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釜石線で民話の里遠野へ【ついてない東北旅③】

昨年10月。青春18きっぷの秋バージョンともいえる『秋の乗り放題パス』を

利用した2泊3日の東北旅行、その最終日です。

 

この日は釜石を出発。仙台への帰り道となりますが、

途中、民話の里として知られる遠野に立ち寄ります。

 

 

2022年10月23日(日)

 

釜石駅のホーム。

昨晩と同じ位置に止まっていたのは

釜石線の観光列車『SL銀河』用の”客車”として用いられるキハ141系気動車

元はJR北海道の車両で、51系客車からの改造車。

勾配路線である釜石線。上り勾配時に”客車”側のノッチを入れて協調運転ができ、

SL運行を動力面でサポートしています。

2012年の札沼線電化で余剰となった車両ですが、第三の車生として

うってつけの活躍場所だったのではないでしょうか。

 

一度は乗ってみたかった『SL銀河』ですが、

今年の6月を以て運行終了となりました。

 

快速『はまゆり』

釜石 7時41分 → 遠野 8時29分 釜石線 快速はまゆり2号 盛岡行き

 

本日最初の列車は快速『はまゆり』。

釜石から花巻経由、盛岡を結ぶ速達列車。

キハ110系3両編成で運行されます。

 

愛称付きの快速『はまゆり』。

前身は急行『陸中』で、2002年に快速列車となりました。

 

急行券がいらなくなっただけで車両はそのまま。

3両編成のうち2両にはリクライニングシートのキハ110系0番台が使用されます。

うち1両は指定席車です。

 

車内の札で自由席/指定席の区別がされます。

せっかくなので指定席を確保していました。

 

JR東日本の各地で使用されるキハ110系グループですが、

このキハ110系0番台は急行用に作られた車両。

JRにおいて定期の急行列車が全廃された今となっては貴重な存在です。

 

眼下に見える線路は通ってきた線路。

陸中大橋駅付近では、険しい仙人峠を越えるために線路はΩ状のカーブを描き、

距離を稼ぎながら勾配を登っていきます。

 

遠野駅到着前。

辺りが霧に覆われて視界が悪くなりました。

遠野は盆地にあるため、霧や、時には雲海が発生しやすいのだとか。

 

釜石から約50分で遠野に到着。

フォルクローロと書いてあるのは、人工言語であるエスペラント語による愛称で、

『民話』の意味。

釜石線の各駅にはエスペラント語による愛称が付けられています。

銀河鉄道の夜』でおなじみ宮沢賢治氏が「イーハトーヴォ」等のエスペラント風の

言葉を作中で使用していたのにちなんだもの。

 

遠野の駅舎。

あまり見ない、コンクリートブロック製の立派な駅舎です。

 

レンタサイクルにて遠野の町を観光します。

 

 

なんか思てたのとちがう!(笑)

 

 

観光案内所で電動アシスト自転車を借ります。

まわりたいポイントが全て町の中にあるわけではないので約3時間の予定で

いざ出発。

ギアは3段階って言ってたな。

家や商店のある町といえるエリアはすぐ終わってしまい、

スピードを出そうといざギアチェンジ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。ここで出てきました

この旅の『ついてない』ポイント⑩

レンタサイクルのギア故障。

 

 

いくらハンドルをガチャガチャやっても一向に切り替わらない。

動かない一番下のギアは、なんならスピード出さない市街地でも

漕ぎすぎくらい漕がないといけないくらい空回り気味。

 

駅から離れてしまったため戻らずに先へ進むことにしましたが、

はたから見ても他人の倍はペダル漕いでます。ギーギー。

 

電動アシストなかったら死んでた。

ちょっと漕いだらアシストによって最低限のスピードが出ます。

 

 

 

 

ひょっこり現れた保存客車。

何も調べていなかったのでびっくりしましたが、車号は『オハフ46 2005』。

元は東京の恵比寿で保存されていたものが移設されたものだそう。

展望車風となっているのは恵比寿での改造だそうで。

 

のどかな遠野。

遠野へ列車で下りてくる時の雲がまだ見えます。

 

先ほど遠野駅の観光案内所にポスターがあったとおり、

遠野はカッパ伝説の地。

1974年に最後に発見されたといわれているだけでなく、

柳田國男氏の『遠野物語』にも記述があります。

 

遠野駅から35分ほどでカッパ淵に到着。

 

かつてカッパがたくさん住んでいたとされるカッパ淵。

カッパの神様も祀ってあります。

カッパを釣ることができますが、許可証が必要です。(獲れるとはいっていない)

 

薄暗い水辺で、確かに出てきそうな雰囲気はあります。

 

さらに奥へ進みます。

基本は田園地帯ですが、時折アップダウンがあるため電動は必須。

ママチャリやライダーズバイクはガチ勢。

 

行こうと思っていたところの最深部、山口集落の水車。

これが地域共同で使用していた当時そのままの水車小屋。

 

駅から10kmらしい。疲れました。

帰りは下り。

山口集落へ向かう道はずっと上りでした。

 

 

道を変えながら散歩。

サイクリングロードも整備されています。

 

実りの秋。

 

川沿いをひたすら漕いで、町へ戻ります。

 

遠野市立博物館に寄るなどして12時頃に

レンタサイクルを返却しました。

博物館、非常に興味深かったです。

 

 

駅へ戻ると、花巻行きの『SL銀河』が停車していました。

牽引機の給水のため、遠野駅で長時間停車します。

近寄りたかったですが、まもなく列車が入線。

 

 

遠野 12時17分 → 花巻 13時10分 釜石線 快速はまゆり4号 盛岡行き

 

写真はありません。

前日の快速リアスと同じ理由でしょうか、大混雑でした。

しまった、こっちの列車で指定をとっておくべきだった。

『ついてない』ポイント⑪にあげておきましょう。

 

 

立ち席でそのまま花巻に到着。

多くの人は新花巻で新幹線に乗り換えるか、そのまま盛岡へ向かうかで、

花巻で下車したのは意外にも少なかったように思います。

 

 

花巻 13時25分 → 一ノ関 14時14分 東北本線 一ノ関行き

一ノ関 14時41分 → 小牛田 15時27分 東北本線 小牛田行き

小牛田 15時33分 → 松島 15時53分 東北本線 仙台行き

松島 16時09分 → 岩切 16時25分 東北本線 仙台行き

 

基本的に自分の旅行では一度の旅行で同じ道を通らないようにしているのですが、

追加でどこかへ寄るとタイムオーバーになるため今回はやむを得ず。

初日の修行を再び。東北本線をひたすら戻ります。

松島で段落とししたのは、岩切での待ち時間の兼ね合いです。

 

 

すでに日も落ちてしまいました。花巻から3時間で岩切に到着。

最後にせめてと、未乗の利府支線に乗車します。

 

岩切 16時40分 → 利府 16時46分 東北本線(利府支線) 利府行き

701系の4両編成です。

 

 

東北新幹線車両基地が並行します。

見えているのはE3系とれいゆつばさ』。

 

中間に新利府駅を挟んで終点の利府に到着。

 

新幹線の車両基地の従業員輸送と、その先の町(利府)を結ぶ路線、

みたいな形をしていますが、成り立ちは全然違うようで。

 

現在は支線となっている利府までの路線が、1962年までは東北本線のルートで、

松島駅まで線路がつながっていました。

利府から松島までの区間は勾配がきつく、1944年に勾配が緩和された現路線が開通、

並行して路線がしばらく残り、1962年になって利府~松島が廃止されました。

「旧線の一部が現在も旅客営業を続けている」が正解のようです。

 

利府駅舎。

利府町仙台市ベッドタウンとなり、日中は毎時1本の折り返し列車が発着。

朝夕は毎時2本程度の列車が仙台へ直通します。

 

梨が名物のようで、自販機がありました。

 

利府 17時09分 → 仙台 17時27分 東北本線 仙台行き

 

 

仙台空港からおなじみスカイマークで神戸へ帰還。

701系の修行に始まり701系の修行に終わった今回の東北大遠征。

たまにはこんなついてない旅行も良しとしましょう。

いや、良くないか。

 

 

次回からは今年の旅行記となります。お楽しみに。