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紅葉のわたらせ渓谷鐵道に乗る。【秋のグンマー(栃木)①】

昨年の旅行記ですが、紅葉の時期のわたらせ渓谷鐵道に乗ってきました。

 

群馬県桐生駅から栃木県の間藤駅を結ぶわたらせ渓谷鐵道は、

渡良瀬川沿いの渓谷を走る路線で、四季どれも美しい路線ですが、

一番人気はやはり秋。

 

天候にも恵まれ、抜群の景色を楽しんできたのでその模様をお送りします。

 

 

 

2022年11月18日(金)

 

 

深夜バスで東京に着きました。

ここが渋谷スクランブル交差点か~。と、お上りさんになっている図。

 

渋谷から地下鉄銀座線に乗り、浅草へ。

 

 

東武鉄道 特急りょうもう

 

 

乗車するのは東武鉄道伊勢崎線系統の特急『りょうもう』。

浅草から、館林を経由して主に桐生線の赤城を結ぶ特急列車。

一部列車は伊勢崎線の終点、伊勢崎や葛生線の葛生まで走ります。

 

 

使用されるのは200・250型で、500系リバティが使用される列車は

『リバティりょうもう』の名が付けられています。

今回はあえて旧来の車両を選びました。

 

車内はこんな感じ。昔ながらの特急車両です。

写真の4号車はなんと一両丸々客室で、乗降扉のない車両です。

19列の回転クロスシートが並びます。

 

座席はこんな感じ。さすがにリニューアルされているようです。

200型車両は1700系特急車両『DRC』を車体更新した車両で、

車体は1990年代のものですが、走行機器は1950年代のもので相当古くなっています。

少しずつですが、500系『リバティ』に置き換えが進んでいます。

 

 

浅草を出発してすぐ見える東京スカイツリー

 

北千住から複々線を爆走します。

 

利根川を渡って埼玉県から群馬県に入ります。

 

館林より先はローカル線感が漂います。

線路も複々線→複線→単線と、細くなっていきます。

 

浅草から1時間半。

伊勢崎線桐生線小泉線が交わるジャンクション、太田駅に到着。

りょうもう号は桐生線の赤城行きで、わたらせ渓谷鐵道線は相老まで行けば

乗り継ぐことができるのですが、伊勢崎線を完乗したいというわがままで

この先は普通列車に乗車して回り道をします。

 

 

まだまだ末端区間では活躍する8000系の伊勢崎行きに乗車。

 

終着の伊勢崎に到着。

 

JR両毛線に乗り換えます。

わたらせ渓谷鐵道の始発駅である桐生へ向かいます。

 

 

 

わたらせ渓谷鐵道

 

 

桐生駅に到着。

対面乗り換えで、いよいよわたらせ渓谷鐵道線に乗車です。

 

わたらせ渓谷鐵道線は、1989年にJR東日本 足尾線を譲り受けた第三セクター線。

足尾銅山から産出される鉱石輸送のために開業した私鉄由来の路線。

渡良瀬川上流の渓谷を谷筋沿いに北上していく路線で、

四季ともに豊かな沿線風景を持つ観光路線でもあります。

そんな沿線風景が楽しめるよう、厳冬期を除いてトロッコ列車が運行。

今回はトロッコ列車にも乗車する予定で、

一日かけてわたらせ渓谷鐵道を満喫します。

 

乗車した列車は2両編成。

ボックスシートの車両と、ロングシートの車両が連結されていました。

 

 

桐生駅を西へ向けて出発し、すぐに渡良瀬川を渡ります。

次の下新田駅手前まで、JR両毛線と線路を共用します。

下新田駅を出るとJRの留置線を左に見ながら右に大きくカーブして

針路を北に変えます。

 

相老駅に到着。

東武桐生線と乗り換えができる駅で、東京方面からの旅客は

一般的にこの駅からわたらせ渓谷鐵道に乗車することになります。

ここから、席がほぼ埋まる程度の乗車率となりました。

 

 

しばらく住宅街を走って、大間々駅に到着。

わたらせ渓谷鐵道の本社・車庫のある有人駅。

一部の一般列車やトロッコ列車はこの駅で折り返すものがあります。

列車交換がないのに少々停車時間があり、この駅で一日乗車券等が購入できます。

私は桐生駅の短い乗り継ぎ時間で、改札外の券売機で購入したのですが、

無券で乗車して、この駅の窓口で購入してもよかったようです。

 

 

水沼駅を過ぎ、どんどんと山深くなっていきます。

 

列車は渡良瀬川沿いをアップダウンを繰り返しながら走ります。

 

桐生から約50分。神戸駅に到着。

こうべ ではなく ごうど と読みます。

木造の駅舎がいい味を出しています。

 

対向列車を待つために10分ほど停車します。

 

足尾・間藤方面を見ます。

とても雰囲気のいい駅です。

 

先ほども出てきた東武鉄道の特急車両『DRC』が保存されていて、

それを利用したレストラン清流が営業しています。

また、事前予約をすれば『清流』特製の弁当を車内で受け取ることができるようです。

 

群馬県最後の駅、沢入駅でも停車時間がありました。

 

のんびりした路線です。

 

 

 

 

 

 

2011年以降に導入されているわたらせ渓谷鐵道の主力車両は、

座席モケットが紅葉柄となっていて、木目調の内装とともに風景にマッチしています。

 

渡良瀬川沿いを急カーブしながら走ります。

 

 

沢入駅から原向駅の間は、この路線の景観のハイライトとされています。

渡良瀬川に転がる石は天然の白御影石です。

 

 

 

 

 

足尾駅

わたらせ渓谷鉄道に2種類あるトロッコ列車のひとつ、

ロッコわたらせ渓谷号は客車列車で運転。

機回しが必要なため、構内の広い足尾駅折り返しとなっています。

 

桐生から約1時間35分。さらにもう一駅進んで、終着の間藤駅に到着。

1面1線の棒線終着駅。

標高は661mで、かなり上ってきたことになります。

 

間藤駅は栃木県日光市にあります。

日光市営のバスに乗ると、日光まで抜けることができます。裏ルートですね。


この路線の本当の終点は、約2km先にある貨物駅でしたが、JRからの承継時に

路線自体は譲り受けたものの、列車を走らせることなく廃止となりました。

足尾銅山鉱毒事件の舞台となった地です。

 

 

 

折り返し列車で2駅戻って通洞駅で下車。

足尾銅山の歴史が学べる博物館、『足尾銅山観光』へ向かいます。

 

 

足尾銅山観光へは歩いて5分ほど。

左に見えるホームから、鉱内列車を再現したトロッコで坑内に向かいます。

下りのみ乗車ができて、帰りは順路に沿って歩き。

短距離ですが、ラックレールを噛ませて下る、途中で機関車を解放し、

そこから客車の自走(ガソリンカー)となるなど、かなりクセ強な路線です。

 

とても勉強になりました。

 

通洞駅に戻りましたが列車まで時間があるため、

足尾駅まで歩いてみます。そんなに距離はありません。

 

 

足尾駅

当時の繁栄を思い起こさせる立派な駅です。

文化財登録もされています。

 

 

広い構内。

 

貨物ホーム跡に車両がいくつか保存されています。

代表的なものは、このキハ35です。

高崎機関区に所属し、足尾線でも活躍していた車両です。

 

 

上り列車に乗車。旧来の車両 わ89-310形が来ました。

富士重工製のレールバスです。

 

1駅だけ乗って、また通洞駅で下車。

駅員のいる窓口で整理券を買い、トロッコ列車に乗車します。

 

わたらせ渓谷鐵道のキャラクターの名がつけられている

『トロッコわっしー号』です。

こちらはトロッコ気動車での運行。

 

日が傾いてきて、気温は10℃ほどしかありません。寒い。

 

窓がないので、渡良瀬川の自然を大満喫。

 

 

 

 

沢入駅で列車行き違い。

 

トンネル内では、屋根付近のイルミネーションが点灯します。

綺麗なんですが、強い風が吹き抜けるのと、耳を突ん裂く轟音が響き渡ります。

ちょっと見て満足したら乗客は隣の普通の車両に一斉待避してましたw

 

夕焼け。

 

 

50分ほど乗車し、水沼駅で下車。

この駅には温泉施設が併設されていて、

寒いついでにひとっ風呂浴びてきました。

露天風呂もあるいい温泉だったのですが、残念ながら現在は休館中のようです。

 

すっかり夜になってしまって、通勤通学の足となった列車で、桐生へと戻りました。

 

 

 

 

このように、ただ景色だけではなく沿線を

まるっと一日楽しめた素敵な路線でした。

 

次回、引き続き群馬を巡りますが、

トラブルに見舞われてしまいます。

続きをお楽しみに。