瀬戸大橋を路線バスで渡れるんです。
表題の路線バスに乗るため四国へ。
今回の記事は旅行記兼バス路線紹介のコーナーです。
2023年8月19日(土)
快速マリンライナーで坂出駅へ。向かいの乗り場にいたJR四国6000系。
いつの間にか幕がフルカラーLEDに換装されていました。
坂出駅。
高松方面に向かうときの四国内最初の停車駅です。
ここから、瀬戸大橋を渡る路線バスが発着しています。
琴参バス 瀬戸大橋線
瀬戸大橋を渡る路線バスは、琴参バスというバス会社が運行しています。
香川県の坂出駅から岡山県の児島駅まで、1日5往復(土休日4往復)の運行です。
乗車するのは坂出駅前を11時30分に出発する便。
この便を含む3往復が中型車(日野 レインボーⅡ)での運行、
2往復が小型車での運行となっています。
この路線、なかなか他の路線バスでは味わえない特色をたくさん持っています。
瀬戸大橋(高速道路)を走行
なんといっても、瀬戸大橋を路線バスで渡れることが一番の魅力。
瀬戸大橋は世界一長い鉄道・道路併用橋であり、長大な吊り橋が連なります。
絶景間違いなしです。
さらに、瀬戸大橋は本州と四国を結ぶ瀬戸中央自動車道という高速道路の一部。
高速道路に乗り入れる路線バスです。
瀬戸大橋ルート途中の有人島に乗り入れ
瀬戸大橋は、児島から坂出までの間、いくつもの島を伝うように架けられています。
経由する有人島のうち、瀬戸中央道のPAがある与島をはじめ3つの島には
住民のためのゲートが存在し、その全てへバスは乗り入れます。
(岩黒島については小型車両で運行の便のみが島内乗り入れ)
これらゲートについて島民以外の一般車両は進入禁止となっていて、
島に車で乗り入れる貴重な体験ができます。
島民にとっても公共交通機関としてはこの路線バスが唯一となっています。
さて、早速乗車してみましょう。
車内はごくごく一般的な路線バス。
高速道路を走行することから座席にはシートベルトが設置されています。
乗客は自分含めて2人だけでした。
坂出市内をものの5分少し走ったかと思えば、坂出北ICより
すぐに高速道路に入ります。瀬戸大橋の始まりです。
早速右手に吊り橋の南備讃瀬戸大橋が見えます。
左からはJR本四備讃線の線路がPC高架橋で近づいてきます。
瀬戸大橋では線路は道路の下を通ることになります。
巨大な吊り橋部分を走行中。
路線バスですので60km/hまでしか出しません。
ケーブルの合間から瀬戸内海の島々がよく見えます。
天気が良くてよかった。
坂出駅から15分ほどで与島に差し掛かり、眼下に与島PAが見えます。
本線を外れてループ橋によって与島におりていきます。
このあと与島PA停留所に停車し、一般車進入不可の与島島内へ入っていきます。
島内進入ゲート。
ゲートは無人で、運転士さんは何やら通行証のようなものを機械に通します。
与島島内に入ります。
幅がバスの幅すれすれの道を集落へおりていきます。
海沿いの道に出ました。
住宅もそこそこ並んでいます。
集落に入って一つ目のバス停で、坂出駅からの女性が一人降りていきました。
1kmにも満たないであろう海沿いの集落区間を走り、
瀬戸大橋のたもとに位置する浦城バス停で突き当たって、
与島PAまで来た道を引き返します。
なお、2021年3月末までは岡山県側から下津井電鉄バスが与島まで乗り入れ、
コロナ渦において下津井電鉄側の運行が継続できなくなり、
4月以降、琴参バスが坂出~児島の全線を直通運行するようになっています。
高速道路本線に戻って、瀬戸大橋を爆走します。
高速道路上にある岩黒島バス停。
ルート上にある二つめの有人島ですが、周囲1.6kmの小さい島で、
道が狭いのか小型バス運行便のみが島内に乗り入れます。
が、意外なことにこの停留所で大勢が乗車し、座席が9割埋まります。
ほとんどが釣り客で、他は高校生などでした。
与島PAで乗ってきた男性と二人だけだった車内が一気に賑わいます。
与島と比べてかなり静かな櫃石島。
港に立ち寄ってさらに釣り客を拾い、車内は満員になります。
(満員といっても立ち席乗車ができないため座席が埋まった状態)
みたび高速道路本線に戻ります。
山の上に鷲羽山ハイランドが見えます。
最後の吊り橋、下津井瀬戸大橋を渡ってもう本州です。
高速道路上の鷲羽山北バス停。
高速道路上のバス停には対四国の高速バスも停車します。
岩黒島からの釣り客一団はここで降りていきました。
車内は半分ほどに。
坂出駅から55分。児島ICで高速を下りて一般道へ。
約16kmの瀬戸大橋区間を完走です。
高速道路をおりて約10分、坂出駅から1時間10分。
およそ定刻で児島駅に到着しました。
乗り通したのは自分一人だけでしたが、
途中の島からの乗客を上手に拾っている印象でした。
島々はみな香川県に属しますが、岡山県側の児島に出る需要の方が大きいようで。
瀬戸大橋を渡る一般バス路線。
電車より時間もお金もかかる旅ですが、
皆さんも一度、この路線に乗ってユニークな体験をしてみてはいかがでしょうか。
さて、次回は鉄道旅行記に戻り、児島からの先のムーブメントをお届けします。
岡山・福山方面をまわり、井原鉄道線に乗車します。
意図せずにUraraちゃんも登場します。お楽しみに。