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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

【サイコロきっぷ】岡山・倉敷の旅

 

何が出るかな?何が出るかな?それはサイコロまかせよ♪

 

あなたの行き先は倉敷に決定しました!

 

ということで友人と岡山・倉敷に行ってきました。

 

 

サイコロきっぷ

『サイコロきっぷ』は、JR西日本のアプリ、WESTER上でサイコロを振って、

出た目によって行き先が決まるというガチャきっぷ。

大阪市内発で、行き先は白浜、餘部、東舞鶴、倉敷、芦原温泉尾道、博多の7つ。

「サイコロなのに行き先が7つ?」というあなた。

この切符の発売価格がサイコロのエントリー料と合わせて5000円という格安切符。

博多は尾道の確率を削って1/36という大当たりとして設定されています。

某移動番組ではサイコロふって当たりを引かないと帰れませんでしたが、

往復きっぷなので帰りが保証されている分、大変優しい切符です。

 

2022年10月6日(木)

 

新大阪 6時59分 → 岡山 8時10分 山陽新幹線 こだま839号 博多行き

新幹線指定席に乗車可能なサイコロきっぷ。

500系使用のこだま号をあえて選びました。

 

8両編成のうち、4~6号車が指定席。

このうち6号車は16両編成時代のグリーン車で、座席をほぼそのまま使用している乗り得車両です。

 

シートピッチ広々。贅沢な車両です。

 

新大阪でギリギリに乗り込んだので、通過待ち停車の姫路駅で車両を眺めに。

500系が現役で一番古い新幹線であることが信じられません。

他にはない、そしてこれからもないであろうこの独特のデザイン。

かっこよさピカイチ。一番好きな新幹線車両です。

 

のぞみ号に追い抜かれます。

めちゃくちゃ速いのでこの位置でシャッターが切れたことも奇跡です。

 

車体が円筒形をしているのがよくわかります。

登場当時世界最速、300km/h走行に向けた努力の証しです。

 

こだま号でもやっぱり新幹線。速い。あっという間に岡山に到着です。

新幹線の利用はここまで。

倉敷行きのサイコロきっぷは、岡山で途中下車ができます。

 

岡山駅。通過は何度もしていますが初めて降り立ちます。

 

岡山駅前のバスたち。岡電バス両備バス等様々な事業者が乗り入れますが、

びっくりするほど『ふそう王国』です。

 

岡電バスではじめての後楽園へ。

 

一年通して様々な花に彩られる後楽園ですが、

10月だけ、10月だけぽっかり穴が空いています(^^;)

 

入口付近が少し早く色づいていました。

これがハイライトでした。

 

いい庭だな~。

 

早朝で、外国人ツアー客の後を追うように園内を散策していましたが、

落ち葉を集める人、池の手入れをする人、様々な人の手で

美しい園内が保たれているんだな~と思いました。

 

あと、池田綱政氏が、好きな岩があったらどれだけ大きくても割って運ばせる

とてもサディスティックな藩主であることを学びました。

 

なかなかなアトラクション感ある橋。

 

園内南側から望む岡山城

お色直しをしたばかりなのか、色がはっきりして見えました。

 

園内至る所に鯉が泳いでいましたが、

餌を求めてかどこも一定の岸に密に集まっていました。

その上を優雅に泳ぐ鴨。

 

2時間近くしっかり園内観賞した後、近代的なトラス橋を渡って岡山城へ。

11月リニューアルオープンだったようで、天守等、中には入れませんでした。

 

表町商店街を南へ。活気があり頑張ってます。

 

天満屋バスターミナル。天満屋百貨店に併設されたバスターミナルで、

県内各地へ向かう多くの路線が発着しています。

 

商店街へ戻り、流れでこんな所まで歩いてきました。

 

 

岡山市内は路面電車が走っています。

岡山電気軌道が運行する2路線の内、ひとつの終点、清輝橋電停です。

 

清輝橋電停の駅名標

岡山電軌の運賃は対距離制ではなくゾーン制になっていて、

岡山駅側の中心部が120円、一定の停留所より終点側が140円となっています。

10月1日に運賃改定したばかり。それまで岡山駅側は100円でした。

コロナ渦の影響で清輝橋線は15分おきの特別ダイヤでの運行となっています。

 

岡山駅前行き電車。7900形での運行です。

こんな車体をしていますが1993年製ながら旧型車の機器流用車で吊りかけ駆動。

いい音がします。

 

清輝橋線は大変交通量の多い道路を走行します。

架線がセンターポール式で、停留所も他であまり見ない島式のものです。

 

15分ほどで岡山駅前に到着しました。

東山本線はまたの機会にして岡山をあとにします。

 

乗車する山陽本線の電車は金光行き。

今年3月のダイヤ改正で運行区間短縮によって生まれた行き先です。

 

20分弱で倉敷に到着。

歩いて15分ほどで美観地区へ。

 

画になりますなあ。

 

平日のため観光客は少なめ。

それでも修学旅行生など少しは客足が戻ってそうな感じでした。

 

美観地区自体は非常にコンパクトにまとまっていて、

歩いて見て回るだけなら1~2時間あれば行き尽くしてしまいます。

(もちろん体験型のお店に入るとか、大原美術館に行かれるともっと満喫できます)

倉敷行きについては岡山で降りられる設定になっていて正解だと思いました。

 

お昼ごはん。 きびを使ったそばです。

非常に健康的なお店でした。

 

せっかく倉敷に来たので水島臨海鉄道に乗車します。

少し分かりづらい乗り場から発着。

水鉄の駅は「倉敷市」を名乗っています。

 

ビルに覆われているホーム。

学生の帰宅時間帯で非常に混雑していました。

 

列車は2両編成ツーマンでの運行。

起点の倉敷市を除いて全て無人駅のため車掌さんが忙しそうでした。

 

水島臨海鉄道は、倉敷市から水島を経て三菱自工前まで10.4kmを旅客営業し、

貨物輸送も私鉄の中では盛んに行っている路線です。

旅客列車は日中約40分間隔での運転。ほぼ全線に渡って住宅のある地域を走るため、

乗車したときはもっと本数あってもいいのになと思える路線でした。

線形が悪いわけではありませんが最高時速50km/h。

ゆっくり走ります。

高架区間が路線のほとんどを占めていたのも印象的です。

 

工場が見えてきたら水島駅に到着。

 

この水島駅も立派な高架駅。島式ホーム1面2線と貨物用と思われる通過線があります。

この先路線は二手に分かれます。

 

水島臨海鉄道オリジナルの主力車両、MRT300形です。

この他、平日ラッシュ時輸送とイベント用にJRから国鉄形のキハ30・37・38形を計5両購入して保有し、同社の金づるとなっています。

列車は水島止まりのためここで下車します。

 

水島駅の時刻表。上下で本数が大きく異なっています。

旅客営業の終点、三菱自工前までは一部の列車しか運行しないことになっています。

 

 

徒歩で三菱自工前駅まで向かいます。

 

水島駅から歩いて5分ほど。路線が二手に分かれる地点。

右へ向かうのが三菱自工前・倉敷貨物ターミナル方面への本線。

左が貨物営業のみの港東線です。

この時点で道路を大型トラックが行き交い、工業地帯感MAXです。

 

 

歩いて20分ほどで三菱自工前駅に到着。

なるほど、こりゃ列車も来ないわ、という小さな駅です。

三菱自工前という名前はおそらく三菱自動車工場の略で、

同工場に囲まれた場所にあります。

岡山のバスが三菱ふそうだらけだったのも納得です。

この駅、工場帰りの人が利用するから夕方以降全便停車…というような列車設定もなく、終電は早々19時26分発。利用者や如何に…?

 

 

さらに10分ほど歩いて倉敷貨物ターミナル駅へ。

手前はDE70形でJRのDE10と同形。奥には新型DD200も見えます。

 

水島臨海鉄道の車庫も兼ねており、旅客車両たちが休んでいます。

キハ30形や、車籍はありませんがキハ20形の姿も見えます。

キハ20についてはクラウドファンディングを経て絶賛整備中で、

この貨物ターミナル駅構内で乗車できる日がまた来るかもしれません。

 

水島のコンビナートは工場夜景が有名で、少しでも味わえればと思い夕方にやってきましたが、やっぱあれですね。工場夜景は離れたところから見るもんですね。

少し陽が落ちてきて煙突や配管に照明が当たるのは確認できましたが、

どの工場も表向きには撮影禁止。時間の関係もあり、存分に楽しむことはできず、

仕事終わりの車を横目に工場周りを徒歩徘徊するただの不審者となっていました。

 

陽が落ち切った頃に駅に戻ってきました。

 

 

帰りの列車はキハ37が充当されていました。

国鉄車は充当される列車が決まっています。

三菱自工前駅、ちょっと(本当にちょっと)は利用者がいてほっとしました。

 

三菱自工前駅無人駅なもんで、切符は車掌から購入しました。

 

キハ37、もともとが製造5両という超絶レア車両なだけに国鉄車感がありません。

実際、初めての乗車でした。

国鉄時代末期に登場し、キハ40の弱点を克服した次世代車両という位置づけで

製造されるもローカル線廃線優等列車の縮小で気動車は余る一方だったため

量産化に到らなかったという不遇な車両だそうです。

個人的にはキハ30形に乗ってみたいのでまたイベントの時にでも

水島臨海鉄道には乗りに来ようと思います。

 

夕食は岡山のB級グルメデミカツ丼

 

帰りは2列シートが快適な九州直通車の『みずほ』。

行きが『こだま』だっただけに速さが際立ちました。

 

時空を超える速さで現実に引き戻されたのでした。

 

 

コロナ渦の影響もあってか最近のJR西日本は面白いきっぷを出しがちです。

今回の『サイコロきっぷ』は大ヒットを記録したようです。

大阪版の大成功を経て、現在は広島発着版が発売されています。

次の見知らぬ企画切符が出ればまた利用してみたいと思います。