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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

【都会の乗車困難路線】JR鶴見線に全線乗ってみた。

品川駅から京浜東北線で18分、鶴見駅を起点として、

京浜工業地帯の通勤路線として機能するJR鶴見線

複数の支線からなり、路線の特色から運行形態も特殊。

そんな都会のクセ強路線に乗り、特徴的な駅巡りをしてきました。

205系が活躍していた昨年4月のお話です。

 

 

2023年4月8日(土)

 

鶴見線は、鶴見~扇町の本線と、浅野~海芝浦・安善~大川の支線からなる

全長9.7kmのミニ路線です。

浜川崎では尻手からの南武線の支線と連絡します。

小さい路線ですが、魅力がたっぷりの路線でしたよ。

 

 

高速バスで横浜に着きましたので、早朝からのチャレンジとなります。

土曜日朝6時10分の鶴見駅です。

鶴見駅京浜東北線が停車。

東海道線(上野東京ライン)、横須賀線湘南新宿ライン等は通過となります。

鶴見線は写真右側の高架線路。

 

2階コンコースの端に鶴見線ホームはあります。

かつては中間改札があったようですが、今はありません。

 

鶴見 6時20分 → 国道 6時22分 鶴見線 普通 扇町行き

 

相対式ホーム、3・4番線から鶴見線は発着します。

 

私鉄の線路みたいですね。…と思ったんですが、鶴見線は元々鶴見臨港鉄道という

私鉄が運営していた戦時買収路線なんですね。

高架をしばらく東海道線と並走した後、高架のまま線路を横切り南へと向かいます。

 

 

土曜日なのであまり人が乗っていません。

一駅目の国道駅で途中下車しました。

 

国道駅。雰囲気のある駅で有名な駅で、ちょっと楽しみです。

次の電車まで10分ほど探索。

 

周りは普通に住宅地のようですね。

 

駅データ

【駅名】国道 (こくどう)

【所属】JR東日本 鶴見線

【所在自治体】神奈川県横浜市鶴見区

【開業】1930(昭和5)年10月28日

【構造】高架駅、2面2線

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

 

 

階段を降りるなり、独特の雰囲気が。

出口は一ヶ所で、途中で分岐する構造となっています。

エレベーターはありません。

 

のりば案内サインもなんとなく渋い。

 

改札口。ICカードの簡易改札機があります。

現金の場合は乗車駅証明書をとり、着駅精算となりそうなのでICカード必須ですね。

 

本日は休日おでかけパスを利用しているので改札を出ます。

高架下は非常に薄暗いです。

おそらく廃業している飲食店の看板も渋い。

関西でいうと阪急中津駅と雰囲気が似ていますね。

 

振り返り、駅前を国道15号線を横切ります。

 

この看板、何年前からあるんでしょうか。

 

時間もないのでホームに戻ります。

 

時刻表。ラッシュ時間帯にはけっこうな本数が運転され、

日中でも20分に1本の運転がありますが、行先はそれぞれ違うようです。

 

国道 6時32分 → 海芝浦 6時41分 鶴見線 普通 海芝浦行き

 

海芝浦行きに乗車します。

 

浅野駅から海芝浦支線に入ります。

すでに線路は海に沿っています。

 

途中駅の新芝浦駅

周囲はすでに東芝関連の工場となっています。

 

通勤客もいないため、車内はこんな感じに。

 

国道駅から9分で海芝浦駅に到着。

 

終着駅にたたずむ205系

 

ステンレス車体が朝日に輝きます。

 

下記駅データに示すように、隣接する工場・事業所関連社員以外は

駅を出ることはできません。

そのような特殊な駅ですが、日中にも80分に1本ほど列車の運転があります。

 

駅データ

【駅名】海芝浦 (うみしばうら)

【所属】JR東日本 鶴見線(海芝浦支線)

【所在自治体】神奈川県横浜市鶴見区

【開業】1940(昭和15)年11月1日

【構造】地平駅、1面1線

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

【備考】一般乗客は駅構内から出ることはできない

 

 

ホームは京浜運河に面しています。

遠くに横浜ベイブリッジが見えていますね。

この眺めを見に乗り鉄じゃなくとも駅を訪れる人が多いとか。

 

正面に見える大きな橋は鶴見つばさ橋というそうです。

 

運河なので大型船も時折通ります。

 

205系の窓から見える景色もいいものです。

 

海芝浦 6時56分 → 浅野 7時00分 鶴見線 普通 鶴見行き

 

乗客は編成通して2~3人。

みなさん乗り鉄っぽい感じでした。

折り返し時間15分ほどで出発。

この日の海芝浦駅始発列車です。

 

本線と合流する浅野駅に到着。

扇形に分岐するため急カーブに位置します。

 

扇町へ向かう本線は別のホーム。

 

次は大川に向かうため、1本扇町行き列車をやり過ごします。

 

駅に停車する扇町行き。

本線のホームは島式ホームとなっていて、

改札口や海芝浦行きホームとは構内踏切で連絡しています。

 

駅データ

【駅名】浅野 (あさの)

【所属】JR東日本 鶴見線

【所在自治体】神奈川県横浜市鶴見区

【開業】1926(大正15)年3月10日

【構造】地平駅、3面4線

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

駅名は地名と関係なく、鶴見臨港鉄道の創立者の名からとったもの。

 

扇町行きホームから見ると、次の安善駅が見えます。

 

浅野 7時19分 → 大川 7時25分 鶴見線 普通 大川行き

 

鶴見線もう一つの支線の終点、大川行きに乗車します。

この大川支線が乗りつぶしのネックとなる路線。

土休日は一日3往復しか運転がありません。

 

 

安善駅に停車した後、複線の本線を横切る形で武蔵白石駅構内を通って

大川支線に入ります。

列車本数が少ないためか線路も銹びていますね。

かつては武蔵白石駅にも大川支線用にホームがあったようで、

正式な分岐点は武蔵白石駅となっています。

 

右に大きくカーブしたあとはまっすぐ。

分岐して1kmほどで大川駅に到着します。

 

大川駅ホーム。誰も待っていません。

 

大川駅駅名標。次の駅は実態に合わせて安善駅とされています。

 

木造の駅舎。出口のみで待合室等はありません。

到着した列車からは意外なほどに利用者はいて、50人ほどが降りていきました。

周囲には日清製粉などの工場や事業所があります。

 

駅データ

【駅名】大川 (おおかわ)

【所属】JR東日本 鶴見線(大川支線)

【所在自治体】神奈川県川崎市川崎区

【開業】1926(大正15)年3月10日

【構造】地平駅、1面1線

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

 

土休日ダイヤでは3本(朝2本、夕方1本)の発着。

平日ダイヤでも9本の運転で、日中には運転がありません。

 

電車の運転はこんな本数ですが、近くに川崎臨港バスのバス停があり、

川崎駅までの路線があって日中にも運行があります。

 

大川駅にたたずむ205系

貨物の取り扱いがあった名残で側線があります。

 

大川 7時36分 → 安善 7時40分 鶴見線 普通 鶴見行き

 

折り返しの列車には5人も乗っていなかったように思います。

 

安善駅で下車。あとは扇町へ向かうのみ。

 

安善駅には燃料輸送の貨物列車が発着します。

このようなアングルでaikoのアルバムのジャケット撮影が行われたとか。

 

駅データ

【駅名】安善 (あんぜん)

【所属】JR東日本 鶴見線

【所在自治体】神奈川県横浜市鶴見区

【開業】1930(昭和5)年10月28日

【構造】地平駅、1面2線 貨物列車用側線あり

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

 

駅周辺は住宅地となっています。

 

駅舎と島式ホームは構内踏切で連絡します。

 

分岐する専用線へ貨物列車は入るようで、入換作業等のため構内は広いです。

 

安善 7時51分 → 扇町 7時59分 鶴見線 普通 扇町行き

 

扇町行きの列車に乗車します。

 

浜川崎駅を出ると旅客線は単線となり、

南武線方面からの貨物線の線路が並走します。

 

扇町駅に到着。

 

隣の駅は元号駅の一つ、昭和駅です。

 

駅データ

【駅名】扇町 (おうぎまち)

【所属】JR東日本 鶴見線

【所在自治体】神奈川県川崎市川崎区

【開業】1930年10月28日 旅客営業開始 ※当初は貨物駅

【構造】地平駅、1面1線 貨物列車用側線あり

【設備】無人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応) 乗車駅証明書発行機あり

 

扇町 8時02分 → 浜川崎 8時06分 鶴見線 普通 鶴見行き

 

折り返し時間が短かったため駅舎は撮れず。

 

海芝浦や、途中駅で折り返しがあるため、

扇町まで来る列車は日中2時間に1本程度になります。

 

浜川崎駅到着場面。

右にカーブしていくのは南武線へと合流していく貨物線の線路です。

 

浜川崎駅に到着。

鶴見線の旅はこれにて終了です。

 

浜川崎駅駅名標

南武線の分岐案内がありません。

 

ホームは道路を挟んで別の駅舎にあるため、

南武線へは改札外乗り換えになるという、これまた珍しい駅です。

 

一度改札を出ます。

 

道路を挟んで南武線のホームがある駅舎があります。

 

南武線ホーム。

各駅舎にICカード用簡易改札機がありますが、

乗り換えの際にタッチしてしまうと運賃計算が打ち切られてしまうため、

タッチは当駅で乗り降りする場合に限られるようです。

 

こちらも南武線のみの駅名標

 

浜川崎 8時16分 → 尻手 8時24分 南武線 普通 尻手行き

 

南武線(浜川崎支線)でも運用されているのは205系

鶴見線と比べると2両編成となっている点と、ワンマン運転が行われている点が異なります。

 

南武線の本線とも共通した音符イメージの車内。

2両ともモーター車で加速が良かったです。

 

支線ですが、沿線は住宅地で、尻手駅に向かうにつれて乗客はどんどん増えていきました。

 

特殊な通勤路線、鶴見線南武線浜川崎支線の乗車レポートでした。

どちらも首都圏で最後まで205系が運用されていましたが、

鶴見線には2023年12月より新車のE131系1000番台が入線。

南武線浜川崎支線には2023年9月より新潟からE127系0番台が入線。

どちらも205系を置き換えています。(南武線には予備車的に残存)

 

 

以下はおまけです。

首都圏のもう一つの未乗路線(新線)へ。

 

尻手 8時27分 → 武蔵小杉 8時37分 南武線 普通 立川行き

 

武蔵小杉駅の長い長い連絡通路を通って湘南新宿ライン横須賀線ホームへ。

 

同ホームを使用するもう一つの系統、相鉄・JR直通線に乗車してみます。

愛称は特に設けられていませんが、

Youtuberのがみさんが言ってる『そうにゃん新宿ライン』を推します。

※そうにゃんは相鉄のキャラクター。

 

武蔵小杉 8時43分 → 羽沢横浜国大 9時01分 相鉄JR直通線 普通 海老名行き

 

この系統は埼京線を延伸する形で2019年11月30日より運行を開始。

埼京線E233系相模鉄道の車両が相互乗り入れしています。

 

武蔵小杉~羽沢横浜国大間の所要時間は18分ですが、停車駅はありません。

駅間距離16.6kmは首都圏において最大です。

 

列車は武蔵小杉駅を出てすぐに東海道貨物線に転線するため、

横須賀線(品鶴線)の新川崎駅を通過します。

 

品鶴線と並走しながら東海道線に合流し、鶴見駅を通過します。

このため、運賃計算上は鶴見駅が羽沢横浜国大駅の次駅となっています。

 

貨物線は地下区間に入り、再び針路を北西へとります。

車内で写真が撮れていることからわかるように車内はガラガラです。

 

地上に出ると貨物駅の横浜羽沢駅。

ここから分岐する形でもう一度地下線へ。

 

相鉄新横浜線と合流するとすぐに羽沢横浜国大駅に到着します。

 

当駅は会社境界駅となり、ここから相鉄線

列車は特急に種別を変えて海老名を目指します。

JRの通勤車が示す特急種別もなかなか。

 

羽沢横浜国大駅は地下駅。

東急・JRはすぐ先で分岐しています。

2社どころか東急線はその先で東京メトロ埼玉高速鉄道西武鉄道東武鉄道等に

乗り入れるため、相鉄は一気に広大なネットワークの仲間入りをしたわけですね。

 

出発する列車は東急目黒線都営三田線方面の西高島平行きです。

 

発車標。

表示されている列車は全て乗り入れ先の路線が異なります。

一気にカオス化した感じ。

 

横浜羽沢駅に隣接する羽沢横浜国大駅。

JRとしては新規建設区間はかなり短く済んだわけですね。

 

駅データ

【駅名】羽沢横浜国大 (はざわよこはまこくだい)

【所属】相模鉄道横浜線 JR東日本 相鉄JR直通線(東海道線支線)

【所在自治体】神奈川県横浜市神奈川区

【開業】2019年11月30日

【構造】地下駅、2面2線

【設備】有人駅 自動改札・券売機なし(ICカード対応)

【備考1】相鉄管理駅のためJR窓口なし

【備考2】新横浜駅延伸・東急線との直通運転開始は2023年3月18日

 

 

このあとは相鉄の乗車券を購入し、相鉄・横浜方面を乗り鉄

かなり複雑な経路をたどったため記事にはしません。

翌日に千葉方面で用事があったため、次の記事では夕方に立ち寄った

都会に近い非電化ローカル線の乗車記をお届けします。

お楽しみに。