。

只見川がきれいですね。

 

 

絶景。

 

 

只見から5駅目、会津越川駅

消防団の建物に「越川駅」の看板があります。

 

 

会津越川~本名間、第六只見川橋梁があったところ。

道路はダムの突堤を走り、見下ろす形で架橋工事をしているのが見えます。

本名ダムのすぐ下にあった鉄橋で、鉄橋自体かなりの高さにあったはずですが、

流されてしまうので水の力は恐ろしい。

 

これが本名ダム。

このあともう一度只見川を渡り、会津川口駅に到着します。

 

 

福島県大沼郡金山町にある会津川口駅

JA・郵便局と合築となっている珍しい駅。

 

駅舎。駅員配置駅で、待合施設がしっかりしています。

沿線の観光案内パンフレットも置かれています。

 

列車はというと、これより先は1日6往復。

被災前から只見方面の列車は1日3往復だったので、この駅を境に本数が異なります。

代行バスが多めに設定されていて、会津若松方面の列車と本数が同じはずなのに

接続が噛み合っておらず、2時間ほど待ち時間があります。

 

 

 

2時間ただ待っても仕方ないので、道の駅が近くにあるらしい次の駅、

会津中川駅まで歩いてみることにしました。

 

 

 

国道沿いに放置されていたワム。

国鉄時代は貨物輸送も盛んだったんでしょうけど、線路から少し離れているのに誰が持ってきたんだ…

 

 

会津川口駅から徒歩8分ほど。只見川を渡る道路橋。

只見線が見下ろせるんじゃないかと渡ってみたら、これが大当たり。

 

 

 

 

 

会津若松方を見ます。

 

絶景じゃないですか。

列車がやってきたら素晴らしい写真が撮れそうなスポットです。

 

 

会津川口駅の方を見ます。

建物がある辺りが駅周辺です。

 

 

望遠で駅を見てみます。

すでに列車が停車しているのが見えます。

会津若松会津川口間は本来の所属先である郡山(会津若松派出)の車両が使用されるため、白地に緑のラインの車両となりますが、只見線はやはりこの塗色の車両が似合います。

 

 

 

カメラで遊んでみる。

 

 

 

国道沿いに歩き、国道も只見線を陸橋で越えます。

 

 

途中にある大志の集落。

瓦屋根ではない三角屋根の住宅が多く、雪が多い地方ならではなのかな?と思います。

 

 

とってものどか。

 

 

ゆっくり歩いて40分ほどで道の駅『奥会津かねやま』に着きました。

広い道の駅で、物販充実、レストラン等もありました。

 

ひと休み。

冷房効いてて助かりました…。

近くに中川温泉という温泉もあるようです。

 

 

道の駅と会津中川駅の間に小さな神社がありました。

 

 

駅が見えてきました。

 

会津中川駅

駅舎は案外大きいのですが、有人駅だったことはないそうです。

 

駅データ

【駅名】会津中川 (あいづなかがわ)

【所属】JR東日本 只見線

【所在自治体】福島県大沼郡金山町

【開業】1956(昭和31)年9月20日

【構造】地平駅、1面1線

【設備】無人

 

 

めっちゃ雰囲気の良い駅。

こういう小駅、訪れることなかなかないので貴重です。

 

昔の貨物積み下ろしホーム跡が見えます。

 

駅名標

只見線には旧国名の『会津』を冠する駅がたくさんあります。

 

列車を少し待ちます。

 

 

 

会津中川 12時37分 → 会津若松 14時25分 只見線 普通 会津若松行き

 

列車がやってきました。

 

キハ40形の2両編成。

後ろ側の車両は、座席が2+1列になっていました。

列車は相変わらず空いています。

 

只見川をあと4回渡ります。

これら只見川を渡る橋梁は、絶景路線、只見線の撮影スポットとなっています。

車内から眺めて風景よし、外から見る、鉄橋を列車が渡る風景もきれいなのです。

 

 

ボックスシートでゆったり座って車窓を眺める至福の時間。

 

宮下ダム。

並行する国道は対岸の山の中の覆道を走り、この辺りの地形の余裕のなさを物語っています。

 

 

只見線車窓のハイライトがこちら。

 

会津西方会津桧原間にある第一只見川橋梁から見た景色。

トラス構造のアーチ橋のため、車窓を遮るものがなく、

鉄橋自体も有名撮影スポットになっています。

南側から見た橋の景色は四季を通じて美しいものとなっています。

 

 

会津柳津駅会津といえば連想される赤べこの発祥の地だそう。

 

会津川口から50分ほど、会津坂本駅辺りで只見川と分かれ、

列車は1つ山を越えます。

 

10分ほど山深い区間を走ると、一気に車窓が開け、

会津盆地へと列車は下りていきます。

 

久方ぶりに街が見えてきた感じがします。

ほどなく会津坂下駅に到着。

 

これより先、只見線の中では利用客の多い区間となりますが、

列車が増えるのは1往復だけ。

会津坂下会津若松只見線の列車本数は7往復です。

 

 

西若松会津鉄道線が合流し、会津若松へ。

 

 

 

 

14時25分、会津若松駅に到着。

磐越西線と交わるターミナル駅です。

 

ありがとう、キハ40系。

 

 

その後、只見線は2022年10月1日に全線で列車の運転を再開しました。

只見線でのキハ40系での運行は2020年に終了。

キハE120形・キハ110形に置き換えられています。

 

 

自分自身の乗りつぶしのルール上、代行バス等での運行はノーカウント。

会津川口会津中川も徒歩で未乗じゃないか、とお思いの皆さんへ。

大丈夫です。

ちゃんと再訪していますので!!!(いつか旅行記を公開します)

 

 

この日の旅はこれだけで終わりません。

磐越西線の観光列車『SLばんえつ物語号』に乗車します!

 

次回もお楽しみに。