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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

12.17 阪急全線ダイヤ改正。

阪急ユーザーとして触れないわけにはいきません。

コロナ渦によって乗客の利用動向が変化していることを受けて

阪急全線が12月17日(土)に一斉にダイヤ改正を行うことになりました。

 

昨年3月13日に各線で終電繰り上げを行うダイヤ改正を行いましたが、それを除くと

京都線は2019年1月19日以来3年11ヶ月ぶり、

宝塚線は2018年7月7日以来4年5ヶ月ぶり、

神戸線は2020年3月14日(2016年3月改正ベースの時刻修正)以来2年9ヶ月ぶりとなります。

 

すでに詳細な時刻・ダイヤが発表されているので

プレスリリースに沿って改正内容を見ていきます。

 

(線路がつながっているOsaka Metro堺筋線能勢電鉄山陽電鉄阪神電鉄近畿日本鉄道京都市営地下鉄烏丸線も同日にダイヤ改正を行いますが、この記事でふれるのは阪急線のもののみです。)

 

 

全線共通の内容

・朝の10両編成運行削減

・平日夜間時間帯の本数削減

・最終列車の繰り上げ

女性専用車両を設定する列車種別を通勤特急に統一

快速急行の種別名を準特急に変更

…ということで、やはりというか減量改正に見えます。

 

ここで突然登場した準特急

2024年より京都線で座席指定サービスを開始するための準備で、

指定席サービスを付ける種別を○○特急とすることで分かりやすくするようです。

 

快速急行の種別名、好きだったんだけどな~。

 

9300系は順次工事に入っていくのでしょうか。

 

続いて、各線ごとに内容を詳しく見ていきましょう。

 

京都線

①朝の10両編成での運転を終了

京都河原町駅で増結、もしくは出庫時点からの連結で10両編成の快速急行が上下3本

ずつ運転されてきましたが、改正後の準特急は全て8両編成での運転となります。

 

京都方面の上り列車は桂駅で切り離し作業が行われていました。

途中駅での切り離しは阪急全線で最後、唯一の取り扱いとなっていました。

 

増結車両の車内にあった途中解放の案内。

外国人観光客対応で多言語案内となっています。

 

桂駅での切り離しの様子。

 

京都線から10両編成の列車は姿を消すことになります。

 

 

通勤特急快速急行改め準特急に大幅置き換え

これまで朝ラッシュのピーク時間帯と夕方以降のダイヤは通勤特急快速急行

交互に運転されてきました。両者の違いは千里線・地下鉄堺筋線方面との接続駅で

ある淡路駅に停車するか否かのみ。

今回の改正で夕ラッシュは準特急に統一され、通勤特急は朝ラッシュ時間帯に

上下3本のみの運転に。淡路駅の停車本数が増やされます。

 

夜の通勤特急は見納めに。

また、現在9300系の5号車に特急通勤特急での運用時設定されている女性専用車両は、通勤特急でのみの設定に縮小されます。

 

現在、定期での設定もある9300系以外の一般車による通勤特急も見られなくなるかも

しれません。写真は1300系のLED方向幕。

 

③平日夜間の運行間隔変更

21・22時台が現行の10分間隔から12分間隔に改められます。

21時台は準急の本数も削減されます。

 

また、18~20時台の上りに運転していた快速が廃止され、夕ラッシュピーク時に京阪間先着優等列車20分に3本から2本に減ります。快速のスジには準急が運転されます。

高槻市以東では減便となります。

 

④快速の停車駅に西京極を加えて急行に変更

快速の種別は2007年の行楽ダイヤより登場。当初は幕の色が準急とほぼ同じでした。

 

2010年3月改正より定期列車の種別に加わりました。運行体系は一貫して平日早朝の

下り、夕方の上りの運転でした。この度、夕方の運転終了と共に種別消滅。

 

急行の種別は2007年3月改正まで現行の準急のような立ち位置で存在していて、

実に15年ぶりの復活となります。

今ダイヤの運行時間帯は快速を引き継ぐ平日早朝の下りと平日深夜23時台の上りのみ。

神戸線の急行並のレア種別としての復活となりました。

西京極に停車することで接続する普通を桂止めとし、入庫を早める役割のようです。

上り急行は同じ時間に土休日も運転されます。

 

快速特急A 京とれいんの運転終了

6300系6354×6Rで運行されてきた『京とれいん』の定期運行終了が発表されました。

アルナ車両にて内装を大幅に改造され2011年3月より運行開始。

2019年1月改正からは十三駅のホームドア設置に伴い十三通過の快速特急Aとして運行されてきました。

 

6300系の8両編成による本線定期運行が終了してから実に12年10ヶ月。

『京とれいん』として11年9ヶ月、

長きに渡る観光特急としてのセカンドライフに終止符が打たれます。

 

7000系7006F改造の快速特急京とれいん雅洛は引き続き運行されます。

 

京とれいん、6300系についてはまた別の記事でふれたいと思います。

 

⑥その他

プレスリリースでは触れられていない変更点です。

出入庫において客扱いをする列車が増えた印象です。

茨木市始発の上り準特急が数本設定

堺筋線減便の影響か朝ラッシュ終了後の正雀行きが大幅増加(11時台まで運転)

・朝ラッシュ時ピーク前、主に茨木市高槻市の普通削減 茨木市始発の増加

 (↑一部の普通の運転取りやめはプレスに明記)

快速廃止の影響で京都方夕ラッシュ下りの減便(20分に5本→4本)

・夕方下りの準特急の所要時間増(44分~46分→48分)

ダイヤに余裕を持たせているようです。今後指定席サービスの始まる9300系を準特急

から外さないためのように思えます。(現状は折り返しの都合準急や普通にも使用)

・土休日ダイヤ下り19時台以降 主に普通を削減

・土休日ダイヤ上り20時台は15分サイクル→12分サイクルに変更

 高槻市場面21時半以降、桂入庫のためか高槻市以東に直通する普通の増加

 

9300系の普通・準急運用は現在もレアですがかなり減るかも。

 

こうしてみるとけっこう鉈の振るわれた感のある京都線です。

地下鉄乗り入れや9300系、7連と車両の制約の多い京都線

運用を組むのが大変だったのがダイヤからも見えました。

 

宝塚線

通勤特急を8両編成に変更

2015年3月改正の設定以来、川西能勢口→大阪梅田を10両編成で運行されてきた

通勤特急が、8両編成での運転に改められます。

女性専用車両は引き続き宝塚方の最後尾車両に設定されます。

 

 

十三駅のこの2両ぶんのホームドア、どうするんでしょう。

 

宝塚線からも10両での運転が姿を消すことになります。

 

箕面線宝塚本線の直通運転終了

平日朝に梅田行き2本が設定されていた箕面線からの直通列車の運転が終了となります。

かつては朝夕ラッシュ時に直通運転が行われ、2018年7月改正で準急や梅田発箕面行きの下り列車の運転終了など大幅縮小されていました。

今後、箕面線で本線の8両編成は見られなくなり、4両編成が往復するだけの路線となります。

 

③平日夜間の運行間隔変更

21・22時台が現行の10分間隔から12分間隔に、

23時台が現行の12分間隔が15分間隔に改められます。

 

④その他

ラッシュ時間帯のダイヤとの境目が変更されています。

・上り通勤特急を6時台に1本増発

箕面始発だった普通を雲雀丘花屋敷発に変更

 上記2点で川西能勢口・池田からラッシュ時間帯の頭が増発されています。

・大阪梅田9時前後の普通削減

 ラッシュ前倒しとして上りの9時前後に到着する列車と9時以降の下り各駅停車が

削減されています。

・下り特急日生エクスプレスの運行時間帯が20分前倒しに

 大阪梅田17時57分発から7本の運転となります。夕ラッシュの10分ヘッド3本ダイヤも20時で終了し、増発時間帯が30分短くなっています。

 

公式発表で昼間のダイヤに変更なしとしておきながら、

全日昼間を中心に急行の大阪梅田着が分単位で見て1分早くなっています。

現状、4号線の急行発車→5号線の普通発車→信号待ちをして5号線に普通到着

→4号線に急行到着、としているのを

改正後は4号線の急行発車→5号線の普通発車とすれ違うように4号線に普通到着

→5号線に急行到着、として折り返しで種別変更をして昼間の全運用を雲雀丘花屋敷

(平井車庫)に立ち寄らせて柔軟な運用を組むのが狙いのようです。

このような運用(梅田差し替え)は実は改正ごとに増えていましたが、今回、昼間帯で

全実施となりました。

 

また、朝ラッシュ時上りの急行準急の順序が入れ替わっています。

遠近分離が必要とはいえ、ともに途中で普通を抜かず並行ダイヤとなっているのに

変わりはなく、宝塚線のダイヤの改善点はまだあるように思います。

 

神戸線

①朝の特急の10両運転取りやめ

朝ラッシュ時に神戸三宮駅で増結し、10両で運行される特急が上り3本設定されて

いましたが、増結が取りやめられ8両編成に改められます。

 

ラッシュ対応車両、8200系の特急表示も見納め?

 

同じくラッシュ時に運行される通勤特急は固定編成による10両運転が残存。

今後、10両運転が続けられるのは神戸線が唯一となります。

 

送り込みの2両編成の回送も見納めに。

 

今津線からの準急の運転時刻繰り上げ

宝塚発、今津北線経由で運行される準急の運転時間が15分程度繰り上げられます。

運行本数は6本のまま、スライドです。

 

③平日夜間の運行間隔変更

21・22時台が現行の10分間隔から12分間隔に、

23時台前半が現行の10分間隔が15分間隔に改められます。

 

神戸線は10分に特急通勤急行・普通という夕方ラッシュのパターンが大阪梅田発

17時半から22時まで続くダイヤでしたが、利用減少により20時台までに短縮されます。

しかし、21時台も前半は12分間隔に広がりながら通勤急行も運転され、快速急行改め

準特急の運転が21時36分発からに繰り上げられます。

上り列車も準特急の運転開始が1時間ほど早まります。六甲民大勝利。

 

さよなら快速急行

 

④その他

朝ラッシュダイヤさえもほとんど変更点がない神戸線です。

準急1本目の時間は増発 周辺の普通列車の時刻が調整されています。

・朝に車両運用の都合で西宮北口乗り換えとなる普通が1本減少しています。

・深夜の新開地発快速急行西宮北口行き(平日2本、土休日1本)を廃止

 

⑤各支線

支線を多く持つ神戸線

伊丹線今津線甲陽線の各線で本線に合わせた減便が行われています。

 

今津北線では土曜日朝に沿線学校開校日のみ運転される不定期列車の時刻が変更

となっています。(定期列車の3分後続行→3分前先行へ)

 

伊丹線では平日6時台に出庫便にあたる列車が1本減便され、ラッシュピーク時の本数

そのまま運用減(5本在籍4本使用→3本使用?)が噂されています。

折り返しはカツいですが3本でも回せるダイヤとなっています。

 

単線の甲陽線では日中2本回しで10分間隔ですが、今回の減便に合わせて1本早めに

入庫させてしまっているようで本線に合わせられずダイヤが崩れています。

22時台~23時台前半に注意。

ただ、影響は最小限となるように苦慮した跡が見え隠れしています。

 

各線の終電繰り上げ

2021年3月に続いて各線で終電繰り上げが行われます。

そのときに触られなかったところが中心。

10分以上の繰り上げとなるのは

神戸線下りの西宮北口以西、神戸三宮までが15分【大阪梅田24時00分→23時45分】

甲陽線の上下線が15分【夙川24時05分→23時50分】

今津南線下りが19分 【西宮北口24時08分→23時49分】

今津北線下りが10分 【西宮北口24時20分→24時10分】

神戸線上り西宮北口までが10分【神戸三宮24時20分→24時10分】

宝塚線上り雲雀丘花屋敷までが16分 【宝塚24時26分→24時10分】

京都線上り正雀以東、高槻市までが10分 【大阪梅田24時10分→24時00分】

京都線上り高槻市以東、桂までが15分  【大阪梅田24時00分→23時45分】

となっています。

 

京都本線の桂~京都河原町間や神戸本線の神戸三宮→西宮北口間など終電間際の

時間帯の運転本数自体が削減されている路線もあります。ご注意ください。

深夜時間帯の利用が大きく落ち込んでいることがうかがえます。

 

大阪梅田駅24時ちょうどの急行 神戸三宮行きも終電繰り上げにより廃止。

各線の優等列車は23時45分発が最終となります。

 

大阪梅田発の準急桂行き、京都河原町発の快速急行高槻市行き、新開地発の快速急行

西宮北口行き等、深夜のレア列車も廃止となります。

 

今後の車両の動き

今回のダイヤ改正では各線の前回のダイヤ改正に続いて、

各線の増結車が余剰となります。

京都線では2連×3本、宝塚線では2連×4本、神戸線では2連×3本です。

 

京都線では、予定されている有料座席指定サービスに関する動きに注目。

運用減が仮にあれば古参車にも動きが出るでしょう。

 

神宝線では余剰となった増結車が組み合わせで支線の古参車両を置き換えるのか、

はたまた能勢電鉄への転出車両が出るのか、動きがまったく読めません。

こちらも今後に注目です。

 

気がつけば8両編成最後の1本となった3300系の3305×8R。

 

総評

なかなか無い三線同時のダイヤ改正となった今回ですが、

三線とも改正前のダイヤをベースとして、コロナ渦を通して浮き彫りになった

削れるところを上手く最小限に削ったダイヤとなっていると思います。

ただ、ラッシュ時に減便・減車となっているところがあり、

改正の時期が時期なので、新ダイヤが早く定着すればと思います。

 

 

 

なんせ三線同時なのでとっても長くなりました。

一利用者から見た阪急ダイヤ改正についての記事。

最後までお読みいただきありがとうございました。