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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

【乗継割引】在来線特急で帰ろう【新山口→関西】

前回までの九州からの帰り道。

一日かけて、できるだけ在来線特急で帰ることにしました。

特急料金に関する、とある制度がもうじき終了することを踏まえての決断です。

 

 

 

2022年9月24日(土)

 

朝の小倉駅

まずは新幹線で、在来線特急の本州最西端である新山口駅へ向かいます。

この日、静岡地区の大雨の影響で東京直通が中止されており、

のぞみ号は軒並み新大阪行きとして運転されていました。

 

乗車するのは『のぞみ』10号 新大阪行き。

この列車も本来は東京行きです。

 

 

新山口に到着。新幹線早ぇ。

ここから在来線特急の旅のスタートです。

山陽本線には定期の特急列車が運転されていないため、山陰回りとなります。

 

乗車するのは特急『3両スーパーおき』 米子行きです。

 

山口線から山陰本線を経由し、最長で鳥取まで378.1kmを結ぶ特急列車。

乗車する2号は米子止まりです。

使用車両はキハ187系気動車です。

スーパーおき』には2001年に導入され、

従来のキハ181系『おき』から大幅なスピードアップが図られました。

 

車内はこんな感じ。温かみのある配色の車内となっています。

乗降扉は乗務員室と反対側にのみ1カ所の配置であるため、

運転室直後にも座席があります。

 

SLやまぐち号の始発駅となっている新山口駅

いつか同列車にも乗ってみたいのですが、

牽引機である蒸気機関車に不調があり長期離脱中で、

運転日にはDD51ディーゼル機関車牽引の『DLやまぐち』として運転されています。

 

ここで乗車券のお話。今回は鳥取まで通常の乗車券を使用。

特急券乗継という表示があります。

この特急券には山陽新幹線との乗継割引が適用されています。

乗継割引とは、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ際、特急券の同時購入時に限り

乗り継ぐ在来線特急の特急料金が半額となる制度です。

遠距離旅行者に対して配慮された制度で国鉄時代から運用されてきましたが、

JRとして分割民営化されて以降、徐々に適用範囲が縮小されています。

そしてこの度、2023年3月31日を以て山陽新幹線岡山以西の各駅での

乗継割引の適用が終了することとなりました。

この制度のお名残乗車として、今回このルートで関西に帰ることにしたのでした。

鳥取行きだとものすごく助かったのですが、

乗車した列車は米子行きのため、下車する松江で割引適用打ち切りです。

 

特急『やくも』については乗車券含め割引となる企画切符が出ていますが、

岡山から四国に渡る人にとってこの制度廃止は痛手となるでしょうね。

 

 

新山口を定刻に出た『スーパーおき』は山口線を快走していきます。

概ね山間部を走行する山口線では高速走行が難しいためか振り子機能はオフで走行します。

よくSLが現役で運行できるな、というような峠越えもあり、

沿線の風景は豊富で見てて飽きません。

 

長門峡駅付近。田んぼのお米がいい時期です。

山に囲まれたわずかな平地を駆け抜けます。

 

今日の『スーパーおき』2号は3両編成。

ということで1+2両の組成で、運転台付き車両が中間に入っています。

いわゆる変態連結。気動車ならではの組成ですね。

 

石州瓦の家々が多く立ち並んだ町が見えてくるとまもなく津和野です。

『SLやまぐち』の終着駅で、山陰の小京都といわれる町。

山腹に見える神社は太皷谷稲成神社で、日本五大稲荷の一社に数えられます。

 

島根県に入りました。

 

新山口から約1時間40分で益田に到着。山陰本線に合流します。

山陰本線は高速化改良がされており、ここからキハ187は本気を出します。

 

山陰本線の海沿いの景色は圧巻です。天気にも恵まれまして。

カーブも車体を傾けて全速で通過します。

 

波子駅

青空・青い海と橙色の瓦が映えます。

 

江津駅

2018年まで三江線が分岐していました。

いまは山陰本線の単独駅です。

 

絶景。

 

絶景。

 

海かと思えばこれは宍道湖

湖の向こうにも建物が見えてきたらもうすぐ松江です。

 

新山口から3時間43分。松江に到着。

列車は米子まで行きますがここで下車。

出雲市か松江で降りようと思っていて、出雲市は何度か降り立ったことがあるので松江にしました。

 

特急『WEST EXPRESS 銀河』の乗車位置案内が。

運行開始当初はコロナ渦の影響で旅行商品としての発売のみでしたが、

最近、通常のきっぷの発売が解禁されたようで、乗りたい列車の一つです。

 

 

松江では約2時間の待ち時間。

昼食に出雲そばを食べたあと、少しばかり撮影。

 

特急『やくも』9号 出雲市行き

やくも号の運行開始50周年を記念して国鉄色でのリバイバル運行がされています。

電気釜はやはり国鉄色が似合いますね。

JR最後の国鉄型電車を使用した特急です。

 

最後尾は貫通が可能な500番台。

 

現在はパノラマグリーン車を連結した編成にスーパーやくも塗装の

リバイバルを行った編成もいるようで。

 

特急『やくも』20号 岡山行き

こちらが現在のノーマルといえる『ゆったりやくも』塗装です。

381系もすでにやくも号での使用が40年を超え、2024年から新型車両での置き換えがすでに決まっています。381系やくもへの乗車・撮影はお早めに。

 

 

次に乗車するのは特急『スーパーまつかぜ』10号 鳥取行きです。

 

スーパーおき』と同じキハ187系使用の列車です。

 

キハ187系鉄道友の会より制作意図・技術・デザインに優れた車両に贈られる

ローレル賞を受賞しています。銘板がありました。

 

自由席の最前列をゲットできたため前面展望。

振り子装置で車体を傾斜させるダイナミックな走行が見られます。

 

鳥取県に入り、米子~倉吉間は比較的直線が多く、

より高速走行が楽しめる区間となっています。

スーパーまつかぜ』10号は米子~倉吉 52.9kmを30分で走破。

表定速度は圧巻の105km/hです。

 

松江から1時間27分。鳥取に到着。

約1時間の乗り継ぎ時間。

 

3本目の特急列車は16時55分発、『スーパーはくと』12号 京都行きです。

第三セクター智頭急行線を経由して鳥取京阪神を最速で結ぶ特急列車です。

 

智頭急行HOT7000形のトップナンバー車が当たりました。

形式のHOTは智頭線沿線のそれぞれ兵庫・岡山・鳥取の頭文字から取られています。

 

JRおでかけネットで早期割引の切符をとったため指定席です。

本日は基本編成に増2号車を増結した6両編成で運転。

 

貫通路部分には沿線をPRするコーナーが。

 

HOT7000形の車内はこんな感じ。

運用開始から29年が経過しますが古さを感じさせないようリニューアル工事が施され、

明るい車内となっています。

側窓も大きく、先頭車からは前面展望が楽しめます。

 

前から4列目の座席に着席。前が見えます。

大きな文字のLED表示器では停車駅の案内のほか、沿線の案内も行われていました。

 

 

因美線・高規格な智頭急行線を最高時速130km/hでかっ飛ばし、

山陽本線に合流するころには暗くなってしまいました。

 

座席も気持ちよく、降りるのが惜しくなるような時間を過ごし、三ノ宮へ。

 

鳥取から2時間16分。19時11分に三ノ宮に到着。ここで下車しました。

めちゃくちゃ速いですね。

 

山口県からの在来線特急旅。いかがだったでしょうか。

新幹線だとじっくり車窓が見られないので、たまにはいいなと思いました。

 

次の旅行記は5月15日(月)から公開します。

お楽しみに。