昨年秋にJR東日本の週末パスなどを利用して長野・新潟・福島県辺りを行った旅。
2日目のこの日は、新潟県長岡を出発し只見線に乗車したいのですが、
その前に上越線を南へ。上越線の有名なトンネル駅である土合駅に立ち寄ります。
長岡 8時38分 → 土合 10時20分 上越線 普通 水上行き
魚沼の水田地帯を走行します。
越後湯沢を過ぎると車内が空きました。
越後湯沢周辺はスキー場がかなり多いです。
長岡から1時間25分。越後中里に到着。
多くの列車が折り返す駅で、ここから先は上越国境の本数が少ない区間となります。
この1728~8728Mも平日は越後湯沢行きとして運転され、
冬期を除いた土休日のみ水上まで延長運転されています。
車窓にだんだんと山がせまってきます。
少しずつ色づいた山も見られるように。
先には雪を冠した山も。
標高が上がってきたようです。
谷川岳を貫くトンネルが単線トンネルであるためで、上り線が開通時からの清水トンネルを経由し、下り線は後年開業で距離も長い新清水トンネルを経由します。
土合駅に到着。
『モグラ駅』でありながら上り線ホームは地上に存在します。
谷川岳への登山客や、駅訪問が目的とみられる人など降車客は思ったより多かったです。
列車が出発していきます。
列車が去ると静かな山の駅に戻ります。
上り線ホーム上に待合室があり、駅名標が貼られていました。
上り線は海抜665mに位置します。
土合駅 駅データ
【駅名】土合 (どあい)
【開業】1936(昭和11)年12月19日
【構造】上り線ホーム 地平駅、1面1線
下り線ホーム 地下駅、1面1線
【備考】1931(昭和6)年9月1日、信号場として開設
下り線ホームは新清水トンネル内に1967(昭和42)年9月28日設置
ホームを見る。
架線柱が広いのは、単線時代に交換設備を持っていた名残でしょうか。
今はその必要がなくなったので構内の線路は1本です。
駅舎に通じる通路。
駅舎に入ってから改札口まで若干の距離があります。
『旅客運賃料金精算所』の文字が見えます。
もともと駅事務室として使っていたスペースに喫茶店が営業しています。
改札外から見ると『きっぷ売場』の文字が残ります。
残念ながら切符の販売は行われていません。
駅舎がしっかり作られているので、改札前のこのスペースが上下線ともに使える待合室といえそうです。
駅舎から外を見ます。
道路まで距離があり、それまでのスペースが砂利敷きの駐車スペースとなっています。
休日ともあって駐車している車が多いです。
道路から駅舎を見ます。
三角屋根が特徴的。
木彫りの駅看板。
駅前の道路はこれでも国道で、国道291号線です。
下には湯檜曽川が流れています。
道路の上を横切っている通路はなんと下り線ホームへ向かう通路なのです。
道路に面してバスの待合所があります。
関越交通のバス停で、谷川岳へのロープウェイ乗り場から水上駅・上越新幹線の上毛高原駅とを結ぶ路線のようです。
なぜか違うバス停に貼り紙をする形で使用されていました。
元々使っていたものが吹っ飛んだりどっか行ったりしたのでしょうか。
また、駅から至近距離にはドライブインがあり、谷川岳の土産物の購入や食事をとることができます。
ラインナップから、ここはもう群馬県なのだと気付かされました。
さらにその先にはキャンプスペース。
駅に戻ってきました。
駅名看板は平仮名で『どあい』。
正面には木彫りで『ようこそ日本一のモグラえき土合へ』とあります。
土合駅の時刻表。
通常は上下5往復の普通列車が停車します。
臨時列車の記載はありませんので、今回訪問に使った列車は載っていないことになります。
有人駅時代に使っていたであろう金属製のラッチが残っています。
改札機はなく、券売機もないため入場料金も徴収できていないことになります。
いよいよモグラ駅である下り線ホームへ。
改札入って左手となります。
越後湯沢・小出・長岡・新潟方面はこちら。
しばらく通路を水平に歩きます。
進んで行くと、扉を挟んで通路の幅が広がります。
水上・高崎・大宮・上野方面は戻るように表示があります。
万が一、列車ギリギリの時間に間違った方向に向かっていたら大変ですからね。
この幅が広い部分が先ほど駅の外から見えていた部分と思われます。
その先より地下へ下りていく階段となります。
上から見下ろします。
ずーーーっと真っ直ぐ遠くへ続いていく階段。
この階段の段数は462段あります。
下から段数が数えられ、キリのいいところに段数の表示があります。
途中には休憩用のベンチが設置されています。
階段横には地下水の流れる空きスペースがありますが、エスカレーター設置用のスペースだそうで。設置の予定はないそうです。
階段を下りるだけでも5分以上かかりました。
下から上を見上げても果てしない。
階段をおりた先にようやく下り線ホーム。
上り線ホームとの高低差は81mあります。
ホームに近づくほどに空気がひんやりしてきます。
トンネル内に設置されたホーム。
車両に合わせてホームを嵩上げする際に、新たなホームが作られています。
通過線を持ち、副本線がホームに面していましたが、副本線線路上に新たなホームを設置したため待避設備を廃止する形となっています。
地下70mにある下り線ホーム。まさに日本一のモグラ駅。
改札口まで約10分の表記。今回私は階段を上ることはありませんでしたが、上りはしんどいだろうなあ。
駅名標。下り線専用ホームなので矢印が一方向に向いています。
階段を下りきったところ。
トンネル内にも待合室はあります。
待合室の奥側、運転関係の事務室だった建物では地元の業者がビールの熟成を行っています。
年間通して気温が低く一定であるトンネル内という立地を活かした取組みです。
旧ホームはこれより先立ち入れなくなっています。
トンネル駅は、旧北陸本線の筒石駅にも行ったことがありますが、
土合駅はやはり別格というか、地下深くにある異次元っぷりがすごかったです。
(個人的にダンジョン感は上下線ともホームがある筒石駅が上。)
土合 11時48分 → 小出 12時56分 上越線 普通 長岡行き
約1時間30分の滞在で、長岡行きの列車に乗車し土合駅を去りました。
やはりトンネル内の下り線ホームは珍しいためか観光地化していて、
列車に乗らずに列車到着の様子を見に来る人が多くいました。
さて、次回は全線運転再開の折、いよいよ4年越しに乗車が叶った
JR只見線の乗車記です。
お楽しみに。