2023年11月5日(日)を以て廃止された阪急バスの路線乗車レポート。
2路線目は西宮北口~石橋北口・阪急豊中駅を結んだ『豊中西宮線』です。
土曜日の昼間、石橋北口行きに乗車しました。
阪急西宮北口駅の南側ロータリー。
西宮市内各方面へ阪急バス・阪神バスの路線が発着します。
発車する1番乗り場。いろいろと西宮市内の行き先が載る中、
ずば抜けて遠いのが阪急石橋北口。阪急石橋阪大前駅は大阪府池田市にあります。
路線廃止の案内。廃止理由は利用者の減少ではなく、乗務員不足。
近頃の運輸業界の大きな問題です。
この路線は主に国道171号線を通る比較的長距離を結ぶ路線ですが、
乗り通すなら鉄道を利用した方が速いし、途中の停留所へも他の手段で行くことが
できるし、ということで廃止が決まったようです。
廃止停留所は阪急バスとしてこの路線の単独停留所ですが、
それぞれ阪神バス尼崎市内線・伊丹市営バスの停留所が併設されています。
時刻表。西宮北口から石橋北口方面行きは平日8本・土休日7本の運行。
以前に減便が行われ、日中は2~3時間間隔が空く場合がありました。
97系統の豊中行きはなく、豊中発西宮北口行きが平日朝に1便のみ設定されて
いました。
定刻より少し遅れてバスがやってきました。
石橋営業所の車で、西宮北口行きがすぐ折り返すようです。
96系統 阪急石橋北口行き。
15時13分、西宮北口駅を3分ほど遅れて出発。
この便も乗車前に行列ができ、各椅子に一人は座っている状態で出発しました。
阪急西宮ガーデンズの南側、山手幹線を東へ進み、大屋町交差点を左に曲がって
中津浜線を北上して西宮中央病院へ向かいます。
この区間は西宮市内線の甲子園口系統と重複しますが、半循環系統で、
西宮中央病院へのアクセスにおいて半分以上の便がJR甲子園口駅先回りの大回り
となっていて、豊中西宮線を利用した方が所要時間が短い現象が起こっていました。
約15分で到着した西宮中央病院では、やはり数名の降車がありました。
若山町交差点を右折して国道171号線に入ります。
ここからこの路線の単独区間となります。
武庫川を渡る甲武橋の西詰までバス停はありません。
甲武橋西詰バス停で4名下車があり、武庫川を渡り、尼崎市に入ります。
尼崎市の北端に位置し、廃止される髭茶屋バス停(産業技術短期大学最寄り)には
武庫之荘駅から宮ノ北団地行きの阪神バスでアクセスができます。
この路線の運賃はエリア制に近いものを採用していて、
およそ市を跨ぐごとに整理券番号が増えていきます。
尼崎市内・西宮市内は初乗り230円。
伊丹市に入って最初の停留所、昆陽ノ里の時点で西宮市内から250円でした。
伊丹市営バスの車とすれ違います。
未だ公営で頑張る伊丹市営。
公営の路線バスは路線の数・本数ともに厚い印象です。
おそらく始発から乗っていた人がここでも降りていきました。
伊丹市内に入ると乗客は降りていく一方で、バスはだんだん空いてきます。
西宮市内から直通の需要が少しはあることを感じる一方で、
今後もアクセスは可能となります。
国道171号線の本線は高架で跨いでしまうJR北伊丹駅に立ち寄り、
猪名川を渡ります。大阪国際空港の管制塔などが小さく見えます。
その先の新開橋バス停から池田市に入ります。
阪急バスの池田市内線とルートが重なります。
池田市内は初乗り230円となります。
一時10分ほど遅れていましたが、16時06分、2分遅れで阪急石橋阪大前駅バス停に到着。
ここでほとんどの乗客が降ります。乗客は10名ほどでした。
石橋阪大前駅周辺は道路が狭隘なため、バスが入れるロータリーがありません。
駅の西側にあり、このバス停も駅まで200m以上離れています。
2分ほど走って16時08分、終点の阪急石橋北口に到着。
所要時間は55分。運賃は270円でした。
駅の北側に位置するこの停留所が実質上のターミナルのようです。
阪急池田駅・小野原・茨木方面の路線は乗り換えです。
石橋阪大前駅へは右に曲がって商店街を200mほど歩けば着きます。
以上、乗車レポートでした。
紹介した両路線とも、区間によっては廃止されると思えないほど人が乗っていました。
運輸業界、主にバス会社の乗務員不足は深刻と聞きます。
身近な路線の廃止は、色々と考えさせられる出来事となりました。
みんな、バス乗ろうぜ!
おわり