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福井鉄道・えちぜん鉄道勝山永平寺線の旅。【福井乗り鉄2023①】

今が旬、北陸を旅した旅行記をお送りします。

北陸新幹線敦賀開業前、昨年の3月のお話です。

青春18きっぷで日帰り福井へ。

福井鉄道えちぜん鉄道、JR越美北線を全線乗車します。

 

 

2023年3月21日(火)

 

京都から乗車したのは湖西線の新顔、223系2500番台。日根野からの転属車。

2+1列のクロスシート配列となっているのが特徴です。

コロナ渦における減便ダイヤ改正による影響で近畿圏各線で余剰車が発生。

それらが京都に集められ、113・117系電車が置き換えられました。

 

近江今津521系2両の敦賀行きに乗り換え。

 

滋賀県北部と福井県境で活躍する521系は最初期の2006年に投入された5編成。

朝夕のみの運用ですが、これらは今春以降もJRに残り、

逆にそれ以外の全ての521系0番台が第三セクターへ籍を移すことになりました。

 

 

敦賀で福井行きに乗り継ぎます。

2分で向かいの乗り場の列車へ接続だったと記憶しています。

2024年3月ダイヤ改正で、現ハピラインふくいの普通列車

敦賀止まりの特急列車からの接続を受けるようになり、

下り普通列車うしの接続はかなり悪化したため注意が必要です。

(福井駅での接続は逆にかなり改善されています。)

 

 

武生駅に到着しました。

大阪駅から普通列車での所要時間は3時間ほど。

写真は追いついてきた特急『サンダーバード』5号 金沢行き。

 

駅舎側の1番のりばには特急列車が次々発着。

普通列車は2番のりばで待避を行っています。

 

武生駅の改札口。

磁気券対応の自動改札機はありませんが、ICカード用の簡易改札機があります。

 

武生駅外観。

武生駅には北陸新幹線の駅は設けられず、3kmほど東に

新幹線単独駅である、えちぜん武生駅が設置されました。

 

 

福井鉄道福武線の旅

JR武生駅から300mほど離れたところに福井鉄道のたけふ新駅があります。

 

新幹線の『えちぜん武生』駅開業で割を食ったのがこの駅。

1924年、『武生新』駅として開業しましたが、2010年の市町村合併

武生市が消滅し越前市となったため、『越前武生』駅に改称していました。

仮称『南越』駅であった新幹線駅名が『えちぜん武生』に決まったのが2021年5月。

読みが同音で違う位置に新駅が開業するため、混同を避けるべく、

越前市と協議の上、2023年2月に『たけふ新』駅に再改称されました。

表記は違えど開業時の駅名に戻った形になります。

 

福井鉄道福武線は、たけふ新~田原町まで20.9kmの本線と、

福井城址大名町~福井駅まで0.6kmの支線からなる路線。

福井市内中心部の赤十字前駅の先から田原町までと福井駅への支線は

道路に敷かれた併用軌道となっています。

 

たけふ新駅では列車別改札が行われています。

 

えちぜん鉄道と共通の1日乗車券が発売されていて、それを購入。

 

 

たけふ新駅の時刻表。

後にダイヤ改正が行われて、現在とは異なるダイヤです。

2023年3月時点では、日中に急行が1本、普通列車が2本という設定。

急行は田原町駅よりえちぜん鉄道鷲塚針原駅まで直通し、

この系統にフェニックス田原町ラインという愛称が付けられていました。

 

※2024年3月現在では朝夕以外の急行列車が廃止されています。

 

 

櫛形の終端式ホーム。

3線ありますが3番線は留置線のようです。

 

福井鉄道は2006年から順次車両のダウンサイジングを実施。

従来の鉄道線サイズから路面電車サイズの車両での運行に切り替えています。

写真は同時期に廃線となった岐阜の名鉄600V線区からやってきた車両。

 

こちらが福井鉄道が自社導入したF1000形。

FUKURAM』の愛称が付けられています。

三車体連接の軌道線サイズの車両です。

 

全長27.16m。

通常の路面電車車両よりも長く感じます。

ドア・通路部分はフルフラットで、バリアフリーに対応しています。

 

乗車して一駅。北府(きたご)駅で途中下車。

車両とホームの段差もほとんどありませんね。

車両のサイズ変更時に鉄道線区間のホームの切り下げも行われています。

 

北府駅は福井鉄道本社の最寄り駅で、車庫・留置線を持つ駅です。

 

見えている線路は実際に車両留置に使われている線路。

そのすぐそばに保存されている車両があります。

 

福井鉄道200形車両。

昭和35(1960)年に福井鉄道が導入し、最後まで残った自社発注の大型車両。

この203号は1962年製で2016年まで活躍しました。

保存のための修繕が完成し、2023年3月19日に公開が開始。

展示され始めたてほやほやの車両に会いにきました。

 

車内は当時の国鉄型車両のようなボックスシート

中には入れませんが、イベント等で公開される予定のようです。

 

このサイズ感で福井市内の併用軌道区間に乗り入れていました。

道路上の停留所への乗り降りはこのステップを介していたようです。

 

15m級の車体を2両つなぎ、当時存在した急カーブへの対応で連接台車を採用。

非常に特徴的な車両でした。

実際に走っているところを見たかったな。

 

横に留め置かれているこの車両も骨董品級。

デキ10形電気機関車のデキ11。生まれはなんと大正12(1912)年。

 

機関車としての用途はなくなったものの、

現役で除雪車として使用されています。

動けるだけじゃなく雪をはね除ける力を持つ。すごい。

 

北府駅は木造駅舎。

駅舎の中には福井鉄道の歴史や資料を展示するギャラリースペースがあります。

 

次発の鷲塚針原行き急行に乗車。

車両は再びF1000形 FUKURAM

 

局所的に急カーブがあるものの、基本的には線形はいいです。

最高速度65km/hで駆け抜けます。

 

JR北陸本線(現:ハピラインふくい線)の1~1.5kmほど西を走ります。

武生~福井間、前者は6駅であるのに対し、

福井鉄道福井駅まででも23駅あります。

両者の役割ははっきり分かれているようです。

 

 

雪の多い福井県

分岐器上に防雪シェルターを持つ駅があります。

 

神明駅鯖江市内で一番利用の多い駅。

 

鯖江市と福井市境の田園地帯を走ります。

 

田原町駅を介してえちぜん鉄道と相互乗り入れを行っているため、

えちぜん鉄道籍の車両も乗り入れます。

それがこの黄色い車両、えちぜん鉄道 L形。キーボの愛称を持ちます。

車両規格はFUKURAMと異なり、小柄となっています。

 

浅水駅でもたけふ新駅行きと交換。

 

福井市内中心部に入り、赤十字前駅。

鉄道線区間最後の駅です。

 

新木田交差点より県道28号線上の併用軌道区間に入ります。

 

同じ列車なのに急に路面電車になりました。

 

足羽川を渡り、いよいよ福井駅が近づきます。

 

大名町交差点から福井駅方面を見ます。

福井城址大名町停留所から福井駅まではヒゲ線と呼ばれる支線。

全ての列車が経由するのではなく、普通列車を中心に

福井駅に立ち寄る運用となっています。

乗車している急行も福井駅は経由しません。

この区間には夕方乗りにきます。

 

福井市内のメインストリートを行く福井鉄道の電車。

併用軌道を走行するのは15分ほどです。

 

たけふ新駅から約45分、田原町駅に到着。

列車はえちぜん鉄道線へ進んで行きますが、見送ります。

 

田原町駅は二面三線の構造。

えちぜん鉄道のホームがある島に有人のきっぷ売り場があります。

 

駅入り口に福井鉄道のきっぷ売り場があります。

 

田原町駅福井鉄道えちぜん鉄道の両者相互乗り入れ開始に際し

両路線間の敷地の広場化を含めて大きく改良されました。

2015年に改良工事が終了し、2016年より乗り入れが開始されました。

 

福井鉄道側は二面二線を使用。

折り返し列車は駅入り口側1番線を使用します。

 

福井鉄道の列車は右に急カーブして併用軌道区間に入っていきます。

 

えちぜん鉄道のホームは高床式のため、段差がありますが

バリアフリー対策はしっかりされています。

 

一面一線のホーム。

 

えちぜん鉄道線ホームから見た福井鉄道線ホーム。

田原町止まりの列車が入線してきました。

 

ここから、えちぜん鉄道に乗車し、勝山方面へ向かいます。

三国芦原線の列車で福井口駅へ。(写真は三国港行き)

 

 

えちぜん鉄道勝山永平寺線

福井口駅勝山永平寺線の列車に乗り換えます。

福井行きの列車と、違う路線の下り列車とはすぐ接続するようダイヤが組まれています。

 

 

えちぜん鉄道 勝山永平寺線は、福井駅を起点に勝山駅まで27.8kmの路線。

日中は普通列車のみ30分ヘッドの運転となっています。

2001年6月までは京福電気鉄道が運営し、越前本線を名乗っていました。

2000年末と2001年に立て続けにこの路線で列車事故が発生し、

2回目の事故をもって路線自体が運行休止になります。

休止期間中に永平寺口駅から分岐していた永平寺線が廃止。

経営の立て直しが行われて2003年にえちぜん鉄道勝山永平寺線として

運行を再開しました。

 

 

車両は愛知環状鉄道より譲受したMC6101形。

三国芦原線に対して単行での運行が多くなっています。

 

最初は多かった利用者も数駅でほとんどが降りてしまいました。

沿線はのどかです。

 

やがて九頭竜川に沿って走るようになります。

 

沿線に見える山々が雪を被りはじめました。

 

列車はワンマン運行ですが、えちぜん鉄道の列車にはアテンダント

乗務されていて、集札や案内を行っています。

北陸新幹線の延伸開業に合わせた(?)勝山市にある福井県立恐竜博物館の

リニューアル工事による臨時休館も案内されていました。

 

 

福井口から50分で勝山駅に到着。

配線が終着駅然としていないのは、かつて大野まで路線があったため。

 

福井方の線路を見ます。

 

勝山駅の駅舎。

1914年の開業以来使われ続けています。

 

「恐竜のまち」をうたう勝山市。駅舎内のこんなところにも。

駅舎内のカフェは残念ながら7月に閉店してしまったようです。

 

ここにも保存車両がありました。

電気機関車 テキ6。大正9(1920)年製造。

貨物輸送中心に従事したのち、福井口車庫での構内入替機として2000年代まで使用。

2009年に勝山へ移され、保存されています。

稼働時には日本最古の現役電気機関車として紹介されたことがあるとか。

 

 

牧歌的な風景に似合いますね。

 

 

さて、ここ勝山からは鉄道廃止代替(?)の京福バス越前大野駅へ抜け、

JR越美北線に往復乗車し、そのあとえちぜん鉄道の残りの路線へ。

後半へ続きます。お楽しみに。