Local bound for…

各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

小幌駅に行ってきた。【道南旅行記①】

本日からは北海道の旅行記をお送りします。

9月に北海道に行ってきました。

道南方面へ3泊4日。

初日は、室蘭本線の有名秘境駅である小幌駅に行って参りました。

 

 

2022年9月3日(土)

 

新千歳空港駅にて。

北海道を1日で制覇しようとする人の心を打ち砕くでおなじみの

本州との大きさ比較。

北海道はでっかいどう。

 

快速エアポート号で千歳駅へ。

ここで『一日散歩きっぷ』を購入。

一日散歩きっぷ』は、札幌近郊を出発地として、

北は滝川・美瑛、南は函館本線室蘭本線の交わる長万部までの

快速・普通列車が乗り放題となる、青春18きっぷ並の格安きっぷです。

新千歳空港でも売ってくれたらいいのに。発売の南限は千歳です。

長万部まで室蘭本線経由で札幌から200km以上。

これをお散歩と言い張る北海道、太っ腹です。

写真の普通列車で苫小牧へ。

 

苫小牧駅

今日の宿泊地で、行程の都合上2日間ここを拠点とすることになります。

 

コインロッカーに荷物を置いてたら

めちゃめちゃデコレーションされた自動販売機を見つけました。

このPOPは誰が作っているんだろう。

 

苫小牧 12時34分 → 東室蘭 13時49分 室蘭本線 普通 室蘭行き

お初の乗車となります、H100形気動車です。

キハ40形等の在来気動車を置き換えるべく大量増備中の電気式気動車です。

 

愛称は『DECMO(デクモ)』。

「モーターで走行する電気式ディーゼルカー」を表す英語表記の略称です。

つくりはJR東日本のGV-E400形気動車と同一で、少々、寒地である北海道に向けた

追加装備を持ちます。

 

この列車の走行する区間は全線電化されていますが、気動車の運用。

しかし走りはかなり軽快で、気動車であることを全く思わせません。

気動車からモーター音がするので不思議な感じです。

この車両のエピソードといえば、宗谷本線でキハ40からの置き換えがされた際、

旭川~名寄で最大30分の時間短縮がされたことが有名です。

利用不振駅の廃止が同時に行われたのもありますが、運転速度はかなり上がっています。

 

室蘭本線には日本一長い直線区間があります。

苫小牧の一駅千歳寄り、沼ノ端~白老までの28.7km。

途中駅の配線の関係で多少曲がることはあれど

線路は基本的にま~っすぐです。

さすが北海道。規模が違います。

 

沿線に牧場が。牛さんが放し飼いにされています。のどか~。

 

登別。速いH100形といえど特急には敵わず

苫小牧を25分後に出た特急北斗12号を先に通します。


乗車しているこの列車は2両編成。

乗車率はまずまずで、苫小牧からずっと座れませんでした。

青春18きっぷシーズンの土曜日ということでお出かけする人が多いのは

想定の範囲内でしたが、いやな予感は的中することになりました。

 

東室蘭に着いて向かいに見えたのは同じDECMOの1両編成。

 

東室蘭 13時56分 → 小幌 15時06分 室蘭本線 普通 長万部行き

ほぼ2両分の乗客+東室蘭からの乗客が単行のDECMOに押し込められることになりました。

 

北舟岡駅。ホームからすぐ内浦湾が望める絶景駅。

列車交換のため停車時間があったため、車内から写真を撮る人、ホームに

出てみる人で一瞬車内がドタバタとなりました。

小幌駅訪問後、夕方に訪問することになります。

 

15時06分、小幌駅に到着。

 

トンネルとトンネルの隙間に設置された小幌駅

乗ってきた長万部行き普通列車はトンネルに吸い込まれていきます。

見ての通り、小幌駅目当ての観光客がざっと10人以上は一緒に下車しました。

 

この区間普通列車は2016年3月のダイヤ改正で大幅減便され、4.5往復に。

この列車が朝8時半以来の2本目となります。

小幌駅、そんな中でも通過列車があり、下り列車は2本しか停車しません。

この時間に苫小牧・東室蘭方面から小幌駅に来ると、

下りの始発列車に44分という丁度良い滞在時間で乗り継げることから、

みんなこの時間にやってくるのだそうです。

 

小幌駅

駅データ

【駅名】小幌 (こぼろ)

【所属】JR北海道 室蘭本線

【所在自治体】北海道虻田郡豊浦町

【開業】1943(昭和18)年9月25日(信号場として開設、旅客扱いも実施)

【構造】地上駅 2面2線

【設備】無人駅 駅舎なし

 

小幌駅は1943年、室蘭本線の信号場として開業しました。

前後の区間が長大なトンネルのため、列車の行き違いをさせるためでした。

当初から旅客扱いを行っていたそうです。

その後、小幌信号場を含む区間が複線化され、1967年に信号場としては

廃止されて正式な駅ではない仮乗降場として営業を継続。

1987年に国鉄からJRとなったところで正式な駅に昇格しました。

三方を山に囲まれており、周囲に民家はないことから利用者はほとんどおらず、

2015年にJR北海道は駅廃止を検討しましたが、秘境駅として名のある小幌駅

地元豊浦町は観光資源としてとらえ、現在は豊浦町管理のもと営業が続けられています。

 

保線用の小屋を除いて唯一の建物はこのバイオトイレ

 

小幌駅秘境駅といわれる所以は、周囲を山と海に囲まれて駅からの脱出が困難であること。駅から道がいくつか通じていますが、どれも獣道です。

 

待ち時間の間に海まで出てみようと思い、下調べなしで歩いてみました。

 

3つあるといわれる道のうち、一番西側の道を歩きました。

人が歩いた形跡がありますがやはり獣道です。

木の枝が倒れかかっているところがあり、乗り越えていきます。

 

歩いて8分ほど。眼下に海が見えてきましたが、結構高いところにいることに

気がつきます。その先、一気に急な下り坂となり、地面にロープが張られていることに気がついたところで諦めて引き返しました。

 

歩いたのは美利加浜といわれる浜へ出るルート。

3ルートのうち一番険しいものだったようです。

一番優しいのは出発時に右ではなく左へ向かい、岩屋観音のある入り江に出るルート。

事前の下調べをおすすめします。

名駅なだけあって様々な方のレポートがネットに転がっています。

 

 

小幌駅へ向かう車内で食べられると思って買っていた新千歳空港の弁当をここで食べます。遅いお昼ごはんとなりました。(フィルムの上から撮りなさんな)

 

普通列車の本数は少なくても特急・貨物列車は頻繁に通過します。

キハ281系の『北斗』が高速で通過していきました。

 

上下線のホームは構内踏切で通じています。

両方向とも2両ぶんほどの長さしかありません。

 

ほどなくしてやってきた東室蘭ゆき普通列車小幌駅をあとにします。

こちらも1両編成でかなりの混雑でした。

 

 

豊浦駅。

豊浦町の中心駅で、折り返し列車が多く設定されています。

この駅で小幌駅の到達証明書を受け取ることができます。

 

16時35分。45分ほどで北舟岡駅に到着。

次の列車まで1時間20分ほどの滞在です。

 

 

絶好のロケーション。

北舟岡駅は伊達紋別駅の隣に位置し、高台には団地があります。

利用者はそこそこいるようです。

 

時刻表。豊浦や洞爺で折り返す列車があり、日常利用に差し支えない本数が確保されています。

 

貨物列車が通過します。

1線スルーとされ、上り列車は右側通行で2番線を通過します。

 

特急『北斗』も通過。

 

ホームをつなぐ跨線橋からは雄大な景色が。

 

だんだんと良い感じになってきました。

 

待っている間に長編成の貨物列車がどんどん通過します。

室蘭本線が物流の大動脈であることを実感します。

 

 

 

待つこと1時間と少し。

日没のゴールデンタイムへと差し掛かりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地元の住人らしき人も駅に夕陽を見に来るほど、この日は条件がよかったようです。

 

夢中で写真を撮っていました。もう夢中で。

 

 

 

 

 

17時55分、乗車する普通列車が一番いいタイミングでやってきました。

この夕陽・海と列車を一緒に撮りたい。

停車を確認して跨線橋から上の写真を撮った直後のことでした。

 

 

 

 

プシャー…

 

 グオーン… 

 

 

 

 

 

_人人人人人人人_
>  発 車  <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

 

 

完全に停車時間を見誤っていました。

30秒くらいはドア開けててくれると思っていたのですが、

降車客がなく、乗車も他が乗車位置にいた2人だけだったため、

ものの10秒ほどで扉を閉め出発。

動こうとしたころにブレーキ融解音が聞こえ、

これまたものの見事に乗り遅れたのでした。

 

 

まあその後日没までもすごい綺麗だったのですが、

それどころではありませんでした。

 

 

この日、このあと室蘭に寄る予定としていたのですが、

追加で1時間20分待ち。遅れることで、列車で予定通りのルートをとると

苫小牧着が最終となりホテルのチェックインに間に合わない&室蘭で飯にありつけない

ということとなり、並行する道南バスの路線を必死で調べていました。

調べたところで路線バスも鉄道と同じく東室蘭を先に経由することから時間短縮が望めないことがわかり、この日は室蘭立ち寄りをやめ、予定に余裕があった2日目にねじ込むことで決着がつきました。

 

 

日没。

この景色はここに残っていなければ見ることはなかったので、それはそれでいいか。

 

 

 

 

 

 

19時13分発の普通列車で北舟岡駅をあとにしました。

 

東室蘭行き普通列車はH100形の2両編成。ガラガラでした。

車内の観察。最近流行のクソデカトイレは圧迫感があります。

 

中間の3区画はボックスシート。その他はロングシートという構成です。

 

すぐ接続の苫小牧行き普通列車に乗車します。

結果、苫小牧には早く着くということになります。

 

東室蘭 19時39分 → 苫小牧 20時44分 室蘭本線 普通 苫小牧行き

50系客車から改造のキハ143形での運用でした。

この車両については後の記事でたっぷり触れようと思います。

 

 

小幌駅に行ってきた』というタイトルで北舟岡駅が本編みたいな内容になりましたが波乱の一日目が終了。早速セイコーマートにお世話になりました。

二日目は日高本線と、その廃線跡を旅します!

お楽しみに。