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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

寝台特急サンライズ出雲・瀬戸号乗車記【いざ鉄路で最北へ①】

今回から新シリーズの旅行記です。

日本最北の町、北海道は稚内へ!

最果てへ向かうなら、遠さを実感したい。

空路の方が速くて安い場合がありますが、今回はひたすら鉄路で目指します。

 

旅のスタートは、今や定期で走る最後の寝台特急となった

サンライズ出雲・瀬戸号。

意外にも今まで利用してこなかったんです。

まずはこちらの初めての乗車記から。

大阪駅からスタートです。

 

 

 

2023年9月1日(金)

 

深夜の大阪駅

 

 

大阪駅の特急専用ホーム、11番のりば。

ここから東京行きのサンライズは発車します。

出発は日付が明けた0時33分。

出発の50分ほど前にホームに着いたので、まだほとんど人はいません。

 

出発まで時間がありますが、すでに乗車位置案内が出ています。

 

 

大阪駅は終電の時間帯。

JR京都線神戸線ともに24時ちょうどの新快速と、それと接続する普通電車が最終。

 

 

24時発、上り最終の新快速 京都行き。

金曜日ですが、大混雑とまではいかないようです。

 

 

それよりあとは大阪駅を終着とする電車が数本やってきます。

ホームは閑散としています。

他のホームの人が減っていくのに比べて、11番のりばには人がどんどん集まってきます。

 

 

2023年9月4日(土)

 

寝台特急サンライズ出雲・瀬戸

寝台特急サンライズ出雲・瀬戸号は、東京と出雲市・高松を結ぶ電車寝台特急

東京~岡山間を両者併結で運行し、それまでブルートレイン(客車)で運転されていた

ものを置き換える形で、1998年7月から運行開始しています。

もう運行開始から25年が経過しているんですね。

2016年を最後に日本国内から定期運行の客車寝台列車は全滅してしまいましたが、

個室を中心とした車内設備や、電車ならではの運行ダイヤ設定等で

ビジネス・観光両面での需要を維持し、孤軍奮闘、運行が続いています。

大阪に停車するのは上り東京行きのみ。

下り列車は早朝4時台の通過となるからか停車しません。

 

思っていたよりも多くの乗客が集まった大阪駅11番のりばに、

サンライズエクスプレスが入線します。

 

大阪 0時33分 → 東京 7時08分 寝台特急 サンライズ出雲・瀬戸 東京行き 

定刻で入線してきました。

乗る人はみんなスマートフォンで写真に収めようとしています。

 

ほとんどの車両が2階建てのため、重厚な車体のつくりをしています。

 

乗車するのは、東京寄りのサンライズ瀬戸号の編成。

B寝台一人用個室の廉価なほう、『ソロ』です。

 

大阪駅の停車は2分間。乗る以外のことをしている時間はほぼありません。

それでも夜行列車の出発駅っぽい時間が流れます。

 

車内の内装は木目調となっていて、温かい雰囲気。古さは感じません。

使用される285系電車はJR西日本・東海の共同開発ですが、

西日本みの方が強く感じます。

写真の11号車は広めの個室(B寝台サンライズツイン等)がある車両。

 

乗車する10号車、B寝台ソロ。

通路の両側、上下に個室があります。

 

上段の個室を予約しましたが、ドアを開けるとすぐ階段で、

上がった先はすぐベッド。ちょっとした秘密基地感。

横になる以外のスペースがほぼないのがB寝台ソロです。

 

内側から鍵がかけられるドアをしめて寝台に座るとこんな感じ。

寝台にはかけ布団・枕・浴衣がセットされています。

車内に限り、この浴衣で過ごしていいことになっています。

座ってしまえば空間的には十分かと思います。

充電用のコンセントが一口、使い捨て紙コップも一つ設備されています。

 

寝台奥にはハンガーが一つ。

下段はわかりませんが、上段には左上にスペースがあり、

そんなに大きくない旅行かばんなら置くことができます。

 

各種照明のスイッチ。時計があり、アラームをかけることができます。

オーディオサービスは終了しているようです。

 

通い慣れたJR京都線を、寝台に乗りながら通るなんて。

20分ほどで車掌さんが巡回してきて、切符のチェックが終わりました。

 

今回使用した切符。全く普通の乗車券・特急、寝台券です。

B寝台ソロの寝台料金は6600円で、1000円ほどの追加で

B寝台個室の最も多い設備、シングル(ソロより若干広い)となります。

大阪からだと在来線なので特急券は安いものの、寝台料金が入ることで

東海道新幹線『のぞみ』の指定席を利用するより3500円ほど高くなります。

しかし、新幹線の始発を利用するより1時間半ほど早く東京に着けるという

メリットがあり、寝台でしっかり寝られるのもポイントです。

 

設備の種類は豊富にあります。

A寝台シングルデラックスは簡単なホテルの一室ほどの広さがあります。

5・12号車にあるノビノビ座席は、横になれる雑魚寝カーペット席。

個室ではありませんが、寝台料金が一切不要のため、安価に利用できます。

 

285系電車は2M5Tの組成で、ノビノビ座席がある車両とB寝台ソロの車両が

モーター付き車両となっています。

床下に走行機器があるため個室一部屋の高さが低くなっていて、

そのあたりもソロが安価な設定となっている理由でしょう。

 

部屋の電気を消してみる。

街灯等の明かりだけが車内に入ってきます。

 

京都駅を通過します。これも貴重な機会。

上りサンライズは静岡まで客扱いの停車をしません。

 

部屋の明かりを消したまま、流れゆく光をぼんやり眺めます。

 

 

 

 

 

 

米原を過ぎたあたりで一度眠り、気がつくと名古屋を過ぎて

熱田駅に停車中でした。乗務員交代でしょうか。

車掌も運転士も以前のような長距離乗務はなくなっていると聞きます。

 

 

ここで目が冴えてしまい、しばらく寝ることができませんでした。

もともと乗り物で寝るのが得意ではないタイプなもんで…

 

浜名湖をわたり、浜松に運転停車したのまで覚えています。

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、富士山を見ることができました。

朝5時頃、富士駅付近を定刻で走っているようです。

 

そこからは、朝焼けを見ながら起きていることにしました。

 

 

 

明るくなってきたら少々、車内を徘徊。

部屋の鍵はダイヤルキーで外からもかけることができます。

 

 

ソロがある車両の東京寄りには片側3人が座れるラウンジがあります。

椅子の座り心地はよくなさそうですが、景色を眺めることができます。

 

同じくソロがある車両にシャワールームがあります。

この販売機にてシャワーカードの事前購入が必要。

ちなみにA寝台シングルデラックスの利用者には車掌からカードが無料で配布され、

シングルデラックスと同じ車両のシャワールームが利用できます。

アメニティ一式ももらえて記念になるのでA寝台はおすすめ。

乗ったこと無いけど。

 

B寝台シングルの車両は通路自体が上下に分かれます。

通路を挟んで左右に部屋があるのは同じですが、

見た目にも部屋がソロより広そうです。

 

7号車と8号車の間、出雲編成と瀬戸編成は車内から行き来できるようになっています。

岡山駅での連結・解放は一種の恒例イベントと化していますね。

 

 

製造銘板。

285系は7両編成5本が在籍していて、乗車しているのは第三編成となります。

 

5時26分、沼津駅に到着。

ここでの乗降はなさそうでした。

 

上段の個室でブラインドを上げていると、大きな窓から太陽の光が入ってきて

気持ちいい朝を迎えることができます。

 

 

 

5時43分、熱海に到着。

左には特急『踊り子』に使用されるE257系が留置されていて、

車両の高さの違いがよくわかります。

 

 

 

ここからの区間は太平洋が望める区間

海側の個室であれば良い景色が見られたはず。

富士山と日の出が見えたのはうれしかったけれど山側個室から見えるのは山肌ばかり。

小田原を通過したのは意外でした。

 

 

 

ここまで車内放送はありませんでしたが、6時25分頃、

横浜駅到着20分ほど前におはよう放送が流れ、

列車は定刻で走行している旨案内がありました。

大船からは横須賀線が並行し、追い越す列車も出てきます。

 

 

6時45分、最後の途中停車駅、横浜に到着。

 

このあたりで顔を洗いに行きましたが、終点到着前、

身支度をする人で車内は既に慌ただしかったです。

 

山手線の車両基地を左に見るとまもなく品川。

 

京急線を横目に品川駅へ。そこそこのスピードで通過します。

 

新橋や有楽町あたりの高層ビル群を見て、東京に来たんだと。

列車は長距離列車の風格を漂わせながら東京駅へとゆっくり入っていきます。

 

7時08分。定刻で東京駅に到着です。

 

 

隣のホームから。

車両は折り返して田町の車両基地へ引き上げていきます。

夜通し走り続けてくれたサンライズエクスプレスに感謝。

 

 

列車名通りの旅になったなと。

今度は順当にシングルに乗ってみたいと思いました。

 

寝台特急で東京まで一晩走り続けましたが、

旅はまだまだ始まったばかり。

 

次回、東北・北海道新幹線で一気に北海道上陸。

この日の内に旭川まで行ってしまいます!

お楽しみに。