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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

京とれいん引退に寄せて。

2022年12月17日(土)に阪急全線でダイヤ改正が行われました。

この改正を以て、阪急京都線の観光特急『京とれいん』の運行が終了します。

11日(日)に無事に最終運行を終えました。

 

元特急車の6300系を使用した京都本線最後の列車で、

2011年3月19日より11年9ヶ月の運行を終了しました。

 

この記事では管理人の6300系との思い出を振り返ります。

 

 

 

6300系は1975(昭和50)年に阪急京都線の特急用車両としてデビュー。

阪急の路線の中で比較的長距離の京都線を走るため、

先代の2800系に続いて2扉クロスシートとされています。

当時の特急は京阪間ノンストップ。十三の次は京都の大宮でした。

 

長らく京都線のクイーンとして君臨しましたが

時代と共に特急が増発されるのと共に停車駅が増加。

2扉の6300系は駅での乗降に時間を要するようになりました。

さらに特急の最高速度アップが計画され、対応できない6300系は

3扉セミクロスシートの9300系に置き換えられていきました。

 

管理人たかぷれがまともにカメラを使うようになったのは2008年。

すでに特急運用の末期でした。

 

このブログを開設する少し前の2010年2月。

9300系の必要数が出そろったため6300系は本線から撤退することに。

引退を前に、特別運行が行われました。

最後まで残ったのはトップナンバーの6350×8R。

 

当時、唐突な『2月おでかけきっぷ』という乗り放題きっぷが発売され、

暗に「6300系追いかけてや!」と阪急に言われた気がしたので出かけました。

 

桂車庫からの出庫です。

 

唯一沿線に出て撮った写真。梅田行き特急で疾走します。

 

当時、更新されたばかりの茨木市駅のLED表示器。

 

失敗した写真も晒していくスタイル。逆に疾走感ある。うん。

 

夕方の茨木市にて。

 

35年間、全力疾走し続けの車生。そりゃ傷みも早いよな…

 

引退記念特別運行の後半期間はヘッドマークが取り付けられました。

 

8両編成ありがとう、が少し意味深なヘッドマーク

 

梅田駅にも多くのギャラリーが。

 

夕方ラッシュ時の車内の様子。

 

最終運行日2日前、十三にて。

 

これが8両編成最後に撮った写真。

2010年2月28日を以て京都線での定期運用が一旦終了しました。

 

2010年4月~5月の行楽ダイヤ。

嵐山方面の臨時列車に正式種別がついた最初の行楽ダイヤで、様子を見ていると

桂車庫から見覚えのある車両が出庫してきました。

 

運行終了したはずの6350Fが6両編成になって復活しました。

今季の行楽ダイヤ、6両編成の6350Fが梅田~嵐山の快速特急に使用されました。

送り込みで嵐山線の普通にも充当。

 

認知度が低かったのかファンはまばらでゆっくりと観察ができました。

 

ずらり並んだクロスシート。またこの姿が見られるとは、と感動したものです。

 

けっこうレアな写真ではないかと。

 

6350×6Rの臨時列車充当は2010年度の春・秋の行楽ダイヤのみ。

以降は休車となり、残念ながら廃車となってしまいました。

(大阪方先頭車C#6350のみ正雀車庫で保管)

 

 

その代わりにデビューしたのが6354×6Rの京とれいんでした。

 

jetstream7006.hatenablog.com

デビュー当時の様子をこのブログでも記事にしています。

 

アルナ車両にて京風に改造された6354F。

デビューして間もなくは梅田~嵐山の臨時快速特急に充当。

2011年5月11日に土休日ダイヤの改正が行われ、それ以降は定期列車として

梅田~河原町快速特急として一日4往復するようになりました。

 

2019年3月からは7006F改造の『京とれいん雅洛』が投入され、京都線の観光特急は

日中1時間間隔に。それに先立つ1月のダイヤ改正から、6300系の『京とれいん』は

1日3往復となり、ホームドアが設置される十三駅で客扱いを行わない快速特急A

種別を変更。

 

快速特急A。6300系による6300系のための種別となりました。

 

重要な乗換駅、十三を通過ということで、至る所で注意喚起がされていました。

 

ここからは、引退直前に乗車しに行ったときの様子です。

 

大阪梅田駅に入線する京とれいん。

 

6300系が梅田駅に入線することはもうないのかもしれません。

 

乗車位置の異なる2つの京とれいん。

7000系改造の京とれいん雅洛は中間扉を埋めて2扉としています。

6300系は2扉で車端に扉があるため、ホームドアに対応できませんでした。

 

京都河原町駅2号線ホームに入線する京とれいん。

 

扇形ヘッドマークと、6300系の象徴であるライト部の銀帯。

 

車体側面のロゴマーク。マークの形は雅洛にも引き継がれています。

 

6300系特有の背の高い転落防止幌と号車案内。

 

アルナ車両の匠によって2両ごとに異なる内装となっています。

 

特に人気が高かったのが中間3、4号車。

京町家を意識した畳使用のボックスシート

乗降ドア付近に仕切りが付いてデッキとなっています。

 

手が込んでいるのは中間2両のみ。

逆に言うと内装が変更されたとはいえ他の4両は6300系らしさが残っていました。

 

1・2号車は【蘭の花散らし】をイメージした赤い座席。

5・6号車は【麻の葉】をイメージした緑の座席となっています。

補助席が廃止された以外、座席配置はそのまま、転換クロスシートが並びます。

視界の色は違えど、往年の京都線特急を味わうことができました。

 

2021年には、改造10周年を記念して車内にプレートが取り付けられました。

 

 

京都河原町駅では折り返し時間が20分以上あるのですが、

車両の撮影や記録をするファンがたくさん。

先に出る特急が数本あるにも関わらずに早くから座って座席を確保する一般客の姿がありました。

 

15時41分、定期特急の続行で京都河原町駅を出発。

京都河原町駅ははずれのホームからの出発ですが、次の烏丸では同じホームで客扱いをするため追加で多くの乗車。あまり2人掛けクロスシートで相席をしたくないこのご時世、立ち客も多く出るような形で烏丸を出発。

 

次の桂で降りる短距離乗車の方もおられました。

烏丸出発時より少しだけ客を減らして桂を出発。

 

次は一気に淡路。

「変な内装の列車は途中止まらない」が京都線民に定着しているのか

誤乗車っぽい人は見ませんでした。

長岡天神高槻市茨木市と特急停車駅を通過します。

 

快速特急Aの最高速度は6300系に負担をかけないためか100km/hに抑えられています。

特急の続行運転ということもあってずっと流すような走りでした。

 

以前乗車したときは復路の下り列車にも「京都はいかがでしたでしょうか」みたいな

観光案内放送が流れたような記憶があるのですが、そのような放送はありませんでした。

 

淡路到着前に、しきりに十三を通過する旨の案内。

十三では信号の関係で10秒ほど運転停車をしたのちに発車。

梅田方面の6号線ホームにはホームドアはありません。

 

 

16時25分、定刻通りに大阪梅田駅に到着しました。

 

 

乗車した日は最終日ではありませんでしたが、それでも多くのファンに見送られて

正雀車庫へと回送列車で引き上げていきました。

 

 

2010年代のインバウンド需要にも応え、多くの観光客を運んだ京とれいん。

2編成目の京とれいん雅洛があれだけ気合いを入れた造りになったのも

初代京とれいんの成功があってのことだと思います。

2020年以降のコロナ渦では運休を余儀なくされる期間もありました。

それでも、戻ってきた観光客を運び続けました。

6354Fもこんなに改造後こんなに長く走れるとは思ってなかったのではないでしょうか。

初代京とれいんの11年9ヶ月の活躍に拍手を送りたいです。

お疲れ様でした。

 

 

6300系の活躍はまだ終わりではありません。

嵐山線にて4両編成3本が引き続き活躍中です。

転用から13年が経過していますが、2扉セミクロスシートとして座席等が総取り替え

されていること、走行速度の低い支線であることからまだまだ使用されるものと

思われます。

6300系に乗りたい方はぜひ嵐山線へ。

 

 

以上、京とれいん引退に寄せて、特急車6300系について雑記でした。