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福岡近郊JR線乗りつぶし【福岡乗りつぶし旅③】

2022年9月23日、旅の2日目は西九州新幹線の開業日。

この日は、特に長崎方面に行ったりはせず、

福岡近郊のJRの在来線をめぐります。

各地で新幹線のお祝いムードを見かけました。

 

 

特急『かもめ』最終運行から一夜明けた博多駅

新幹線『かもめ』のBIRTHDAY。

 

在来線特急『かもめ』は『リレーかもめ』へと生まれ変わりました。

佐世保線 武雄温泉駅で西九州新幹線へとリレーします。

 

博多駅へはまた戻ってくるので特急列車の姿は後ほど。

 

ダイヤ改正で朝と夕方以降のみの運転となった鹿児島本線の快速列車で南へ。

 

原田駅に到着。

特急『リレーかもめ』3号と併走してやってきた右側の列車に乗り換えます。

 

筑豊本線の末端区間桂川~原田は非電化で、原田線と呼ばれています。

土休日ダイヤでわずか9往復のローカル線です。

 

 

気付いたんですが、前から述べているように西九州新幹線『かもめ』の誕生日。

こんなローカル線の乗務員さんも揃って『かもめ楽団』と書かれた赤色のTシャツを着用していました。全社をあげてのお祝いですね。

そういうところがJR九州の好きなところです。

 

 

まだ朝7時。朝日の見える時間帯です。

需要の少ない区間のため車内も閑散としています。

 

筑豊地域の飯塚市へ向かう冷水峠を鉄道は長大トンネルで抜けます。

冷水トンネルの長さは3286mです。

コマツ製のエンジンに換装されたキハ40は唸りをあげて通過します。

 

篠栗線(福北ゆたか線)と合流する桂川(けいせん)駅に到着。

ホームの向かいにはこの日から787系での運用が復活した特急『かいおう』が停車中。

 

篠栗線から筑豊本線にかけて、福北ゆたか線という愛称がついています。

この路線に投入されている813系の塗装も独自仕様。

 

 

普通列車の博多行きで篠栗線に入ります。

篠栗にかけては想像を絶する山越え区間でびっくり。

 

 

再び博多近郊の住宅街に入り長者原駅に到着。香椎線に乗り換え。

直角に交わり、香椎線が高架ホームにあります。

 

宇美行きの列車が入線。

何年か前まではキハ47形の巣窟だった香椎線ですが、

現在は蓄電池で動くBEC819系電車で運転されています。

 

車内は817系電車の後期車とほぼ同様のつくり。

運転台と反対側の車端部は機器室となっています。

 

蓄電池車の英語表記を縮めて『DENCHA』という愛称が付けられています。

 

長者原から約15分で終着の宇美駅に到着。

 

駅前は広くとられています。

近くの宇美八幡宮にちなんだ鳥居風の駅舎。

 

かつて宇美駅では同じ国鉄の勝田線という路線と乗り換えができました。

ちょうど写真の位置に線路があり、この距離感で改札外連絡となっていました。

勝田線は筑前勝田から宇美を経て吉塚に至る路線で、香椎線を使うよりも楽に吉塚

博多に出ることができる路線でしたが、国鉄により少ない本数の不便なダイヤが放置

され、赤字路線となっても増収策がろくにとられることなく廃止されました。

 

宇美からは博多へ出る西鉄バスの路線バスが頻発しています。

 

勝田線の廃線跡を少し歩いてみました。住宅の合間を進み…

 

宇美川を渡って公園に当たるところで一旦廃線跡はわからなくなります。

公園を抜けた先からけっこうな距離が遊歩道として整備されています。

時間の都合で引き返しました。

 

折り返し香椎線の列車に乗車し、約30分で香椎駅に到着。

鹿児島本線と連絡します。

非電化の香椎線ですが、香椎駅構内が電化され、ここでBEC819系は充電。

運用上の拠点となっています。

 

充電中の車内の液晶表示。エネルギーの使用状況がわかるようになっています。

 

非電化区間ではこんな感じです。

 

香椎駅からはいったんJRを離れます。

歩いて5分ほどのところにある西鉄香椎駅

西鉄貝塚線にちょい乗りします。

 

運賃表の路線図は貝塚で連絡する福岡市営地下鉄と連続で描かれています。

地下鉄箱崎線が、当時の西鉄福岡市内線の代替として開業したのが由来であると思われます。

 

2両編成の列車が行き来する全線単線の路線ですが運行は高頻度です。

 

新宮行きの列車が入線。

 

貝塚線は海沿いの住宅をトコトコ行く楽しい路線。

西鉄600形の車内はこんな感じ。

かつては天神大牟田線で活躍した車両です。

 

神戸の川崎車輌製。60年選手です。

川崎車輌川崎重工へ社名が変わったあと、2021年に再び川崎車両に戻りました。

 

終着の西鉄新宮駅

かつては宮地岳を経て津屋崎まで路線がありましたが2007年に廃止。

 

JRの新宮中央駅まで徒歩15分ほどで連絡することも考えましたが、

駅同士が隣接する千早まで戻ることに。

 

 

 

 

ここで思わぬアクシデント。

 

JRの千早駅に着いたのが10時45分。 何やら様子がおかしい。

どうやら鹿児島本線内で特急ソニックのガラス破損があったようで、

安全確認等諸々で鹿児島本線のダイヤが大幅に乱れていました。

 

このあと11時16分博多発の博多南線に乗車する予定でしたが、

普通列車の在線が全然なかったようで、ダイヤ改正直後の混乱もあってか

待てど暮らせど乗車できる列車がやってきませんでした。

待っている間に、全てが営業列車だったか分かりませんが

同じ方向に3本続けてソニックが通過していったのにはさすがに苦笑い…

 

 

30分ほど待って乗車できる区間快速が来て、満員状態で博多駅へ。

 

時計を見てお察しですが、博多南線には間に合わず、少々博多駅で撮影。

特急『リレーかもめ』、武雄温泉連絡の表示はなく 長崎 表示なんですね。

 

こちらの885系は新たに特急『みどり』に充当されるようになりました。

白いみどり、爆誕です。

 

白いみどりの表示。

 

こちらは787系の『リレーかもめ』表示。詰め詰め。

 

 

1時間押しで旅を進めます。

 

博多南線は知られざる、福岡県内を走るJR西日本の在来線です。

博多総合車両所までの回送線を旅客化したもの。

そのため全ての旅客列車が新幹線車両を使用した特急です。

 

乗車する列車は12時25分発の博多南行き。700系レールスター編成です。

 

多くが新幹線『こだま』からの直通ですが、博多南行きの表示は博多からです。

 

普通車全車自由席での運転。指定席車両に用いられる2+2シートにも座れます。

 

特急券は破格の100円。(現在は130円)

この値段で新幹線に乗れちゃうもんだから、地元利用ではなく

乗ってみよう乗せてみようという子供連れが多かった印象でした。

いいなあ福岡っ子。

 

九州新幹線と線路を共用し、分岐したかと思えばもう車庫の中。

そしてまもなく博多南駅です。所要時間は8分。

 

一面しかないホームの有効長は8両編成ぶん。16両編成はホームに入れません。

折り返しまでにしっかりと車内清掃、整備が行われます。

 

博多南駅の外観。上の左右方向の高架橋は九州新幹線です。

周りは住宅地でした。

 

折り返しのこの列車も『こだま』として新大阪まで向かうようです。

 

 

車内整備のため扉が開くのは出発5分前ごろで車内には長くいられません。

また8分かけて博多へ戻ります。

 

 

 

続いてやってきたのは博多港

香椎線の残りの区間に乗るため海を渡ります(?)

 

香椎線はもちろん陸づたいに西戸崎とを結んでいますが、

博多湾を挟んで西戸崎海ノ中道エリアは半島のようになっており、

直線距離では海路が近くなります。

 

利用したのは福岡市営の博多~西戸崎志賀島航路。

ついでなので志賀島まで足を延ばしました。

志賀島は九州本土から細~く陸続きになっていて、橋は架けられていません。

 

志賀島上陸。

乃木坂46与田祐希ちゃんが出身地と公言していて、ぜひ行ってみたかったのもあります笑

 

やってきたのは志賀海神社

島に上陸して最初の集落を抜けた高台にあります。

 

木の隙間から海が見渡せて綺麗でした。

 

天気が下り坂であったのとスケジュールが押していたこともあって

予定より短く志賀島を脱出。

また時間をかけて来たいですね。

 

 

 

路線バスと時間が合わず再び航路で西戸崎へ。

 

香椎線のもう一つの終着駅、西戸崎

 

海とはこの距離感で、船着き場も歩いてすぐです。

 

変わった配置の2面2線配置。右のホームがあとからできたようです。

 

BEC819系。 架線がないので何だか不思議な感じです。

 

海ノ中道エリアは福岡市のリゾート・行楽地という印象。

もちろん人も住んでいますが、大規模な公園・施設があります。

この日も何かイベントがあったのか海ノ中道から大量乗車。

満員で香椎へ向かいました。

 

香椎から吉塚を経て再び福北ゆたか線。快速列車で新飯塚へ。

博多近郊を後にします。

 

新飯塚から後藤寺線に乗り換え。

 

後藤寺線は6駅13.3kmの短い路線ですが、

筑豊の路線網を語る上で重要な路線。

 

 

途中の下鴨生駅

かつてここから漆生線という路線が分岐していました。

というより、新飯塚から下鴨生までの区間も漆生線として1920年に旅客営業を開始し、

私鉄の戦時買収で後藤寺線の形が出来上がった1943年に漆生線と分離されています。

漆生線は油須原線計画のため後年建設された区間の悲惨な営業成績が響いて

1986年に廃止されています。

 

船尾駅

セメント工場が隣接していて、見応えのある駅です。

車窓からはゴツい配管が見放題です。

 

前日も来た田川後藤寺駅。

日田彦山線に乗り換え、小倉に向かいます。

 

キハ47形だらけのこの光景もいつまで見られるでしょうか。

 

結局のところずっと1時間押しで旅を進め、

田川後藤寺駅を出てすぐに暗くなってしまいました。

車窓は眺められず。

 

夕方に都会へ向かう列車なためか乗客はさほど増えることはなく、

平凡に小倉に到着。

 

小倉駅でも『かもめ』はお祝いされていました。

 

最後は夜の門司港駅へ。

 

止まっているのが例え新しい車両であっても門司港駅は画になります。

 

2022年は鉄道開業150年の年。

鉄道開業100周年を記念してつくられた、九州の鉄道の起点を示す0哩標と共に。

 

見慣れない『江北』の行先を掲げる811系電車。もとの肥前山口です。

行ってらっしゃい!

 

 

門司港駅には手書きメッセージがありました。

 

門司港駅には何度か足を運んでいますが、

長く行われていた駅舎の保存工事完了後、初めての訪問です。圧巻の美しさ。

 

 

全ての路線ではありませんが、一日かけて多くの路線を乗りつぶし

あと1回の訪問で大部分の乗車が終わる予定です。

 

 

次回は関西への帰り道。

終了が予定されているある制度をピックアップ。在来線で帰ります!

お楽しみに。