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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

北東パスで行く東日本・北海道紀行【2014年8月】⑥

学生時代の北海道・東北大旅行の4日目。

 

この日は旭川を出発し、滝川からひたすら根室本線

台風による被害から東鹿越〜新得が休止となる前で、

当時運行されていた滝川から釧路へ直通する

日本一運行距離の長い普通列車、2429Dに乗車します!

 

 

 

旭川8:08→滝川8:54  岩見沢行き 普通列車

 

旭川から赤電こと711系電車に揺られます。

前日に続き2回目の乗車です。

 

朝の列車ですが、夏休みということでガラガラ。

国鉄車特有のボックスシートが並びます。

 

711系は北海道用として寒さ対策等の工夫が凝らされた

北海道の近郊型電車の元祖。

長年に渡り北海道の交流電化区間で活躍してきましたが

今年度(2014年度)末での引退が決まっていました。

そんな711系に乗るのもこのタイミングで北海道に来た理由の一つ。

重厚感のある走りを満喫しました。

 

滝川駅に到着しました。

 

跨線橋を渡って、根室本線は駅舎側1番線から発車します。

 

いちばん下の段に表示が出ています

9時37分発の釧路行きに乗車します。およそ8時間半の旅。

 

 

 

そんな旅の始まりですが、写真がありません。

釧路行き2429Dは富良野まで単行であるのと同時に、観光地である富良野への輸送を兼ねているため想像以上の混雑で、入線と同時に着席したため慌ただしくて写真がなかったのかと。

 

 

富良野駅で撮影した2429D専用のサボです。

「日本一長い距離を走る定期普通列車(2429D)」と書かれています。

 

富良野駅では連結作業のため18分の停車です。

長距離普通列車は停車時間もダイナミック。

 

 

ここから2両編成となります。

キハ40の1751と1752。偶然連番の組成となりました。

 

車内。

車両は増えても富良野で一気に乗客が減り、かなりゆったりに。

 

北海道のキハ40は窓が小さいのと車内デッキ付きなのとか独特で

なんか好きです。何時間でも乗れちゃう。

 

連結作業が終わってもたっぷり時間があります。

 

富良野線の列車が来ました。

この列車からの乗客を拾ってからようやく出発です。

 

超えなければならない山々が迫ってきます。

 

金山駅。北海道らしい駅舎とホーム。

 

金山湖を橋梁で渡ります。

 

この金山湖沿いに東鹿越駅があり、そこから先、

狩勝峠(現在はトンネル)超えを経て新得までの区間

2016年の台風被害から復旧されないまま現在も運休となっています。

そのため現在はこの経路の列車の運行はできなくなっています。

 

 

現在は運休区間となっている幾寅駅。

高倉健の映画『鉄道員 ぽっぽや』の舞台、幌舞駅として使われた駅で、

ロケに使用されたキハ40の改造車も保存されています。

 

狩勝峠区間の手前の駅、落合。

列車交換のため13分停車します。

交換相手はタラコ色のキハ40でした。

 

この落合駅も列車が来なくなって4年近くが経ち、

構内は草で覆われているといいます。

台風被害の数ヶ月後にはJR北海道富良野新得(上落合信号所まで)の区間

の廃止の意向を示しており、鉄路の復旧はもう難しいのかもしれません。

 

 

日高山脈を新狩勝トンネルで抜け、石勝線と合流し新得に到着。

ここにもタラコのキハ40。

 

時刻は12時45分。滝川から3時間です。

ここから先は札幌への特急列車も通るメインルート。

各駅でも乗客の乗り降りが比較的あります。

 

兵庫県民からすると親近感のある駅名、御影。

 

沿線は十勝平野っぽく畑が増えてきます。

 

芽室駅で列車交換のため長時間停車。

 

 

いい時間なのでお昼ご飯に駅弁をいただくことにします。

この旅2つめの駅弁は…

 

朝に旭川駅で買っておいた蝦夷わっぱ。

 

北海道らしい海鮮の駅弁。

普通列車のボックス席で食べる駅弁は格別ですな。うまし。

 

 

途中の帯広貨物駅では、便乗の乗務員さんの乗降のため停車しました。

駅から離れたところに運転所があるためのようです。

 

 

14時10分、帯広に到着。25分の停車。

帯広駅は都会の高架駅です。

長距離普通列車は沿線のいろんな姿を見せます。

 

この駅で特急スーパーおおぞら5号に追い抜かれます。

追い越しは意外にもこの一回だけなんですね。

 

行程は半分を超えたくらいです。

 

幕別駅で特急スーパーおおぞら8号とすれ違い。

 

北海道ちほく高原鉄道が分岐していた池田駅

拠点駅ですが意外にも素通り。

 

時刻は15時を過ぎ、乗車時間も5時間半超え。

見慣れた乗客もちらほら、18きっぷシーズンでもあることから

長距離乗り通し勢も一定数居たのかもしれません。

 

直別駅。2019年3月に信号場となった駅です。

 

ここでも普通列車と交換。

長時間停車の度にホームに出るのは長距離勢でしょう。

 

尺別駅。こちらも2019年3月に信号場となった駅です。

特急スーパーおおぞら10号と交換。

各交換待ちでは必ず10分弱の足止めとなります。

 

太平洋に近づきます。

 

離れると湿地帯となります。

町と町のあいだの人口希薄地帯です。

 

時刻表を見ていると通過列車の異様に多い駅、古瀬駅。

周辺は緑に囲まれていて、家らしき物も見当たりませんでした。

この駅も2020年3月に信号場化。

 

幹線でもどんどんと駅が減っていっている北海道の現実です。

 

 

17時すぎ、白糠駅に到着。夕方の空になってきました。

 

貨物列車とすれ違い。物資も通る大切な動脈です。

 

線形がいいのでキハ40でもけっこう飛ばします。

 

楽しそうな駅名、大楽毛。ここまで来ると釧路近郊。

終点はもうすぐです。

 

朝列車に乗り、日没を迎えようとしています。

 

そして…

 

18時02分、滝川から8時間25分、308.4kmの道のりを経て

定刻で釧路駅に到着しました。

日本一長い距離を走る普通列車、完乗です。

 

釧路駅

 

 

単線の幹線を対向列車に道を譲りながら走るため、

特急の走る新得〜釧路だけで比較しても実に特急の2.5倍の時間をかけて走破しています。

しかし、特急列車ではわからない小さい各駅の表情が見られて、

旅情もあって実に有意義な8時間半でした。

全然苦痛じゃないよ。うん。

 

 

 

さて、明日は根室本線をさらに東へ。キハ54に一日乗る日です。

その模様はまた次回。