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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

名古屋の変わり種鉄道路線二選。

今回の名古屋遠征の目的は未乗路線への乗車だったのですが、

乗車したのは一癖も二癖もある路線でした。

名古屋って変わった路線が多いな…

 

まずは東海交通事業 城北線に乗車します。

 

 

 

 

2024年1月2日(火)

 

関西本線経由で名古屋駅に到着したところから。

東海道線で、お隣の枇杷島駅に移動します。

 

普通列車枇杷島駅に到着しました。

この駅から分岐するのが、東海交通事業 城北線です。

 

 

東海交通事業城北線

枇杷島 12時58分 → 勝川 13時15分 東海交通事業 城北線  勝川行き

 

東海交通事業 城北線は、JR東海道本線枇杷島駅から勝川駅を結ぶ

全長11.2kmの路線。列車を運行する東海交通事業は、JR東海の子会社で、

路線の施設もJR東海保有をしています。

全線が都市部の高架複線でありながら非電化という非常に異質な路線で、

車両はJR東海のお下がりであるキハ11形300番台が使用されています。

 

 

全線開通30周年を祝うヘッドマーク(というかシール)が貼られています。

 

城北線枇杷島駅の時刻表。昼間は毎時1本だけの運転。

全線の所要時間は17分なので、1両のみがピストン運行しています。

複線高架の設備すら持て余す運行形態です。

 

車内はJR時代からほぼそのままとなっています。

乗客は10人もいません。定刻通りに枇杷島駅を出発しました。

 

枇杷島駅を出るとすぐ高架に上がり、右に大きくカーブして東海道線から離れます。

住宅街を進み、最初の尾張星の宮駅で半分以上が降りてしまいました。

 

尾張星の宮駅小田井駅との間の右カーブは、この路線の分岐を見越したように

勝川行きの線路のみが高く設計されています。枇杷島・名古屋方面と、

稲沢・岐阜方面へ両方向に分岐をさせる構想があったようです。

 

もともとこの路線は、国鉄時代、列車本数の混雑する名古屋駅を避けるための

貨物線(稲沢~瀬戸~岡崎)として建設が計画されました。

建設の主体は例によって鉄建公団で、貨物線計画自体の見直しや、路線引き取りに

かかる費用等で揉めた結果、路線開業は国鉄の分割民営化後となり、

路線の引き受けもJR東海ではなくその子会社が運営、といった結果になりました。

後述しますが、勝川駅中央本線と線路がつながっていないため、

貨物列車は今まで走行することはなく、利用客の流動需要にも沿うことのないまま

運行が続けられています。

 

 

途中から高速道路の横を沿って走行します。

線形がいい割には速度は出さず、終始50キロ程度のスピードで走行します。

 

住宅街を走行しますが、乗客は多くありません。

愛知県が超絶車社会であることや、この路線の走行エリアの中途半端な所など

利用されない要因は色々とありそうです。

 

味美駅。この駅と小田井駅名鉄線と乗り換えが可能ですが、

いずれも距離があり、不便です。

 

枇杷島からの運賃表。

走行距離11km、乗車時間17分で450円。

鉄道路線の中では高額な部類にあると思います。

また、城北線では交通系ICカードが利用できず、全て現金精算となります。

 

気がつけば乗客は私ともう一人だけになっていました。

 

今まで沿ってきた高速道路から別れて、JR中央本線の線路が見えてきたところでこの路線は終了。

勝川駅に到着です。

 

JR中央本線と合流する直前で高架が途切れてしまっています。

 

城北線勝川駅は高架上の1面1線の駅。

 

JR中央本線勝川駅は500mほど離れています。

 

線路の終端は車両基地となっています。

JRの勝川駅へは、その脇を歩き高架が終われば地上へ降りて向かうことになります。

 

高架終端部。

通路入口には一応駅の看板がありました。

 

後年に高架化されたJRの線路は何やら上下線間に隙間があります。

高架下を歩くこと5分程度でJRの勝川駅に着きます。

 

JRの勝川駅は立派な高架駅。

 

こちらにも一応、城北線勝川駅への案内はありました。

 

 

ホームへ上がると…

 

2面4線構造なのに中間2線部分を使用していません。

 

高架路盤は名古屋方へ少し下がって設計されています。城北線の将来的な乗り入れに

対応して駅が作られているようでした。

 

しかし城北線勝川駅、JR線と同レベルの高さの高架だったので、もし本当に

乗り入れさせるのであれば作り直さないといけないような。

謎だらけです。

 

 

勝川 13時28分 → 高蔵寺 13時39分 中央本線  多治見行き

 

以上で東海交通事業 城北線の紹介を終わりますが、続いて紹介する路線も

これに関連した路線。

高蔵寺駅へ移動します。

 

 

中央本線で3駅10分。高蔵寺に到着。

 

何やらホームが怪しい形していますが、これには触れないでおきます。

 

 

愛知環状鉄道線

高蔵寺 13時51分 → 岡崎 14時59分 愛知環状鉄道 岡崎行き(北野桝塚乗り換え)

 

愛知環状鉄道線は、JR中央本線高蔵寺駅から瀬戸市豊田市を経由して

JR東海道本線岡崎駅まで45.3kmを結ぶ第三セクター鉄道

地図でいう所、愛知県の栄えている部分の右上辺りを弧を描いて走る路線で、

関東でいうJR武蔵野線、関西でいうJRおおさか東線のような性格の路線です。

 

(国鉄→)JR岡多線として開業した岡崎~新豊田を譲り受け、同時に新豊田高蔵寺

延伸して1988年に開業しました。

岡多線の名の通り、岡崎と多治見を結ぶ計画で建設されましたが、需要予測の結果、

瀬戸から多治見までの建設は凍結。同時に構想されていた

貨物バイパス線(稲沢~瀬戸)計画が一緒になり、建設が進められました。

ところが、建設が終わらないうちに国鉄の貨物輸送が下火となり、貨物バイパス線

計画は頓挫。完成した線路設備を引き受けたのが東海交通事業であり、

愛知環状鉄道だったのです。

先に開業した新豊田~岡崎についてはトヨタ自動車の鉄道貨物輸送が終了し、旅客

営業も沿線の宅地化がうまく進まなかったことから三セク化となった悲運の路線。

しかし、愛知環状鉄道となった後は列車の大増発や沿線企業の通勤客獲得などで

収益を伸ばしています。

 

そんな『わけアリ路線』である愛知環状鉄道に乗って行きましょう。

 

車両は外観も内装もJR313系とそっくり。

セミクロスシート配列となっています。

 

ダイヤは日中でも毎時4本と高頻度。

平日ラッシュ時間帯にはJR中央本線から瀬戸口駅まで快速電車が直通します。

 

JRからの分岐部分。上下線どちらからでも入れる構造になっています。

 

線内折り返し列車は発着ホームの都合でしばらく逆走します。

実際に複線で運用されているのは高蔵寺瀬戸市と、他に部分的で少ないですが、

現在単線で運用されている区間も全線で複線の用地が確保されています。

 

路線図。

瀬戸市新豊田・中岡崎で名鉄線に、八草でリニモと連絡しています。

 

瀬戸市までの各駅は高蔵寺・名古屋方面のホームのみ10両編成に対応しています。

(現在の乗り入れ列車は315系8両編成)

夕方の瀬戸口行きについてはドアカットで対応しているようです。

 

名鉄瀬戸線との乗換駅、瀬戸市

 

リニモとの乗換駅、八草。

かつて愛知万博が開かれた際には日中にもJR直通の連絡列車『エキスポシャトル』が

この駅まで乗り入れていました。ホーム等の現在では過剰となる設備は撤去されています。

 

豊田市の中心駅、新豊田

通勤時間帯には、名鉄線から乗り換えられる当駅からトヨタ自動車本社最寄りの

三河豊田駅までシャトル列車が追加運行されています。

 

北野桝塚駅

車庫のある運行上の拠点駅ですが、始終着となる列車が少ないことから、一部列車で

車両取り替えを行っています。

乗車した列車もこれにあたり、乗り換えました。

 

こんどは座席が緑基調になりました。

 

 

乗った時期・時間帯(正月休み・昼間)が悪かったのか、

一度も車内が混みあうことなく、約1時間で岡崎に到着しました。

 

 

名古屋市中心部からだと少し時間がかかる沿線には、やはり開発中の空き地なども

見受けられました。

イカーに負けずに頑張ってほしいと思いました。

 

 

愛知の変わり種路線を2つ紹介しました。

また次回から新シリーズです。

お楽しみに。