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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

熊本乗り鉄。【西・南九州紀行③】


『旅名人の九州満喫きっぷ』を利用した九州旅行記

2日目は熊本からスタート。

私鉄・路面電車なんでもこいということで、

熊本市電熊本電鉄乗りつぶします。

 

 

2022年7月17日 (日)

 

熊本市電水前寺公園電停からスタート。

直線の先に見える位置にJR豊肥本線新水前寺駅が見えます。

 

熊本市交通局

熊本市交通局が運行する熊本市電は、

熊本市東区健軍町から水前寺公園、辛島町、熊本駅前を経て田崎橋へのA系統と

同じく健軍町始発で辛島町から分岐して上熊本駅前までのB系統の2路線を運行しています。

総延長12.1km。かつては他にも路線がありましたが、1965年から1972年にかけて路線廃止があり、現在の形となりました。全線廃止計画も持ち上がったそうですが、

検討時期がオイルショックと重なったこともあり、路線が存続されています。

熊本市の場合、中心部と熊本駅が離れていることもあり、JR線と中心部の接続の役割を路線バスと共に果たしています。

運賃は全線均一運賃170円。安い。

 

安いので、この日は今後の行程の兼ね合いもあって

『旅名人の九州満喫きっぷ』温存作戦に出ます。

発行から3ヶ月有効なのでね。

普通運賃での旅です。

 

水前寺公園から12分、終点の健軍町に到着。

 

健軍町電停。ホームのすぐ先で線路は途切れています。

その先の交差点を右に曲がるとアーケードのある商店街があります。

写真に映っているのは乗車用の電停。この手前の細い降車用電停で降ろされます。

 

乗ってきた電車ですが、偶然にも前日に田崎橋から乗車した車両と同じでした。

(前回の記事参照)

先に見える電車は入線を降車ホームで客扱いしつつ待ちます。

上熊本へ向かいますがこの電車は見送ります。

 

時刻表。A・B両系統が乗り入れますが上熊本行きのB系統の方が本数は少なく設定されています。平日より土休日の方が昼間の本数が多いのも面白いですね。お出かけに利用されている証拠です。

 

間に2本A系統を挟んでB系統の上熊本行きがやってきました。

 

9200形9203号。アルナ工機、1993年製。

このプレートを各地で見ると阪急民的には嬉しくなります。

路面電車の中では比較的新しい車両で、VVVF制御ですが、低床車ではありません。

この電車で上熊本まで乗り通します。

 

B系統、熊本駅へは行きませんが、繁華街の通町筋、辛島町を経由するため

A系統と遜色なく良い利用率でした。

 

辛島町でA系統と分離、単独区間の洗馬橋から新町までわずか一区間

熊本市電唯一の専用軌道区間があります。

A系統の通る道路がずっと大きく車の交通も多い区間であったのに対し、

B系統単独区間は専用軌道や比較的狭い道路、沿線に緑も見え、

雰囲気の異なる路線でした。

 

健軍町から50分ほどで上熊本に到着。三面二線の頭端式ホーム

ホームは新しいのに覆う上屋と壁がレトロです。

 

遠くからは見ませんでしたが、JR上熊本駅の旧駅舎の一部を再利用しているそうです。

調べると1913(大正2)年築。そりゃレトロだわ…。

 

車両基地が隣接しています。

平日朝しか動かない2連接の5000形(元西鉄福岡市内線)が見えました。

 

こちらがJRの上熊本駅

ミニ熊本駅みたいな感じの高架駅です。

 

JRの駅前ロータリーに寄り添うようにひっそりと、熊本電鉄上熊本駅があります。

 

 

熊本電鉄

くまモンラッピングがされた車両は元東京メトロ銀座線の01形。

熊本電鉄上熊本御代志10.8kmの菊池線と、途中の北熊本藤崎宮前2.3kmの藤崎線の二つの路線を持つ私鉄。

運転系統上は、菊池線のうち上熊本北熊本の折り返し運行と、藤崎宮前御代志の運行に別れており、小回りの利く01形は主に折り返し運行に使われています。

 

車号はそのまま。なんなら6号車表記もそのまま。(2両編成。)

 

運転台もほぼそのままに見えます。

 

車内は確かに東京メトロ01形ですが、ワンマン運行のための設備が整えられています。

 

車内随所にくまモン

 

この上熊本北熊本間。非常にゆったりした空気が流れています。

終日30分間隔で運行され、2016年までは元東急の青ガエルこと5000形が単行で運用されていました。

 

急カーブもゆっくり走ります。小柄な車体とはいえ2両編成ですが、

乗客は全然いませんでした。

 

わずか9分で北熊本駅に到着。本線扱いとなっている藤崎宮前からの御代志行きを

待ちますが、まずやってきた藤崎宮前行きが元東京メトロ日比谷線の03形…

 

そしてやってきた御代志行きも03形。ここはもはや東京メトロです。(混乱)

 

熊本電鉄に自社発注車は残っておらず、長年譲渡車両で運行されてきました。

東京と縁がなかったわけではなく、青ガエルは東急電鉄

メインは元都営地下鉄三田線6000形が運用されてきました。

6000形も老朽化のため置き換えが進んでいます。

全て東京メトロに支配されてしまうのではないようで、

静岡鉄道から1000形も導入され、すでに運用されています。

この日は車庫に姿を見ることができました。

 

チラッと青ガエル。動態保存されています。

 

 

菊池線の電車はトコトコ進んでいきます。

沿線の高齢者によく利用されている感じでした。

 

 

 

面白い駅がありました。

 

三ツ石駅

 

ふと頭上の路線図を見ると、九州自動車道 高速バスは乗り換え みたいな書き方をしています。

九州自動車道との交点に2001年に設置された駅で、

同自動車道上のバス停「西合志バスストップ」に徒歩連絡できます。

交点の直上ではないようで、移転も検討されたものの実現されなかったのだとか。

阪急の西山天王山駅の先駆けみたいなものですね。

 

 

 

終着の御代志駅到着直前、分かれていく線路がありました。

 

 

ひとつ手前の再春医療センター前駅。新しい線路とホームが見えます。

 

御代志駅到着前にも新しい駅らしきものが。

 

さては熊本電鉄、移転する気だな!

と思ったら本当に線路移設されるようで、前駅の駅名にある病院周辺の

土地区画整理事業によるものだそう。

御代志駅周辺に新しい街ができ、再春医療センター駅は病院正面へ近くなるそうです。

 

ということで今の姿は間もなく見納めの御代志駅に到着。

 

ホームすぐ横に、並行する道路を通るバスが着くようになっています。

まさかの同じ熊本電鉄が運行するバス。

 

バス路線は鉄道とほぼ並行し、市街地中心の手前、藤崎宮前で終わってしまう

鉄道よりも先、辛島町(桜町バスターミナル)、熊本駅へと乗り換えなしで結びます。

棲み分けが出来ていればいいのですが。

 

御代志駅遠景。

1986年まで、ここ御代志は途中駅で、路線は路線名の通り菊池までを結んでいました。

先ほどの熊本電鉄のバスは菊池温泉発で、廃止代替バスを兼ねているのかもしれません。

そしてホームがなんとなく島式ホームっぽいのもそれまでの中間駅時代の名残なのでしょうか。

 

このICカード読み取り機、全駅に設置されているようなのですが、

最初、上熊本駅で「ふたしまってるやん!」と思ってタッチできませんでした。

リーダーに触れなくても読み取りできる距離でふたしてあるみたいで、

平気でタッチしてる人たちを見て気がつきました。

熊本電鉄SuicaICOCAをはじめ交通系ICカードに対応しています。

 

折り返し待ちの車内を撮影。平成5年製の、まだまだ新しい車内です。

 

なんかお友達少ないみたいになってますが、

便利なのでお友達になってあげてください。

 

20分の折り返し待ちの末、藤崎宮前に向けて出発。

都会に向かう列車なので途中から若者もたくさん乗ってきて安心しました。

 

 

北熊本駅上熊本へ向かう線路と分かれます。

木製の架線柱、鐘の音の鳴る踏切。

タイムスリップしたかのような気持ちになります。

 

熊本電鉄名物として、藤崎宮前駅到着直前に、わずかながら併用軌道区間が存在します。端に寄っているため車の往来はなさそうですが、家の軒先と線路が一体化しているためアスファルトが敷かれています。

 

カーブもあります。

鉄道線サイズの電車がのっそり道路を走る光景は異世界感があります。

 

御代志から25分。終着の藤崎宮前に到着。

これにて熊本電鉄線完乗です。

 

藤崎宮前駅はこんなビル(高くて写らん)の下にあります。

 

駅から400mのところに駅名の由来である藤崎八旛宮があります。

(写真は駅からすぐの所にある鳥居)

 

熊本の市電・熊本電鉄を完乗したので、長崎へ向かうべく

移動を開始しますが、せっかくなので島原経由で向かうこととします。

 

フェリーの出る熊本港へはバスで。

 

買い物・乗り継ぎのため立ち寄った熊本駅で。

熊本都市バスには西工58MCが残っています。

 

天候は一転、下り坂へ。

なんとか曇りで持ちこたえていたのに雨が降り始めました。

次に向かう絶景ポイントがこの天気では…

少々落ち込みながら熊本港へ。

 

熊本港に到着。

 

熊本から島原へは2つの会社がそれぞれ高速船とフェリーを運航しています。

高速船にも乗れたんですが、急ぐ気分ではなかったためフェリーを選択しました。

 

高速船では30分の道のりを1時間かけて航行します。

急ぐ旅でもないし、ちょっと安いからヨシ!

 

乗船すると、くまモン船員がお出迎え。

 

新しい船のようで、内装がきれい。

 

そんな船内で、熊本二つ目の駅弁を食べていました。

『肥後赤どり飯』

細かく説明しません。美味い。

 

 

天候悪化でこの先どうなる?

次回、島原から長崎へ編は西九州新幹線開業の日

9月23日(金)に臨時更新します! お楽しみに。