学生時代の大旅行、二日目の夜です。
今回の旅行はJR東日本と北海道区間の普通列車に7日間乗り放題、
『北海道&東日本パス』を使用しています。
青春18きっぷとの違いは、有効期間が長く一日の単価が安いことはもちろん、
2014年当時は別途料金券を購入すると急行列車に乗車できることでした。
ということで、今回の旅行では最後の定期急行列車である
『夜行急行はまなす』に渡道時、そして北海道脱出時の両方でお世話になることになりました。
(宿泊費が浮く、割安な急行券で夜間に長距離を移動できるうってつけの列車でした。)
今回は札幌行きの急行はまなす乗車記です。
青森駅に到着した時にはすでに急行はまなすは入線していました。
ここで、これから乗車する急行はまなすについて少しばかり解説。
『急行はまなす』は青森と札幌を結んだ夜行急行列車。
14系座席車・カーペット車・寝台車、24系寝台車で構成される客車列車でした。
青函トンネル開通時から運行され、同トンネルを通過することから気動車化されず
一貫して客車での運行が続けられました。
青森と札幌を夜行で移動する唯一の手段であったために多くの需要を持ち
多客時には増結される人気列車でしたが、北海道新幹線開業準備に伴い
青函トンネルを在来線列車の通過が取りやめられること、車両が老朽化していたことなどから
2016年3月に廃止されてしまいました。
そんなJR最後の定期急行列車、JR最後の定期客車列車の乗車記です。
お金がないので座席車の自由席車に乗車です。
青森駅。
9号車自由席。
青森駅はまさにこれから旅に出る長距離旅客でいっぱい。
夏休みど真ん中ということで、この日は開放式B寝台車3両、座席車9両の12両フル編成での運転でした。
14系座席車に乗車するのは初めて。自由席車は簡易リクライニングシートの普通の座席車。
青森到着がギリギリだったので座れるか不安でしたが、自由席車は思ったほど混雑していませんでした。
因みに指定席車には深くリクライニングするふかふかシートのドリームカーが充当され、通常は自由席車と指定席車に格差がありますがドリームカーの数に限りがあるため、この日のように増結がされる場合は指定席車にも自由席車で使われる客車が混結されるのだとか。
22時20分すぎ、接続列車の特急つがるの遅れを受けて少し遅れて青森駅を出発。
車内で遅めの晩ご飯。新青森駅で駅弁を購入していました。
東北地方の味が楽しめる『みちのく味めぐり』。
中はこんな感じ。うまい。
ほどなく弁当を平らげると、
列車は青函トンネルを通過。もちろん初めての青函トンネルです。
初めての列車での北海道突入に向けてわくわくしていたのですが、
眠気には勝てずうつらうつら…
気がつけば函館に到着していました。
函館では約40分停車の間に機関車の付け替え作業が行われます。
北海道の非電化区間に入るためディーゼル機関車DD51を連結します。
連結作業を終え、出発を待ちます。
函館から進行方向も変わるため、後方では電気機関車ED79の切り離しも行われています。
DDの運転士さん、かっこいい!!
ホームを散歩がてら車両を外から見ていきます。
指定席料金で横になれるのびのびカーペット車。
座席車の先、函館方に連結されている寝台車も年季が入っています。
1号車と2号車の間に挿入される増結21号車。北海道ならではの号車表記です。
2号車に使用される24系客車。14系からの改造車。
増結21号車は24系25型客車。 1号車は14系ですが24系からの改造車といい、
車歴の沼に引きずりこまれそうになります。
はまなすのイラストマーク。
ED79は隣の線に据え付けられていました。
函館発は1時23分。深夜とはいえ、まだ利用できる時間で、
函館〜札幌の夜行移動需要も拾っていたことでしょう。
14系客車のもう一つのエモポイントであるドリンクの自販機。
レモンスカッシュをつい買っちゃいました。
深夜に飲むこれがまたおいしいの。
ちょっとした一人宴会を楽しみつつ、
函館駅を出発する頃には眠り込んでしまいました。
函館でも少し乗客が減ったようで、
自由席の特権というか、座席回転がてらワンボックスを占領して
なんとか眠る態勢を確保していました。
前々日の疲れからか意外とよく眠れ、
再び目を覚ますと夜も明けた南千歳付近を走行していました。
朝の千歳線を快走、新札幌など一部停車駅では長編成のためドアカットの案内が繰り返されていました。
6時過ぎ、途中停車駅でのドアカットを含めたホームの安全確認に時間を要して
少し遅れて札幌駅に到着しました。
先頭の青いDD51。かっこいい。
北海道はよく晴れていました。
赤電こと711系が出迎えてくれました。
回送列車として引き上げてゆきます。
青函トンネル通過という特殊な路線環境から高速バスという対抗馬も無く、
需要を維持しながらこんな時代まで客車列車として残っていてくれた急行はまなす。
乗車体験は貴重な経験となりました。
はまなす、帰りも乗ることになります!
その模様はまた次回。
それではまた。