昨年の秋の旅行記です。
『ぐんまワンデーパス』を利用して、
楽しみながら関西へと帰っていく予定でしたが、
タイトルでネタバレしてしまっている通り、
アクシデントに見舞われることになります。
2022年11月19日(土)
朝の桐生駅。
ここから旅は始まります。
桐生 8時09分 → 新前橋 8時46分 両毛線 高崎行き
約40分で新前橋に到着。
写真に写っているのは上野東京ライン直通列車で、
両毛線には朝夕、G車付き10両編成が前橋まで一駅間だけ乗り入れます。
今回使用している『ぐんまワンデーパス』。
群馬県内のJR線はもちろん、東武鉄道を含む私鉄線にも乗り放題。
ローカル私鉄の多い群馬県は、これを使うとけっこうお得に旅行できます。
会社を跨いでも使えるフリーきっぷは便利です。
高崎駅を中心とした群馬県内JR線の顔である211系3000番台。
高崎線に直通する列車を除く、上越線・両毛線・吾妻線・信越本線の
全ての普通列車に使用されます。
高崎車両センターに所属し、3+3の6両編成と、4両編成の運用があります。
新前橋 9時20分 → 大前 10時41分 吾妻線 大前行き
今回行く吾妻線の終着駅、大前。
吾妻線は、草津温泉に行くために長野原草津口まで乗車していましたが
大前に行くのは初めて。この大前、難易度高めの終着駅です。
詳細は後ほど。
伊香保温泉への最寄り駅で、まとまった降車がありました。
JR東日本 吾妻線
全長55.3kmの地方交通線です。
観光需要が多いことから東京(上野)方面から特急列車も運行されています。
日中は2時間程度運行が開く時間帯もあります。
全線が吾妻川に沿うように建設され、終点に向かうにつれ
高度を上げていく山岳路線でもあります。
吾妻川は谷底を流れていて、川の様子はあまり見えません。
渋川から約30分で中之条駅。
四万温泉への最寄り駅で、特急停車駅です。
しばらく吾妻川を車窓左に見てきましたが、
急に左に大きくカーブし、吾妻川を渡ってトンネルに入ります。
川原湯温泉の最寄り駅で、旧温泉街はダムに沈んだため、
駅・温泉街もろとも移転をして営業をしています。
旧線と再び合流。
そこはもう長野原草津口駅で、旧線の一部が留置線として使われています。
ここから草津温泉へはバスで連絡となり、20~30分ほどかかります。
特急列車や一部の普通列車はこの駅までで、
ここから先は日中2時間に1本程度の運行となります。
2駅先の羽根尾駅は、やけに広い構内を持つ駅。
路線の開業時に貨物を取り扱っていた名残のようですが、
長野原草津口~大前の開業が1971年と遅く、
10年ほどで貨物輸送が終了し、一部が留置線として使われています。
羽根尾~袋倉間は林の中を走行します。
急カーブあり、急勾配あり、吾妻線の後期開業区間は険しいところを走ります。
中黒「・」の入る珍しい駅です。
キャベツで有名な嬬恋村の中心駅で、万座温泉・鹿沢温泉への連絡駅。
長野原草津口より先に行く列車は大半がこの駅で折り返しとなります。
次の駅である終着、大前へ至る列車は1日に4.5往復しかありません。
トンネルこそ越えるものの、距離にして3.1km、4分で
終点の大前駅に到着しました。
海抜840mとあります。登ってきましたね。
秘境駅? 大前駅
一面一線の終着駅、大前駅。
上流にきて川幅の細くなった吾妻川のほとりにあります。
線路はこの先で途切れています。
計画では嬬恋村内を経由、この先の山々を貫いて長野市の豊野駅へと
路線を伸ばすつもりだったとか。(どうやって?)
時刻表を見てみましょう。
大前発の列車は1日5本。
この折り返し列車を逃すと次は6時間半後、17時台の列車となります。
改札口なんかありません。フリーダム。
ホームには待合室があり、駅ノートが設置されていました。
駅前には車が乗り付けられるロータリー(?)があります。
振り返って駅前の様子。
最近掛け替えられたらしい橋を渡って、坂を登った先に集落があるようです。
意外にも嬬恋村の役場に近いのは万座・鹿沢口駅ではなく大前駅。
駅近くにはアパートが数軒。
他には何もありません。
役場アクセスのために作られた駅、と考えても本数に疑問が残ります。
相当、利用が少ないんだろうな…
川を渡ってみたところから駅方向を振り返ります。
この先に駅があるとは思えない位置に駅があります。
ホームに止まる211系普通列車。
人が少なすぎて、211系の車内観察が捗りました。
大前 11時02分 → 新前橋 12時38分 吾妻線 新前橋行き
いろいろと疑問が残る終着駅、大前駅。
約20分間の折り返し時間で、退散します。
2023年3月までは651系で運行されていました。
現在はE257系での運転となり、『草津・四万』と愛称も変更となっています。
ここで思わぬアクシデント
中之条駅まで帰ってきましたが、列車が発車しません。
車内アナウンスが入り、この先の上越線内で踏切事故が発生した旨
第一報が入りました。
この列車の終点である新前橋にたどり着けないじゃないか…
…などと思っていると、
「渋川までとりあえず運行する」ということで運転を再開しました。
中之条から30分進んだ渋川駅で再び運転見合わせ。
ここで車掌から、事故区間が新前橋駅と、その先の井野駅の間であること、
新前橋~高崎が運転見合わせとなっていることが告げられました。
ネットの情報が間違っていました。
新前橋まで行けることがわかりましたが、
帰るには新前橋~高崎を通り抜けなければなりません。
大ピンチです。
しばらく渋川駅に停車したのち、列車は動き出し、
12時54分、16分遅れで新前橋駅にたどり着きました。
架線が断線してしまっているようで、
運転再開まで相当時間がかかることが予想されます。 改札口には、
切符の払い戻しや、どうすればいいかわからない人たちで溢れていました。
新前橋は上越線と両毛線の合流する駅で、高崎までは利用の多い区間です。
代行バスの準備ができている、ということで駅前ロータリーへ。
新前橋駅の東口には、代行バスを待つ人の長い列が出来ていました。
バスは台数が少ないのかなかなかやってきません。
改札口からは、新前橋止まりの電車でやってきた人が続々と出てきます。
東口の出口、階段が二手に分かれており、
双方から出てきた人への整理が全くままならない状態となっていました。
行列の最後尾の位置や、そもそもどこの位置に並べばよいかわからない人が
多く出ており、かなり混沌としていました。
20分ほど経って、ようやく観光バスを使用した代行バスが1台到着。
並んでいる人の半分も乗せきらずに発車していき、
さらに待ちぼうけ。
こりゃいかん。
新前橋を脱出できるのがいつになるかわからないので、
ダイヤが崩壊しながらも動いている両毛線を使って脱出を試みることに。
ホームに戻ると、なぜか高崎方から乗客を乗せた列車がやってきました。
運転見合わせちゃうんかい。
下り線は列車を走らせられる状態?
この列車は新前橋止まりとなりました。
ホームに戻ったのが13時15分頃。
定刻12時52分発の両毛線 小山行きがホームにいたため飛び乗るも、
上越線水上方面からの接続を取るために出発しません。
新前橋を出発したのが13時38分でした。
待っている間に時刻表と格闘していたところ、
この遅れにより一瞬思い描いた乗り継ぎで帰れないことがわかり、
結局、前橋駅で下車。
行動が全て裏目に出てしまいました。
結局、前橋駅で途方に暮れながら過ごし、
わずかながら設定のある前橋~高崎の一般路線バスに乗車。
こちらもJRの代わりに利用する客で、ダイヤが崩壊しておりました。
結局新前橋駅を経由したのですが、混雑は収まっておらず、
このバスにも大挙して乗車があって小型のバスは満員に。
バスは前橋~高崎の通し利用なんか考えていない大回りのルートで
時間がかかり、高崎駅に到着するころには16時をまわっていました。
しかも16時半から運転再開のお知らせが。
本当に悲しくなりました…
高崎 16時43分 → 横川 17時16分 信越本線 普通 横川行き
高崎からはほぼ予定通りのルートを、
予定していた寄り道を全てすっ飛ばして最速で帰ります。
初乗車の信越本線。暗闇を横川へ。
他路線からの接続待ちのため6分遅れて発車。
横川 17時20分 → 軽井沢 17時54分 JRバス関東 碓氷線 軽井沢行き
もともと乗り継ぎ時間が4分しかありませんでしたが、
接続を待ってくれていました。
軽井沢までは約35分。
軽井沢から、本来はしなの鉄道線に乗車予定でしたが、
北陸新幹線に乗車します。
(ここからは普通の乗車券で乗車。)
軽井沢 18時08分 → 長野 18時39分 北陸新幹線あさま621号 長野行き
上田→長野 の区間が未乗であったので、これで乗車したことになります。
長野 19時40分 → 名古屋 22時42分 特急しなの26号 名古屋行き
名古屋経由で関西へ帰ります。
名古屋方先頭車両は自由席。
パノラマ型ではありませんが、十分に前面展望が楽しめます。
姨捨駅に立ち寄って善光寺平の夜景を楽しむ予定でしたが叶わず。
特急列車で通り過ぎました。
闇夜の振り子特急は、周りの状況が分からないまま
体が揺さぶられますので、酔いますね。これも初めてでした。
名古屋 22時46分 → 新大阪 23時33分
東海道新幹線 のぞみ471号 新大阪行き
思い通りいかなかった旅の〆は、初 Supreamでした。
同じN700を名乗りながらも、新世代を感じました。
一日目とは対照的に、過去一で不完全燃焼に終わった旅。
まあ、たまにはこういうこともあるよね。
リカバリーして帰り着いただけマシということにしておきましょう。
さて、次回からは再び今年の旅行記。
九州北部の未乗路線に乗りにいきます。
BRTとして今夏転換開業した日田彦山線にも。
お楽しみに。