昨年の宝塚線に続いて、我らが神戸線にもダイヤ改正が実施されることになりました。
神戸線では2009年・2012年に小規模なダイヤ変更がありましたが、大きいものとしては
宝塚線と同じく2006年10月28日改正以来、実に9年半ぶりとなります。
すでに詳細なダイヤが発表されているため、
改正内容と車両の動きの予測を私見を交えてお伝えします。
まずはプレスリリースで触れられたものから。
①途中駅での車両増結・解結を減らして所要時間を短縮
神戸三宮駅での通勤特急、西宮北口駅での通勤急行の増結作業を、
西宮北口・神戸三宮駅での特急・通勤特急の解結作業をそれぞれなくして
所要時間の短縮が図られます。
通勤特急については車庫を出る時点で10連に組成されたものが使用され、
通勤急行については全列車8両編成での運行となります。
梅田行き特急については増結作業が継続され、これまでと同じ便が10両編成で運転されます。
ピークに近い時間帯の8連特急は存置。
また、通勤特急が神戸三宮始発になることに伴って通勤急行が新開地・高速神戸始発として運転され、神戸三宮で接続がとられます。
10両編成で運転され、8両編成のものには設定されません。
上り(梅田方面)9本、下り(神戸方面)5本が対象です。
③朝ラッシュ時神戸方面の列車種別整理
朝ラッシュ時間帯に神戸方面に向かう優等列車の種別が「通勤特急」に統一されます。
「特急」の運転がなくなり、プレスリリースでは触れられていませんでしたが「急行」の運転も取り止められます。
④平日夕方の梅田行き特急の(新開地からの)所要時間短縮
高速神戸駅での時間調整をする列車が減り、最大3分の所要時間短縮が図られます。
神戸三宮以東の所要時間は変わりません。
合わせて、上り列車のダイヤが昼間に揃えられます。(概ね3分スライド)
⑤平日23時台の増発
梅田発23時台の列車が30分台まで10分間隔で運転され、「快速急行」「普通」ともに1本ずつ増発されます。合わせて、梅田行きもその時間帯に「快速急行」「普通」が1本ずつ増え、連絡する各支線の列車も増発されます。
以下、Lineaを見て気付いた点や個人の考察です。
今回の改正ダイヤでは平日朝と夜間時間帯に大きく手が加えられています。
しかしベースは2006年ダイヤから大きく変わっていないのがすごいところ。
(改正ダイヤがLineaより先に鉄道ピクトリアル誌に載るという事案がありましたねw)
プレスに載っていない変更点もいくつかあったので以下に紹介します。
上記①について
女性専用車両が設定されるのに伴い、10連となる通勤特急の運用は10連固定化されます。現状でも10連固定が2仕業ありますが、これを5仕業とするようです。
6回ある神戸三宮駅での増結作業は特急のみの3回に半減させ、2両増結編成の送り込み回送も削減されます。
運用の都合で、上下共に西宮北口始発の通勤特急が1本ずつ設定されます。
(これを受けて平日1本の梅田行き急行が廃止)
また、無駄な回送を出さぬように朝早くから10両編成の列車が設定され、逆に平日8時台以降の下り列車の10両編成が全て廃止されています。
通勤急行は8連となり、8200系登場時の目的もなくなることに。
10両編成となる列車は梅田到着8時以降、全て折り返し回送で西宮入庫とし、これによって駅での解放作業は全廃となります。
この表示は見納めへ。
こんな並びも見納め?
8時を境に折り返しパターンが変更となっているので、ダイヤに苦慮したあとが見られます。
(回送を8号線発に固定するための処置か?)
車両運用面から見ると、これまで多くが朝入庫だった通勤急行・準急が日中に多く残り、10両になったものは全て朝入庫と、これまでの感じを覆す変化が見られます。
10両が全て朝入庫、は逆にとらえると日中の運用すべてに1000系が入れるようになることを意味しますね。
続々増える1000系が真の主役の座へ。
上記②について
宝塚線と同様、女性専用車両を含む10両編成は一定期間固定編成を組み、通勤特急専用編成となることと思われます。
既に一部の7000系に転落防止幌設置用のフックが取り付けられています。
ただ、宝塚線のように女性専用車両を増結車側とすることが出来ないため、一旦ステッカー等を貼り付ければ日中の運用に復帰することは難しいものと思われます。
(現在、7000/7002/7004/7012Fにてフック取り付けを確認)
上記③について
朝8時台下りに運転されていた「急行」の運転がなくなり、「特急」は代替として塚口停車の「通勤特急」となります。「急行」のぶん、下り列車の運転本数は純減となっています。
急行 西宮北口行きは消滅。
明るい時間帯の下り急行もなくなることになります。
上記④について
夕方ラッシュ時間帯の上り列車の時刻が変更され、それに伴って
梅田駅での折り返しが大きく変更され、同じ系統同士の折り返しだったものから、
特急→通勤急行
全線普通→普通西宮北口
区間普通→特急
という分け隔てない大運用となります。
(運用が効率化され、運転本数は同じながら夕方出庫が1本削減されています。)
日中走る列車は全てが一度は特急に就くことに。
ここへ来て5000系復権?特急運用を見る機会が増えそうです。
また、ダイヤパターンの変化がなくなることから、夕方5時台の上り列車を詰めて運転する必要がなくなったため、夕方4時台に運転されていた西宮出庫の下り普通列車が4本廃止されています。
夕方の普通 高速神戸行きは見納めに。空いている列車だったので仕方ないかな…
さらに。
ダイヤパターンが変わった影響を受けた支線がひとつ。
甲陽線です。
特急が夙川停車となった2006年改正以降、夕方は下り特急→甲陽線と、甲陽線→上り特急の接続が時刻表上2分という完璧ダイヤが組まれていました。
しかし、今回の改正で本線上りのダイヤが変わり、結果的に下り特急→甲陽線は6分、甲陽線→上り特急は概ね5分という「余裕」が生まれました。
(ちなみに甲陽線→下り特急は10分…)
でもそれでいいんです。
甲陽線利用者として、この改正を概ねプラスに受け止めています。
これまでがタイト過ぎたんです。
ここ10年でマンションが建ちまくり、ベッドタウン化が大きく進展した夙川・苦楽園。
下り特急からのカツい接続を知る地元民は特急の真ん中あたりの車両に集中し、狭いホームの夙川駅の急かされた乗継は近年危険極まりないものでした。
雨や、塚口武庫之荘辺りのモタつきで到着が遅れれば甲陽線が待たされ、苦楽園口では対向が待たされ、夙川で接続する上り特急が待たされていました。
定時性のなさにイラつき、出発直後に分岐があるにも関わらず夙川で急発進して乗客に当たる乗務員が居るほどでした。
今回の夕方のダイヤパターン変更の実際の目的は、ここの遅延波及防止にあったものだと私は思います。
改正後は接続に余裕が生まれ、下り列車は通勤急行からも乗継ができるようになるため、乗客が分散したらいいなと思います。神戸方面からの接続が良くなっているのもプラスポイントです。(22時頃に梅田方面から8分接続になるのは気にしない)
甲陽線についてムダに詳しく書きすぎました。
いい感じにテコ入れが出来ている、そういった感想です。
次は休日夜についてもお願いします。
宝塚線に続いて今回の神戸線改正でも増結車両の運用削減がされています。
通勤急行の増結中止によって現状11仕業→改正後8仕業に。
3本の削減というと…
両端MCの編成が3本居ますね。(6016/7005/7016)
6000/7000系の余剰中間車が出てきていることですし、そろそろ支線の旧型車置き換えまでのカウントダウンが迫ってきているのではないでしょうか。
行く末の気になる車両たち。
これからの車両の動きについても目が離せません。