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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

水都 柳川と福岡乗りつぶし。【九州北部乗り鉄③】

 

『旅名人九州満喫きっぷ』を利用している九州旅行の3日目。

この日は熊本市内を出発し、福岡県は柳川に立ち寄った後、

博多周辺に残る未乗路線を制覇します。

 

 

 

2023年9月25日(月)

 

朝7時のJR豊肥本線新水前寺駅

県道28号線の直上に位置し、県道上を走る熊本市電や路線バスとの乗換駅として

機能しています。

この日は平日。熊本行きの豊肥本線の列車は学生や通勤客で大変な混雑でした。

 

 

熊本駅鹿児島本線に乗換。普通列車鳥栖行き。

県都から離れていく列車となりますが、車内はほぼ高校生で満員となっています。

 

となりの上熊本駅までの短い利用もありましたが、

乗車した大牟田まで全区間を通して、入れ替わりつつ学生の通学利用が

ほとんどでした。

荒尾~大牟田間で県境を跨ぎますが、県を跨ぐ利用も多かったです。

 

 

大牟田からは西鉄電車の特急に乗り換えます。

3000形電車の観光PRトレイン『水都』編成でした。

 

車内はクロスシート。窓側の席がほぼ埋まっているような乗車率です。

西鉄天神大牟田線は、コロナ渦の利用減少を機に昼間時間帯に

特急が走らなくなりました。

途中、かなりの駅を飛ばしながら爆速で柳川を目指します。

 

 

大牟田から13分。西鉄柳川に到着。

 

柳川は、水路が張り巡らされた町。

手漕ぎの船による川下り等の観光が盛ん。

水路の総延長は柳川市全体で930kmに及ぶと言われています。

このあたりはJRの駅から離れているため、柳川への観光客輸送は

ほぼ西鉄が独占しています。

 

時刻は朝の9時前ですが、観光案内所は開いておらず人はまばら。

不安になりながら川下り船の乗り場へ向かいます。

 

乗る船が本日の営業第一便で、受付時間になると人が集まってきて安心しました。

 

曇っていましたが、出発時刻になると晴れ間が見えてきました。

気温は過ごしやすいですが、日差しがきついです。

約20人乗りの船は、ちょうど定員いっぱいを乗せて出航です。

 

駅前通りの橋をくぐり、水路を街の中心部へ進んでいきます。

 

看板に『柳川城堀水門』とあります。

柳川の街に張り巡らされた水路は、干満差の大きい有明海に対応して

真水を溜めて確保をするために造られたのが始まりではありますが、

柳川城の防衛のために、堀としてさらに拡充されたといわれています。

 

あくまで水路のため、基本的に流れはありませんが、

幅の狭まる水門を通ると、不思議と流れができています。

 

川下りは一方通行。

客扱いの後、始発点への回送はこれまた手漕ぎで2艘まとめて送られます。

OBの船頭さんが中心で役割を担っているのだとか。

 

水路をまたぐ道路は当然のようにいくつもあり、橋がかかっています。

高さはとても低くなっています。

潮の満ち引きによっては乗客もかがまないといけない高さになることがあるそう。

あまりに低い橋は船頭さんがパフォーマンスで飛び越える、

ようなことは今はやっていないようです。

 

船頭さんは船を漕ぎながらガイドをしてくれます。

この船も半分以上の乗客が外国人。

外国語対応の案内も慣れたもので、単語でもしっかり伝わる英語で話をしてくれます。

前日の南阿蘇鉄道の車掌さんではありませんが、時にはジョークを飛ばし、

時には歌い。大変だなあ…

外国人さんにもしっかり受けていました。

 

生活に溶け込んだ水路。

水路沿いの道は『日本道の百選』に選ばれているところがあります。

 

途中、乗船客向けにサービスエリアならぬ補給地点が。

アイスやらお団子やら色々売ってましたが、今回は誰も購入しませんでした。

 

なんか魚を捕らえる装置らしいです。

 

揺られること約1時間。充実した船旅を終えて川下りの終点に到着。

柳川藩藩主の末裔が営む料亭・お屋敷の前に到着です。

 

柳川駅までは約3km。

駅への帰りは無料シャトルバスがあると案内がありましたが、

その出発時間を勘違いしていました。1時間近くあります。

着いた先が飲食店の多いエリアで、やはり駅へとんぼ返りするのではなく、

柳川名物のうなぎのせいろ蒸しでも食べてゆっくりしてから戻るのが

柳川観光のセオリーなようです。

 

時間に余裕がないのと、うなぎは絶対美味しいし大好きだけども、かといって

お手頃な価格ではないため、徒歩で柳川駅まで戻ることにしました。

 

 

北原白秋先生の生家があります。

 

川下りですが、複数の会社が様々なコースで運航しているようで。

 

終点近くをうろうろした後、

40分ほどかけて歩いて駅まで戻りました。

日差しで焼けたwww

 

 

日中、特急の代わりに設定されている急行で天神へ。

ロングシートの最新型車両9000形でした。

 

手書きですいません。福岡市中心部の路線図略図です。

ここから、福岡市営地下鉄の未乗区間などを乗りつぶします。

 

まずは地下鉄空港線姪浜へ。空港線自体は過去に乗車しています。

空港線で使用される1000系電車は鉄道友の会よりローレル賞を受賞しています。

登場時はチョッパ制御を採用し、乗り入れてくるJR九州103系1500番台が抵抗制御

であったのに比べて技術的に先を行っていました。

JRの103系1500番台は2015年に305系で置き換えられたのに対して、

1000系は機器更新・リニューアルされながら全車健在でしたが、

最近置き換え計画が発表されたばかりです。

 

天神から13分で姪浜に到着。

 

これより先はJR九州筑肥線となります。

 

高架構造、2面4線の大きな駅。

駅自体は福岡市交通局の管轄で、サイン類も地下鉄デザインとなっていますが、

駅ビルにはJR九州駅ナカ施設のブランド『えきマチ1丁目』が入居しています。

 

ここから西鉄バスで移動。

七隈線の終着駅、橋本駅へ向かいます。

 

約25分の乗車で橋本駅に到着。

七隈線自体が2005年開業と比較的新しい路線であり、

駅周辺は未だ開発途上のよう。

大きなものとしては、木の葉モールというショッピングモールがありました。

 

橋本駅は当然ですが地下にあります。

駅構内の造りは今後利用者が増えてもいいよう、広めに作っていると感じました。

 

七隈線の路線図。

今年の3月27日に天神南~博多間が延伸開業し、利便性が大幅に向上しました。

 

気付けば14時半になろうとしていたので昼ごはん。

せいろ蒸しには手が出せませんでしたが、鰻おにぎりなら、、、と購入したもの。

まだ少し温かくて、海苔が新鮮で美味しかったです。

 

七隈線の車両。

近年開業の地下鉄路線にありがちな狭幅車体の鉄輪式リニアモーターカーです。

 

車内はこんな感じ。

一人分が独立したモケットのロングシートとなっています。

 

衝撃的に開放感のある運転台。

無人運転新交通システムみたいですが、ワンマン運行で運転士は乗務します。

 

 

最初の数駅は空いていて、こんなもんかと思いましたが、

駅ごとに乗客を拾って気付けば平日日中に関わらず満員。

そしてやはり最混雑区間天神南~博多でした。

博多延伸開業後、通勤時間帯の混雑が想定以上だったため

再びダイヤ改正を行った七隈線

博多駅の力、恐るべしです。

 

 

28分で博多駅に着きます。

まだ綺麗な七隈線の施設ですが、新規開業区間は一際輝きが違いました。

 

 

JR線に乗り換えて千早駅に向かいます。

 

鹿児島本線の車内から、地下鉄・西鉄貝塚駅が見えます。

千早を経由してここに戻ってきます。

 

千早で西鉄貝塚線に乗り換え。

千早から終点の西鉄新宮へは昨年の旅で乗車済みです。

 

高架ホームに2両編成の電車が滑り込みます。

 

隣の名島駅で交換待ち。

西鉄貝塚線は全線が単線ですが、日中でも15分間隔で運行されています。

 

多々良川を渡って貝塚駅に到着。

 

貝塚駅では、同一レベルの平行移動で地下鉄箱崎線に乗り換えができます。

 

地下鉄箱崎線のホーム。

もはや同一路線のような乗り換えのしやすさとなっているのは、

地下鉄箱崎線が、西鉄が運行していた路面電車(福岡市内線)の代替路線として

開業したため配慮がされているものと思われます。

西鉄貝塚線からの運賃表も、地下鉄と一体となって描かれています。

 

箱崎線は、地下鉄空港線中洲川端までの路線。

日中は西新まで、ラッシュ時間帯は姪浜まで一部列車が直通します。

 

2000系車両の車内。

車端部に木目調の化粧板が配置されている1000系に対し、

明るめの内装となっています。

 

10分で中洲川端に到着。

これにて、福岡市営地下鉄西鉄の路線を完乗。

福岡県の鉄道路線北九州モノレールを残すのみとなりました。

今回の旅の乗りつぶしはこれにて終了です。

 

 

 

バリ得こだまで行く『こだま号』の旅

 

博多駅にやってきました。

山陽新幹線で帰路につくわけですが、今回乗る列車は…

 

こだま862号 新大阪行き。

 

行きに続き、帰りも『バリ得』。もう説明は不要ですね?

帰りはこだま号を(ほぼ)乗り通します。

 

使用車両は700系7000番台。

 

2000年3月デビュー、『ひかりレールスター』用の車両で、

JR西日本向けにカスタマイズされた700系です。

 

ひかりレールスター』登場のCM、

カーペンターズのTop of the World にのせたCMを痛烈に覚えています。

新大阪方8号車に4人用個室『コンパートメント』を設置、

4号車に車内放送・車掌の声かけをなくした『サイレンスカー』の設定と、

新しいこと盛り盛りで登場しましたね。

 

九州新幹線の開業以降、『ひかりレールスター』の運行は大幅に減少し、

700系7000番台は『こだま』中心の運用に。

現在『ひかりレールスター』は上り1本(早朝の590号 新下関→岡山)のみ。

 

現在、山陽新幹線『こだま』で運用される500系新幹線と共に車齢が高く、

性能が劣る700系7000番台の先行きは明るくないことから

今回の乗車を決めました。

 

 

指定席車両は『2+2シート』。

 

座席はこんな感じ。

 

乗客が少ないことを逆手にとった普通席の『2+2シート』は、

東日本の新幹線利用者から羨ましがられることでしょう。

 

16時54分、まだ明るい博多駅を定刻で出発。

こだま号は短距離の利用が主のため、必然的に自由席の利用の方が多くなります。

指定席、マジでガラガラです。

駅での乗降の様子を見るに、細かく駅がある山口県内の利用が多いように感じました。

通勤時間帯と重なったのですが、高校生等の学生の利用があったのに驚きました。

 

 

超過密ダイヤの東海道新幹線と比べると列車本数の少ない山陽新幹線ですが、

それでもこだま号はほとんどの停車駅で後続列車の待避を行います。

博多~新大阪 通しの所要時間は4時間半程度になります。

 

 

 

18時15分、新岩国駅。ここでは7分の停車です。

 

高速で走る新幹線ですから、写真はこうなります。(早く切りすぎ)

さくら566号に追い抜かされます。

 

 

山口県内と同じ理由で、帰宅時間帯となった広島から東広島や三原までの

利用も多かったように記憶しています。

 

 

 

19時55分、岡山に到着。

のぞみ60号と、みずほ608号との緩急接続のため13分停車します。

通過待ちではなく緩急接続はここが唯一ですが、2本続けてとは。

 

岡山からは添乗員付きの団体旅行客で大方の座席が埋まりました。

山陰方面や四国方面から関西へ帰る旅行ツアーでは、

こだま号も選択肢となるのですね。

 

 

21時03分、定刻で新神戸に到着。(地下鉄の駅名標で代用)

ここで下車しました。

新神戸までに11本の列車に追い抜かれたことになります。

 

『2+2シート』の座席が快適なので、4時間乗っていようと全然疲れません。

疲れたと思ったら停車中に駅のホームにでも出て気分転換すればいいのです。

この理屈でいけば東海道新幹線の『こだま』乗り通しは不安ですね。

(やったことない)(『ぷらっとこだま』でグリーン車乗れ)(のぞみ乗れ)

 

 

引退までそう長くないであろう700系7000番台に長時間乗車できてよかったです。

機会があればコンパートメント席にも乗ってみたいものです。

 

 

 

さて、次回は元日に更新。

とある日本一の路線の乗車記をお送りします。

 

それでは皆様、よいお年をお迎えください。