7月中旬、もうすぐ新幹線が開業することで話題の九州へ行って参りました。
夜行バスで九州入り。
学生時代ぶりに四列シートの深夜バスなんかに乗りましたが、
座席間にまで仕切りカーテンが付いていたこともあって
思ったよりも快適に過ごすことができました。(寝られたとは言っていない)
早朝の小倉駅より旅がスタートします。
2022年7月16日 (土)
朝7時前の小倉駅。
今日は鹿児島本線を普通・快速列車だけを使ってひたすら南下します。
門司港から始められたらきれいだったんですが時間の都合です許してください。
小倉6時56分→博多8時03分 快速 南福岡行き
813系9両編成の快速列車からスタートです。
車内に入っての早速の違和感。
「座席少なくね?」
物議を醸している座席撤去改造車に当たってしまったようです。
本来扉間に5脚あるクロスシートを扉側を両側1脚ずつ減らして
3脚となってしまっています。
扉付近のスペースが増えて混雑緩和には役立っていると思われますが
席数の4割近い削減は減らしすぎなのではないかとも思ってしまいます。
旅名人の九州満喫きっぷ
今回の旅のお供の紹介です。
『旅名人の九州満喫きっぷ』。
JR九州の在来線全線に加えて九州島内全ての会社線・路面電車に乗車可能となるきっぷです。有効期間は使用開始日より3ヶ月で3日間使用可能です。
青春18きっぷと同様、JRの特急列車に乗車の場合は無効となり、乗車券・特急券が別途必要となります。(佐世保線早岐~佐世保、宮崎空港線を除く)
JR線以外に三セクや私鉄も乗りつぶしたい!という乗り鉄にうってつけの切符といえるでしょう。
JR鹿児島本線
本州から関門海峡を渡った先、福岡県の門司港駅を起点として、博多・熊本を経由、
九州の西岸を縦貫して鹿児島駅へ到る九州一の幹線です。
かつては全線を通じて特急列車が多数行き交う街道でしたが、
九州新幹線の開業によって福岡から熊本・鹿児島への都市間輸送の役割は
新幹線へと譲られ、長崎本線が分岐する鳥栖以南はローカル輸送に徹する形となっています。
門司港~鹿児島間の総延長は398.5kmですが、
九州新幹線の新八代~鹿児島中央間が開業した2004年3月より、
熊本県の八代駅から鹿児島県の川内駅までが第三セクター『肥薩おれんじ鉄道』としてJRから経営分離されています。
今回はこの区間も含めて乗車したいと思います。
旅の模様に戻りましょう。
筑豊本線との交差部で九州最古の立体交差駅であり、リニューアル真っ最中の
折尾駅に到着。以前は十字に交差していた筑豊本線が鹿児島本線と同レベルで
寄り添う形に構造が変更されました。
直方方面の筑豊本線と分岐。
このトンネル含め、筑豊本線は折尾駅付近で大幅にルートが変更されています。
ところで、JR九州では西九州新幹線開業の9月23日に在来線含めたダイヤ改正を
予定しており、新幹線開業に沸く一方で福岡・北九州都市圏では厳しい内容となっているよう。
鹿児島本線では日中、小倉まで通しで快速運転する快速列車の運転が取りやめ
られます。『快速』は朝と夕方以降の運転となり、博多近郊の区間で快速運転する
『区間快速』は運転パターンが整理された上で引き続き運転されます。
今回乗車した快速は運転が継続される時間帯のもので、特急にも抜かされない
列車ですが、日中お急ぎの方は特急へ…ということになるのでしょうか。
空いていた快速列車は福間辺りから人を拾い始め、
立ち客もそこそこ出る状態で博多駅に到着しました。
満員にはなりませんでしたが土曜日かつサービス9両編成ということで。
博多 8時12分→ 大牟田 9時27分 区間快速 荒尾行き(快速区間は久留米まで)
今度は813系6両編成。座席撤去が未施工の車両でした。
博多より先、鳥栖までは長崎・佐世保方面や久大本線への特急が走る特急街道。
この快速列車も南福岡駅で早速特急を退避します。
西鉄には特急(急行)があるのに対して、ダイヤ改正後昼間の快速は廃止され、
大牟田まで快速運転する列車はほんのわずかとなる見込みです。
並行する九州新幹線。
筑後船小屋駅は乗り換えのために一度改札を出ないといけない珍しい構造です。
乗車した列車は大牟田・荒尾まで直通ですが、
熊本所属のワンマン2両編成がカバーするエリアは広いです。
博多から1時間15分、大牟田駅に到着。
大牟田 9時37分発→ 熊本 11時26分着 普通 八代行き
第三ランナーは熊本所属の817系ワンマン普通列車です。
福岡地区で近年登場した番台以外の817系は転換クロスシートのイメージでしたが、
知らない間にイスの向きを変えてロングシートとなっていました。
近鉄のL/Cカーみたいなデュアルシートだったか?と一瞬思ってしまいましたが、
こちらも813系の座席撤去同様、近年波及している改造のようです。
大牟田辺りの人は熊本の方が近い大きな街となるのか乗り通す人が多く、
駅ごとに乗客を集めて熊本に近づくころには多くの立ち客が出ていました。
小倉から4時間半。熊本駅に到着。晩には熊本に戻ることになるのですが、
昼食を調達してホームに戻ると…
SL人吉号が出発を待っているところでした…!
現在は肥薩線被災のため人吉方面には行かず、鹿児島本線を鳥栖まで、
休日を中心に運行されています。
初めて目の前で煙を吐くハチロク。かっこよすぎてテンション爆上がりでした。
かっこいい。
大正時代生まれのSLが未だ現役であるのが信じられないですよね。
かっこいい。
出発の時間。鐘が鳴らされ、乗客たちは車内へ入り、ホームは静かに。
客車を牽きゆっくりと出発していきました。
SL去りしあとの熊本駅。
現代的な高架駅が煙まみれです。
これまたおもしろい。
熊本 11時05分→ 八代 11時43分着 普通 八代行き
続いて817系のロングシート改造車でした。
駅の電光掲示に注目。鹿児島中央行きの団体列車が後ろに迫っています。
6両編成… これはもしや…
八代くらいで追いつかれると思っていたら本当に追いつかれました。
八代駅に着くと駅センに人だかりが。何か到着するようです。
やってきたのは787系電車の6両編成。
団体臨時列車として運転された『787系つばめ30周年記念号』です。
まったく下調べしていなかったので偶然でした。
この区間、『36ぷらす3』として毎週787系の運行がされているものの、
通常の編成が入線するのはかなり久しぶりといえるでしょう。
デラックスグリーンの表示のある1号車。
方向幕は『団体専用』となっていました。
この八代駅で催し物でもあったのかしばらく停車したようで、
先へ進む普通列車が先の発車となりました。
肥薩おれんじ鉄道
八代 11時57分→ 出水 13時16分 普通列車 出水行き (出水で撮影)
2004年にJRから経営移管されました。
熊本・鹿児島県境の閑散区間です。
全線に交流電化の架線が張られていますが、
肥薩おれんじ鉄道の定期列車は全てディーゼルカーで運行されています。
基本的に単行での運行ですが、本数は毎時1本程度を維持しています。
貨物列車の運行があるために電化設備が残されていますが、
こんどの長崎本線では運営の上下分離が行われ、
あちらは電化設備を廃止し非電化となるようです。(肥前浜~長崎間)
交流電車の新製や維持はそれだけコストがかかるということでしょうか。
写真左のトンネルが肥薩線。復旧の方針はいつ決まるのでしょうか。
イベント列車にも使用されるというレアな転換クロスシートの車両に当たりました。
各座席には壁面から出てくる折りたたみ式のテーブルまで付いていました。
この車内でお昼ごはんです。
名産、阿蘇のあか牛をふんだんに使った贅沢なお弁当です。
美味い。
右側の席が埋まっていたんで左に座ったんですが、
東シナ海が望めて車窓がきれいでした。
ところで、乗車した車両、外装も内装も台湾鉄道一色なのはお気づきでしょうか。
2020年より肥薩おれんじ鉄道線と姉妹路線となっています。
海沿いを走ることなど共通点が多いことからなのだそうです。
出水 13時18分→ 川内 14時19分 川内行き
出水駅にて乗り継ぎです。系統が分割されており、すでに鹿児島県に入っています。
出水駅からは通常の車両。こちらは固定のクロスシートで、一部ロングシートです。
こんどは海側の座席にありつくことができました。
無理矢理ですが、阿久根駅にて観光列車『おれんじ食堂』を追い越しました。
いつか、のんびり走るこの列車で景色を見ながら食事をしてみたいものです。
きっと格別です。
牛ノ浜駅。海が見えます!
実はこの日も天気が心配されていたのですが、晴れてくれて嬉しかったです。
この木を見ると南国に来た感じがします。
着々と鹿児島に近づいています。
川内(せんだい)に到着。116.9kmの旅は終了です。
ここから先、管轄が再びJRに戻ります。
川内 14時22分→ 鹿児島中央 15時12分 普通 都城行き
川内から先は鹿児島近郊区間ということで採算性を見てなのか再びJRが経営しています。JR鹿児島本線は間で切れている路線ということになります。
乗ったのはこれまた817系のロングシート化改造編成。
しかし、乗れば大混雑。ここまで乗ってきた中で一番の混雑で座れませんでした。
川内駅をあとにします。新幹線は鹿児島中央から最初の停車駅です。
伊集院など鹿児島のベッドタウンを経由していきますが、
それ以外の小駅からも乗客を拾っていきます。
それが不思議なことに10~20代の若者ばかり。
浴衣姿もいることからどうやら鹿児島市内でイベントがあるようです。
15時12分。小倉から8時間強で鹿児島中央に到達しました。
7本乗り継ぎ、400km近い移動に達成感。
鹿児島本線はさらに隣の駅、鹿児島までですが、縦断できたことにしましょう。
次回、1日目の後半戦。
チケットを活用して鹿児島の路面電車に乗車します。
乗りトラム、乗りバス乗車記録、お楽しみに。