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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

甘木周辺とへいちく。【福岡乗りつぶし旅①】

趣味で鉄道旅行をしていると、自ずと気になってくるのが、

「自分がどのくらいの鉄道路線に乗ってきたのか」。

そして、何の気なしに記録をつけてみると、

JR線の7割以上に乗ってしまっていることに気がつくわけです。(私鉄はまだ半分行かないくらい)

それが3年前くらい。

 

そうなってくると、もうお分かりですね?

全部制覇したくなってくるわけです。

ということでここ数年は自分が行ったことない路線に重きを置いて旅行プランを立てています。

 

今回は、意外なことにぽっかりと穴があいていた福岡県の鉄道路線がテーマ。

一日目は、7月の九州旅行で余らせていた『旅名人の九州満喫きっぷ』を使用して福岡県の私鉄・三セク路線をめぐります。

 

 

2022年9月22日(木)

 

飛行機で福岡空港に降り立ち、西鉄福岡(天神)駅へ。

 

西鉄特急で久留米へ。

高架工事が終わって線路がスマートになっていました。

 

甘木線に乗り換え、甘木に向かいます。

使用されるのはワンマン対応の7000系

利用の少ない久留米以南大牟田までの本線と一体となった運用で、都市型ワンマン運転が行われています。

 

甘木線沿線はこんな感じ。住宅もありますが、田んぼの中を突っ切ります。

 

駅で交換待ち。

 

約40分で終着の西鉄甘木に到着。

 

西鉄甘木駅をあとにして、甘木にやってくるもう1つの路線へ。

 

甘木鉄道甘木駅

西鉄甘木駅から徒歩3分ほどで着きます。

 

甘木という町は古くから交通の要所で、二日市から杷木を結び、無法な運営で有名な

朝倉軌道や田主丸と秋月を結んだ両築軌道が通った町です。

(当時は道に敷かれた軌道に機関車牽引の客車列車やガソリンカーで運行)

 

現在も田主丸や秋月方面へバスが運行されています。

朝倉軌道の跡にも西鉄バスが運行されています。

 

甘木鉄道は、朝倉軌道の支線、元中央軌道田代線の轍を譲り受けて(ほぼ平行して)

開業した国鉄→JR甘木線から転換された第三セクター線です。

転換の際、1日数往復だった列車の大増発と西鉄電車や高速バスとの交点に新駅の

設置を行い、今も地域住民に愛される鉄道です。

 

甘木駅には車庫が併設。

 

レールバスで運行。

 

 

約25分でJR鹿児島本線と接続する基山駅に到着。

 

鹿児島本線で黒崎に向かいます。

 

奇しくもこの日は西九州新幹線開業を機に行われるダイヤ改正の前日。

ダイヤ改正により日中の運転がなくなる全区間通しの快速列車にて移動します。

 

快速列車は毎時1本が運行されてきましたが、改正後は列車そのものが間引かれ、

一部区間(博多近郊のみ)を快速運転する「区間快速」と普通列車合わせて

毎時5本(博多駅基準)の運転になります。

 

811系リニューアル車、8両編成での運行。

平日昼間ですが結構な乗車率。

博多駅を挟む区間では、減便して大丈夫なのかとさえ思いました。

福間を過ぎ、福岡都市圏と北九州都市圏の間ではやや減りはしたものの、利用はありましたね。

 

折尾に到着。

鹿児島本線筑豊本線を同一レベルの高架とする大掛かりな工事が終わったばかりです。

 

地平のコンコースには鹿児島本線筑豊本線が十字に交わっていた当時のモニュメントが。

 

かしわめしの駅弁で有名な東筑軒さんでかしわごぼ天うどんをいただきました。

美味しかった!

 

 

 

後続の列車で黒崎へ。

 

 

 

筑豊電気鉄道

 

黒崎駅のバスターミナルに紛れるように黒崎駅前駅はあります。

 

この見た目で平成生まれの吊り掛け駆動。

素晴らしい唸りを立てて走ります。

 

筑豊電気鉄道線黒崎駅前から筑豊直方までを結ぶ路線。路面電車サイズの車両ですが、全線が専用軌道です。

広島電鉄宮島線みたいなもんですが、あちらと異なり起伏に富んだ楽しい路線です。

小規模ながら二つの都市を結ぶ貴重なインターアーバンです。

 

 

起点の黒崎駅前と、隣の西黒崎駅は0.2kmしか離れておらず、先日紹介した

松浦鉄道の中佐世保佐世保中央と並んで日本一短い鉄道駅間ですが、西黒崎駅

現在営業休止中のため列車は通過してしまいます。

 

車内はこんな感じ。

直方に向かうに連れて乗客が減っていく感じでしたが、しっかりと利用されていました。

 

筑豊直方駅に到着。

高架が突然切れるような形で路線が終わります。

車内清算のため改札はありません。

 

JRの直方駅までは約800m、徒歩10分ほどかかります。

 

ゆっくり写真撮ってたら少々ギリギリになってしまいました。

続いて、平成筑豊鉄道に乗車します。

 

 

 

平成筑豊鉄道

 

直方駅の端っこから列車は発車します。

 

平成筑豊鉄道は、平成元年に筑豊のローカル線であるJR伊田線糸田線田川線

引き継いで誕生しました。

筑豊にはかつての産業、石炭輸送のため網目のように路線が張り巡らされていました。

石炭の時代は終わり、炭鉱が閉山、貨物も住人も減って利用不振となり、1980年代

国鉄末期からJR誕生時にかけて多くの路線が姿を消しましたが、これら路線は

第三セクター平成筑豊鉄道として生き残ることになりました。

 

直方は石炭輸送の中心となったところで、筑豊本線にかけてかなりの数の貨物列車が行き交ったといいます。

その名残で田川線は複線の線路を有します。

複線非電化の路線を、主に単行のディーゼルカーが行き交っているわけです。

線路状態はいいように見えますが、列車は40km/hほどのゆっくりとした速度で走ります。

 

 

多くの駅には増収策かスポンサーの名前が冠されています。

 

金田駅伊田線と交わるジャンクション。

車両基地が併設されています。

 

 

 

金田から田川線に入ります。

こちらは単線。

 

田川後藤寺駅に到着。 (数駅で見掛けるMr MAX、何者?)

日田彦山線後藤寺線との接続駅です。

 

三面四線の配置で、平成筑豊鉄道は真ん中の一線に乗り入れます。

 

田川後藤寺駅、駅舎はこんな感じです。

 

3線、4方向の発車案内が並びます。

 

日田彦山線の小倉行きで一駅先の田川伊田に向かいます。

筑豊の路線網の密さがうかがえます。

 

 

田川伊田に到着。湾曲したホームは長いです。

 

田川伊田駅は2019年に改装され、飲食店のほか、ホテルが入居しています。

 

一応、別となっている改札を入って平成筑豊鉄道のホームへ。

 

伊田線で一旦、金田へと戻ります。

 

金田に到着。

 

金田駅の車庫には先代のレールバスが保存(放置?)されていました。

開業時の車両からは全て置き換わっています。

 

行橋行きが入線です。

学生を拾って出発。

 

学生のほとんどは田川伊田までに降りてしまいました。

 

次の駅までは日田彦山線と単線の線路を共有します。

分岐してすぐに上伊田駅です。

 

 

山間部も走行するため、平地を走っていたこれまでの区間とはまるで異なった景色です。

 

色が主張する通り赤駅です。

 

 

油須原駅

石炭輸送のためのバイパス線として日田彦山線豊前川崎駅から添田線大任駅を経由

して建設が予定されていた油須原線が合流するはずだった駅です。

建設中に石炭輸送が終わりを迎えてもなお日本鉄道建設公団により建設が進められ、

半分以上の工事が完成するも需要が見込めず路線完成が許されなかった未成線です。

 

豊津駅くらいから再び住宅が増えてきます。

 

 

平成筑豊鉄道も転換後に駅を大幅に増設していますが、ユニークな駅名も見られ、

行橋駅の手前には『令和コスタ行橋駅』(令和最初の開業駅)が存在します。

 

順調に乗客を拾いながら行橋駅に到着。

高架の日豊本線行橋駅の切り欠きホームに着きます。

 

子供に優しい運転士さんが印象的でした。

 

 

次回は、この日を以て運用を終了した415系電車の鋼製車に乗ったお話を。

お楽しみに。