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いずっぱこ と、夜の岳南電車。【春の静岡私鉄旅②】


2024年2月。静岡県の私鉄をめぐる旅、1日目の後半戦です。

河津桜で賑わう伊豆急行線を満喫したあとは三島へ。

次は、”いずっぱこ”の愛称で親しまれる伊豆箱根鉄道駿豆線に乗車します。

 

 

2024年2月17日(土)

 

熱海駅から12分で三島駅へ。

こちらから本日2路線めの私鉄路線に乗車します。

 

 

伊豆箱根鉄道駿豆線

 

三島駅では乗り換え改札で連絡しています。

 

伊豆箱根鉄道駿豆線は、三島駅から修善寺駅までの19.8kmを結ぶ路線。

三島の市街地や、伊豆の国市とのフィーダー路線である他、修善寺温泉への観光

路線でもあります。間隔が一定ではありませんが、毎時3~4本程度の普通列車

運行されている他、東京直通の特急『踊り子』が1日2~3往復乗り入れています。

車両は自社発注車が主流ですが、親会社の西武鉄道から譲渡されたものもいます。

 

三島 16時15分 → 修善寺 16時49分 伊豆箱根鉄道駿豆線 普通 修善寺行き

 

乗車するのは3000系電車。

 

 

3両編成で、座席はセミクロスシート

往時の113系電車のような車内配列です。

 

 

三島駅を出ると左に大きくカーブし、進行方向を南へと変えます。

三島田町駅付近までカーブが続き、注意するよう車内放送も入ります。

三島の市街地で細かい乗り降りがあります。

駅間距離は比較的短いです。

 

 

沿線は、田畑がありますが、宅地化が進んでいます。

 

線形は路線の両端を除いて直線的で良いです。

 

三島から20分。伊豆の国市の中心的な駅、伊豆長岡駅

伊豆長岡温泉への最寄り駅で、特急『踊り子』も停車します。

 

西武新101系を譲受した1300系とすれ違う大仁駅

この駅を出ると、狩場川に当たり、

路線は川を渡らずに左に急カーブします。

 

川に沿うように蛇行しながら終点の修善寺駅に至ります。

 

三島から34分、終着の修善寺駅

櫛形ホームで線路はなんと5本あります。

 

ホームに鏡と水場がありました。

長距離列車の終点、のような感じがあります。

 

修善寺温泉へは少し離れていて、バス等で連絡となります。

 

修善寺駅の駅舎。2014年に現在のものに改築されました。

コンビニ、観光案内所、土産物店などが入居しています。

 

駅前には商店が連なっています。

 

時間の都合で、乗ってきた列車で折り返します。

 

到着したときに停車していた先行の列車には7000系電車が充当されていました。

 

7000系電車の最大の特徴は、転換クロスシートが採用され、中間の車両は

扉を減らし2ドアとなっていること。

線内の快速列車への指定席車両とされたほか、JR線への乗り入れも視野に入れた

車両ですが、JR乗り入れは叶わず、快速列車の運転も数年で終了しています。

 

続行の列車に充当されていたこの編成はこの地域が舞台となったアニメ

(…のスピンオフ異世界作品)のラッピングトレインとなっています。

 

17時43分、三島へ戻ってきました。

帰りの列車は、三島駅までというよりかは、

三島田町駅三島広小路駅で降りていった人が多かったです。

 

JRに直通する特急『踊り子』は、この連絡線を通ります。

ポイントでのカーブに対応するため、ホームが削られています。

 

 

やってきた東海道線下り列車は211系5000番台と313系8000番台の混結でした。

区間でしたので前者に乗車。

313系8000番台は、転換クロスシートを装備したライナー仕様の車両で、

中央本線名古屋口への315系投入のあおりを受けて転属してきたもの。

それまでほぼロングシート大国であった静岡地区で異色の存在となっています。

211系は、それら転属してきた車両によって順次、置き換えが進んでいます。

 

 

朝出発した沼津駅に立ち寄り荷物をピックアップ。

 

 

沼津駅は、JR東日本E231系の乗り入れ西限の駅。

写真の列車は、遠く栃木県の宇都宮へ向かう列車です。

 

沼津から15分。吉原駅に到着。

 

ここから、本日3路線めの私鉄路線へ。

珍しい、夜をウリにした路線です。

 

 

夜の岳南電車

 

JRホームより、岳南電車のホームをのぞみます。

背後には工場、そして煙突が見えます。

 

岳南電車 岳南鉄道線は、吉原~岳南江尾間 9.2kmを結ぶミニ路線。

全線が静岡県富士市内を走行し、沿線は工業地帯となっています。

かつてはそれら工場へ引込線・専用線がのび、貨物列車が運行されていましたが、

2012年3月に廃止となり、現在は旅客輸送のみを行っています。

沿線にライトアップされた工場が多いことを逆手にとって、

車内の明かりを消した「夜景電車」の運行が不定期で行われ、

路線自体が日本夜景遺産に認定されています。

 

 

JRのホームから跨線橋で連絡、岳南電車の駅舎に入ります。

窓口では切符やグッズの販売が行われています。

自動改札機は導入されていません。

 

岳南電車のホームは1面2線で、1線には待合室として車両が置かれていました。

この日、2月17日は吉原駅近くの妙法寺(毘沙門天)で祭が開かれていて、

乗客が多く、この路線も夕方以降、臨時に平日ダイヤで本数を増やして運行されて

いました。この待合室も、その対応であったものと思われます。

 

列車が到着。2両編成の9000形(元京王5000系)で運行。

岳南電車の親会社となっている富士急行に譲渡されていたものが再譲渡されたもの。

岳南電車の車両は全てが京王電鉄の中古車両となっています。

 

車内は変わった配列のセミクロスシート

クロスシートの間1脚が転換クロスシートとなっています。

座席は富士急行時代に改造されたもの。

 

この日は車掌が乗務していましたが、ほとんどの駅が無人駅のようで、

降りる際は一番前の扉を利用するよう指示がありました。

車内は縁日帰りの親子連れ中心に席が埋まる程度の混雑。

 

 

吉原から10分。岳南原田駅で下車。

列車の離合と工場を絡めようとするも、カメラの設定を誤り失敗。

 

列車だけが行ってしまいました。

 

 

ちゃんと設定すればこんな写真が撮れます。

写真は目で見るよりも鮮やかです。

 

 駅データ

【駅名】岳南原田 (がくなんはらだ)

【所属】岳南電車 岳南鉄道線

【所在自治体】静岡県富士市

【開業】1951(昭和26)年12月20日

【構造】地平駅、1面2線  ヤード跡あり

【設備】無人

 

ふりかえってホーム。

駅舎との間には、廃止となった貨物ヤードの線路跡があります。

跡地は駐車場とセレモニーホールとなっています。

 

駅舎。そば屋が併設されています。

 

有人改札跡。

自動販売機のLED表示で運行情報を表示。斬新。

 

時刻表。土休日は別ダイヤとなり、朝と夕方以降の本数が異なります。

この日は土曜日ですが、毘沙門天大祭のため平日ダイヤで運行。

 

運賃表。この表に記載の範囲が連絡運輸を行っている範囲であると思われますが、

当駅で乗車券の購入は行えません。

 

岳南電車の各駅にはこのようなミニコラムが設置されていました。

「夜景電車」の紹介。

 

駅近くの踏切より。

 

駅方面。駅舎と反対側にも側線があったものと思われ、

広大な敷地を持った往時が偲ばれます。

 

このあとやってきた列車で一度、終点、岳南江尾方面へ。

 

 

窓の状態が悪く、夜景見物、とはいきませんでした。

 

 

吉原より通算21分で終着の岳南江尾に到着。

暗くて見えませんが、東海道新幹線の高架をくぐってすぐに駅があります。

 

終点まで乗る人はさすがに少なかったです。

 

夜の吉原行きは、ほぼ貸し切り。

数駅間、だれも乗ってきませんでした。

 

乗車しているのは8000形(元京王3000系)。

昭和42年製と47年製の車両で構成され、空調機器など車内に差異が見られて

面白かったです。

 

レトロかつ昔を偲ぶことのできる岳南電車

雰囲気が気に入ったので、翌日、明るい時間に再び乗りに来ることにしました。

 

吉原駅のJR駅舎にあっただるま。

毘沙門天大祭は、日本三大だるま市に数えられるそうです。

 

 

 

この日は、お隣の富士駅近くのホテルに宿泊。

翌朝、再び岳南電車に乗りにきます。

続きをお楽しみに。