新型車両Uraraの投入で変化を迎えつつある岡山地区のJR在来線をめぐります。
2023年8月19日(土)
本四備讃線(瀬戸大橋線)
児島 12時54分 → 岡山 13時29分 瀬戸大橋線 普通 岡山行き
児島駅から乗車するのは115系1000番台 3両編成の普通列車です。
瀬戸大橋線には日中毎時2本の快速マリンライナーや高知・松山方面への
特急列車が走行しますが、毎時1本、児島折り返しの普通列車が走行します。
今回乗車したDー11編成には体質改善30N工事が施工されています。
座席は転換クロスシートに交換されています。
この内装の115・113系もJR西日本の岡山エリアでしか見られなくなりました。
岡山の115系は大多数が後期型の1000番台で、全車が30Nまたは40Nメニューの
体質改善工事を受けています。
一方、少数ながら中期型の300番台が存在し、体質改善工事も軽微なものとなっていて
製造当時のボックスシートの内装のまま残存しています。
300番台車や113系等については、すでに投入が始まっている新型車両の
227系500番台によって優先的に置き換えが行われるものと推測されます。
瀬戸大橋線(茶屋町から宇野線)の普通列車は、快速マリンライナーの停車しない
各駅から乗客を拾い、岡山に着く頃には満員となっていました。
児島から35分で岡山に到着。
山陽本線
岡山 13時50分 → 福山 14時49分 山陽本線 普通 三原行き
運用なんか全然調べてなかったんですが、偶然にも新型車両に初乗車となりました。
227系500番台。愛称は『Urara』です。
2023年7月22日、227を逆さにした日にデビューしました。
岡山地区、20年ぶりの新型車両です。
広島地区の227系0番台の愛称『Red Wing』の元となった転落防止幌に愛称がプリント。
デザインコンセプトは豊穏の彩。
岡山の桃などをイメージしたピンク色中心の配色となっていますが、帯の色について
今は無き快速『サンライナー』に使用された117系へのオマージュが含まれているそうで、鉄道ファンとしてはうれしいところです。
側面の行先表示器にはフルカラーLED。
現時点では、広島地区では行っている路線記号の表示をしていません。
車内は広島の0番台と同じくセミクロスシートですが、
扉間の椅子を1列ずつ減らして扉付近のスペースを確保しています。
詰め込み仕様ということですね。
運転室寄りの扉付近の様子。
椅子を1脚減らすとこれだけスペースができます。
夏空の下、山陽本線を快走します。
227系500番台、現時点では投入の最初期段階で、2両編成8本が運用中。
真っ先に117系を置き換えました。(一般型の117系がこれで全廃)
山陽本線(岡山~三原)、宇野線、瀬戸大橋線、伯備線(総社以南)で運用中。
岡山以東の運用はまだありませんが、これから運用範囲を広げていくことでしょう。
最終的には3両編成25本、2両編成13本の101両を投入予定。
これは、岡山に所属する113/117/105系と115系300番台の計108両に近似した両数となっています。
福山に到着。
広島の0番台『Red Wing』も福山まで乗り入れがあります。
糸崎や三原では日常的に並ぶことでしょう。
227系500番台『Urara』の今後の活躍に期待です。
福塩線
福山から府中を経て塩町・三次を結ぶ福塩線。
府中までの電化区間では、3扉ロングシートの105系が活躍しています。
105系も数を減らしている車両で、ここと山口地区の宇部線等でしか見られません。
227系による置き換えが近いものと思われます。
この日、福塩線は線路異常によってダイヤが乱れていました。
乗車予定の一本前の列車がまだ出発しておらず、15時頃運転再開とのアナウンスがあったため、とりあえず乗車しました。
この便は本数の少ない府中から先の三次行きに接続するはずの便でしたが、
無慈悲にも今日は接続しない旨の放送がありました。
15時02分に福山駅を出発。
神辺駅に到着。
ここから井原鉄道線に乗車します。
井原鉄道井原線
井原鉄道井原線は、JR福塩線の神辺駅からJR伯備線の総社駅を結ぶ第三セクター線。
多くの列車が神辺始発ですが、1日3往復の列車が福山まで乗り入れます。
そのためこの案内ディスプレイにも乗り場の案内があります。
始発列車は井原線ホーム、直通列車は福塩線ホームから発着のようです。
独立している井原線ホーム。
福塩線の福山方面行きホームに連絡口があり、乗り換えはしやすくなっています。
神辺 15時37分 → 井原 15時52分 井原鉄道線 普通 早雲の里荏原行き
井原鉄道線は非電化の路線。
自社発注のIRT355形気動車での運転です。
外観はJR西日本のキハ120系によく似ています。
乗車した車両はIRT355形気動車のうち、2両だけ存在するイベント対応車両の100番台。
転換クロスシートを装備しています。
乗客は地元の高齢者が中心でした。
福塩線の1本あとの府中行きとしっかり接続をとり、数分遅れて神辺を出発。
福山で急がなくてよかったようです。
井原鉄道線は、国鉄井原線として開業させるべく、日本鉄道建設公団が建設した路線。
路盤がほぼ完成した状態で工事が中止されたものの、設立された井原鉄道によって
工事を再開させ、1999年に開業した路線。
鉄建公団線ということで例に漏れず高規格な路線で、
路線のほとんどが高架で作られています。
その気になれば特急列車でも走らせられそうなほど線形がいいです。
周囲に高い建物なんてない田園・住宅地に高架駅。
1両だけ水戸岡デザインで作られた増備車、夢やすらぎ号と交換。
立派な井原駅舎。土産物店や飲食店も入居しています。
井原はもう岡山県。
この地域を通り、山陽本線の笠岡とを結んだ井笠鉄道の井原駅とは別の位置にあります。
駅舎の三角ドームの下部は待合室となっていて、明らかに鉄道部品である椅子が設置されています。
児島もジーンズでしたが、井原もデニムが有名らしいです。
駅舎二階には販売店と、ちょっとしたデニムミュージアムがありました。
井原 16時12分 → 総社 16時55分 井原鉄道線 普通 総社行き
1面2線のホームにたたずむ総社行きの列車。
こんどの車両が標準タイプ。
セミクロスシートの配列となっています。
乗客のほとんど乗らないまま井原駅を出発。
小田川を渡ります。高梁川に合流するまで、井原鉄道に沿うように流れます。
平成30年7月豪雨災害のときに氾濫したのがこの小田川で、
沿線の真備町等で大きな被害が出ました。
井原鉄道線も高架でなければ危なかったのかもしれません。
車庫があり、運行上の拠点となっています。
広大な田んぼの中を高架線で突っ走ります。
伯備線で倉敷・岡山方面へ出る人が多いのか、9割の乗客がここで降りていきました。
JRの線路を走行しますが乗り入れではなく、自社路線の扱いで総社まで運行しています。
井原から約45分で総社駅に到着。
総社駅は井原鉄道専用のホーム(1面2線)が存在。改札も別となっています。
吉備線に乗車して岡山へ戻りましょう。
吉備線
総社 17時20分 → 岡山 18時05分 吉備線 普通 岡山行き
総社駅の切り欠きホーム0番乗り場から発車します。
非電化のため全列車が国鉄型キハ40・47形で運行されています。
内装はそこまでいじられていませんが、窓サッシや化粧板の交換が行われていて、
JR西日本の車両は古さを感じさせないんですよね。
2両編成のうち1両はロングシートとなっていました。
吉備線はJR西日本の非電化路線の中では比較的乗降客の多い路線で、
日中でも毎時1本以上が確保されています。
岡山近郊のベッドタウンへの通勤通学輸送はもちろん、
吉備津神社等への観光輸送も担っています。
付けられた愛称は桃太郎線。浸透しているかは知りません。
すれ違う予定の列車が枕木発煙の影響で遅延するとの情報が。
その列車を待って13分遅れで運転を再開しました。
単線非電化の吉備線。私鉄由来の路線で駅間距離は比較的短く、
岡山まで20.4kmに9駅あります。
もう時刻は夕方となり、概ね毎時2本の列車が運行。
列車の交換待ちがもともと多いダイヤでしたが、
その待ち時間を利用して遅延をみるみる解消していきました。
立ち客が多くなるほどに混雑した列車は、岡山にほぼ定刻で到着しました。
赤穂線
岡山 18時17分 → 播州赤穂 19時27分 赤穂線 普通 播州赤穂行き
関西へ戻るのに、在来線のルートが2つあります。
一つは和気・上郡を経由する内陸ルートの山陽本線、
もう一つが海寄りを走行する赤穂線です。
長距離旅行者は所要時間の短い山陽本線を選びがちですが、
今回は接続の良い赤穂線を選びました。
単線で駅も多いですが、継ぎ目の短いレールの上を国鉄型で爆走するのも乙なもの。
明るければ景色も良いし、観光列車も走っています。
みなさんも赤穂線に乗ってみよう。
乗車したのは113系B-13編成。
4両編成の113系がもう岡山にしかいないという事実。
あと何回乗れるかわかりませんので、岡山には通いたいと思います。
赤穂線は播州赤穂で系統が分断されていて、神戸・大阪方面へは乗り換え。
姫路のえきそば最強。うまい。
おしまい。
次回から北海道への旅行記をお送りします。
お楽しみに。